仕送りに贈与税がかかることは基本的にありませんが、子供が仕送りで投資などをすると贈与税がかかることがあります。税金がかかるケースを確かめて、子供が一人暮らしを始める前にお金の使い方について話し合っておきましょう。
■贈与税がかかるケース1 子供が仕送りを使っていない
子供が親からの仕送りに手を付けず、預金に貯めたままにしていると贈与税がかかることがあります。
仕送りに贈与税がかからないのは、親が子供の生活費や教育費を出すのは自然なことと考えられているからです。しかし、仕送りを生活費や教育費として使っていなければ、贈与とみなされることがあるのです。
リスクを減らすため、仕送りが入金される通帳から家賃や通信費などが引き落とされるようにしておくと安心です。
また、食費や消耗品費などの生活費を引き出すときも、バイト代ではなく仕送りから先に手を付けるよう子供に伝えておきましょう。
■贈与税がかかるケース2 子供が仕送りで投資をした
仕送りしたお金を子供が投資に回した場合、贈与税がかかる可能性が高くなります。生活費や教育費に充てるという仕送りの目的から明らかに逸脱しているからです。
昨年の4月から成人年齢が18歳に引き下げられ、多くの証券会社では18歳から口座を開設できるようになりました。最近はSNSなどで投資情報を目にする機会も多いため、一人暮らしを始めたのを機に、軽い気持ちで投資を始めてしまうかもしれません。
子供には、仕送りで投資をしてはいけないことを事前に伝えておきましょう。もし投資をするならバイト代を使うこと、投資にはリスクがあることなども併せて話しておくとよいでしょう。
■贈与税がかかるケース3 仕送りの金額が多すぎる
仕送りという名目でも、生活費や教育費として使い切れないほどの金額だと、贈与税がかかる場合があります。
事前に家賃や光熱費、食費などの生活費がどのくらいになるか見積もり、実習や研修、参考図書の購入にかかる費用なども加味して、現実的な仕送りの金額を決めましょう。
生活費や教育費は進学先の地域や専攻によって変わるため、「いくらまでなら大丈夫」といった基準はありません。また、年間110万円までなら贈与とみなされても贈与税がかからないため、110万円以内に収めるというのも一つのやり方です。
子供が一人暮らしを始める前に仕送りの目的や使い方を伝えることは、贈与税発生のリスクを減らすだけでなく、子供がお金の使い方を意識するきっかけにもなるでしょう。
文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部