タクシードライバーの中には年収1000万円を超える、やり手の運転手がいるが、彼らはどのような工夫をして高収入を得ているのだろうか?また、タクシー会社に属さない個人タクシーの運転手は、稼いでいるイメージがあるが、給料は平均してどれくらいなのか?
■秘密のテクで年収1,000万円!スゴ腕タクシー運転手の稼ぎ方
タクシー運転手の給料は決して高くない。ドラマなどの影響か、リストラされた人がたどりつく職業というイメージを持っている人もいると聞く。
しかし、それは正確ではない。タクシードライバーという仕事も、極めれば年収1,000万円に到達することも可能だ。スゴ腕ドライバーのマル秘テクニックとは。
●年収1,000万円を実現する唯一のアプローチ
タクシードライバーのインタビューや、実際の話を聞いた限り、年収1,000万円以上を稼げるようになるための方法はほぼ1つに限られるようだ。
「顧客」を持つことだ。
タクシーでは一般的に、「流し」か「付け待ち」で売上を稼ぐ。流しは、街中を走りながら客を待つこと、付け待ちは特定の場所に停まって客を待つスタイルだ。しかしこの稼ぎ方は待ち時間が多くなるため、効率的に稼ぐことは難しい。
しかしたくさんの顧客を有しており、事前予約などもたくさん得ていれば、待ち時間が少なくなる。
しかも顧客の中に長距離でもタクシーで移動するVIP客がいれば、売上は大きく伸びる。
年収1,000万円に到達するドライバーは、こうした方法論で稼ぎを増やしているようだ。
●ドライバー同士で互助グループを形成
ただし、ここで1つの疑問が生じる。
タクシー会社に所属する運転手であっても、個人タクシーの運転手であっても、毎日24時間稼働しているわけではない。そのため、顧客のニーズに細かく対応するのは難しい。それでは顧客離れが進むのではないか。
この問題を解決する方法が1つある。それは、ドライバー同士で互助グループを作ることだ。Aさんが休日の場合はBさんが対応、AさんもBさんも休みの場合はCさんが対応、というように、グループ内の運転手の顧客からの依頼は、必ずさばけるようになっている。
顧客からの依頼を決して断らないことで信頼感が生まれ、中には十年以上にわたって利用し続けてくれる客もいるという。中には迎えに行くまでの足代まで出してくれる客やチップをくれる客もおり、収入増に結びついているのだとか。
■個人タクシーの年収は?Twitterで予約を受け付けるドライバーも?
タクシーは2種類ある。「法人タクシー」と「個人タクシー」だ。このうち個人タクシーを開業するにはタクシー会社で10年以上働いた経験などが必要であることから、ベテランゆえにかなり稼ぎもいい気がする。個人タクシーの平均年収を探ってみる。
●個人タクシーの平均年収を調べた調査データはある?
結論から言えば、個人タクシーの平均年収については、信頼に値するような調査データは公表されていない。それぞれが個人営業であることから、年収データを集計して平均値を出すのが難しいからと考えられる。しかし、少し考えれば実態に関して予想はつく。
個人タクシーの場合は「最低賃金」のような概念がないため、1年間全く働かなければ年収0円である一方、優秀で勤勉なドライバーの場合は経費を抜いた分の売上がほぼそのまま収入となるため、法人タクシーの運転手の平均年収をはるかに上回ることも可能と考えられる。
気になるのは、優秀で勤勉な個人タクシーでどれくらい稼ぐことが可能なのかだ。ニュース記事などで紹介された個人タクシーのドライバーの平均年収を材料に、考察してみよう。
●Twitterやデータを駆使している運転手は……
運転手歴30年以上のある個人タクシーのドライバーは、2019年の年収は850万円だったという。別の個人タクシーのドライバーは年商1,000万円でその6割ほどが純利益となるとのことから、年収600万円ほどのようだ。Twitterで予約を受け付けるなど、工夫をしているという。
コロナ禍でも年収が大きく落ち込まなかった個人タクシーもいるようだ。年収を保てたのは「データ」を活用したからだという。人流アプリと配車アプリのデータを比較し、人が多いのにタクシーが少ない場所をうまく見つけ出したようだ。
こうしたことから考えると、個人タクシーの運転手には年収0円の人もいるが、客をつかむ努力や工夫を怠らなければ、全タクシーの平均を大きく上回る年収を稼げる可能性も十分にあるということだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部