4年に一度の「サッカーの祭典」であるFIFAワールドカップ・カタール2022(サッカーW杯)が11月21日に始まりました。
この先、12月19日の決勝までおよそ1ヶ月にわたって世界一をかけた激闘が繰り広げられていきます!
22回目となる今回のワールドカップは、初の中東開催です。
また、アジアでは2002年の日韓W杯以来2度目の開催となります。
グループリーグは1日4試合、12日間にわたって開催され、決勝トーナメント1回戦は1日2試合、2日間にわたって実施されます。
ところで、ワールドカップの試合には、キックオフ時間にパターンがあるのをご存知でしょうか。
前回(2018年)のロシア大会では、日本時間21時、0時、3時の3パターンだけでした。
しかし今大会は、以下のように5パターンもあります。


<キックオフ時間一覧>※日本とカタールの時差6時間
現地13時:日本19時
現地16時:日本22時
現地18時:日本24時(0時)
現地19時:日本25時(1時)
現地22時:日本28時(4時)

日本時間ではちょうどゴールデンタイム〜早朝にかけてとなり、予想されていた通りではありますが、深夜や早朝にかけての試合が半数以上のため、試合観戦による睡眠不足が予想されます。

睡眠の役割とは?ワールドカップでの寝不足は一時的だから問題ない?


ワールドカップ観戦によって睡眠不足になったとしても「一時的であるから大丈夫!」と思われるかもしれません。
しかし、それが習慣化すると気づかないうちに睡眠負債をため込んでしまう危険性があります。
睡眠には、浅い眠りから深い眠りに入り、再び浅い眠りのサイクルを繰り返す「ノンレム睡眠」と、閉じたまぶたの下で眼球がきょろきょろ動いている急速眼球運動(rapid eye movement :REM)を伴う「レム睡眠」と、役割が異なる2種類の睡眠状態に分けられます。
レム睡眠の時、身体は休息した状態ですが、脳の活動は起きている状態に近く、記憶の整理などを行っていると考えられています。
夢を見るのもレム睡眠時といわれています。 ノンレム睡眠とレム睡眠の周期(睡眠周期)は、個人差はありますが、約90分といわれており、5サイクルするには7時間半(450分)必要です。
最適な睡眠時間が7〜8時間といわれているのは、この睡眠周期に由来しています。

よりよい睡眠をとるためには?平日の寝不足は週末に解消してよい?


適した睡眠時間には個人差がありますが、いずれにしても大切なのは、普段、何気なく眠って疲れが取れたと感じるだけにせず、自分の睡眠状態をしっかりと把握してリズムを大きく乱さないことです。
ワールドカップ観戦により睡眠不足になった分を取り戻すために、週末に寝だめをする方も過去の大会では多かったようです。
しかし、寝だめは瞬間的には気持ちがよく、睡眠不足が解消できた感覚になりがちですが、翌週以降の不調の原因になる可能性が非常に高いと言われています。
身体の不調に大きく影響するのは、「太陽の光を浴びる時間」であり、この時間が遅れてしまうと体の中の「時刻合わせ」ができずに体内リズムは乱れてしまいます。
休日もなるべく平日と同じ時間に起きていただき、少し起きる時間が遅くなってしまったとしても1〜2時間以内にベッドから起きて、太陽の光を浴びることが推奨されています。

それでもワールドカップをライブ観戦したい人は「睡眠の質」に注目


慢性的な睡眠不足は日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られています。
一例を挙げれば、健康な人でも10時間たっぷりと眠った日と比較して、寝不足(4時間睡眠)をたった2日間続けただけで食欲を抑えるホルモンであるレプチン分泌が減少、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が亢進するため、食欲が増大することがわかっています。
また、起きている時間が長くなると、ついつい食事や夜食の回数も増えてしまいがちです。
「つい食べてしまう」という行動には、睡眠不足が影響しているということがおわかりいただけたと思います。
ごくわずかな寝不足によって、私たちの食行動までも影響を受けるだけでなく、実際に慢性的な寝不足状態にある人は、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを高める生活習慣病にかかりやすいことも明らかになっています。

「睡眠も大切だけど、4年に1度のワールドカップはもっと大切!」

きっとそんな方もおられるでしょう。
この期間、試合をライブ観戦することで睡眠時間が短くなってしまう方は、睡眠時間ではなく「睡眠の質」を上げることに注力してみましょう。
「睡眠の質」を上げるためには、寝る前にできるだけリラックスした状態をつくることが重要となりますので、以下のことを意識してみてください。
まず、寝る前に2分程度のストレッチをしてみましょう。
特に手先や足先、股関節を中心に体を伸ばすと、効率よく体が温まり、血行も良くなります。
また、白熱した試合観戦により上がった心拍数を下げるために、深呼吸をするのもいいでしょう。
ベッドに入って仰向けの状態で部屋を暗くし、5秒程度を目安に深呼吸します。 何度か繰り返すことで心身のリラックス効果を感じられるでしょう。
数時間しか睡眠がとれない時や夜中に起きなくてはならない時など、起きて一番にスマホを見ることで目を覚ます方法もあります。
覚醒効果のあるブルーライトは寝る前に見ると寝つきが悪くなりますが、起きる時であればむしろ効果的に目を覚ましてくれます。
そして、締め付けの少ないゆったりとしたパジャマや、清潔にしたシーツ、自分に合ったベッドマットレスや枕などを用意して睡眠のための環境を整えることも重要です。
しかしながら、季節の変わり目でもあり、気温が急激に下がり体調も崩しやすい季節ですので、くれぐれも健康には配慮して、明日の大一番であるスペイン戦の応援や、連日の世界のプレーを楽しみたいですね。

 <参考> 厚生労働省「睡眠と生活習慣病との深い関係」