犬は人よりも早いスピードで年を重ねていきます。シニアになった愛犬の姿を見て、老いを実感することもあるでしょう。

シニア犬ならではの「可愛いしぐさ」は?

今回いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、現在シニア犬と暮らしている飼い主さん35名に、「シニア犬との暮らし」についてアンケート調査を行いました。

まず、「愛犬がシニアになって感じる『シニア犬の可愛いところ』」について聞いてみると、次のような回答が寄せられました。

甘えるようになった


愛犬がシニアになって、以前よりも甘えん坊になったと感じている飼い主さんがいるようです。
「散歩中に疲れてくると、前に回り込んできて、見上げてくる。抱っこしてのサイン」
「ツンデレだったコが、年をとってデレデレになった」
「目が見えなくなったからなのか、『ココ何かあって進めないんですけどー?!』みたいなお願いの顔が、BABYの時のようにあどけなくてかわいいです。ツンデレからツンが少し減って、頼ってくれるようになったのもシニアになったからなのかな?と思います」

動きや歩き方が可愛い

動きや歩き方を見たときに、シニア犬の可愛らしさを感じるといった声も。
「走り回る時とヨタヨタ歩く時の差」
「足取りがよろけても懸命に側に来てくれるところ」
「動きがのんびりしているところ。起き上がる時とか、よいしょってなる感じが可愛い」
「動きがゆっくりになって、側で見ているとスローモーションのようで、なぜかほっとする」

老化を実感するけど愛らしい姿も

このほかにも…
「寝る時間が増えましたが、その仕草が愛おしいです」
「顔まわりが白くなってきて、表情が幼く見えるところ」といった声が寄せられました。

シニア犬のことで「気になること」はある?


また、「愛犬がシニアになってから気になっていることがあるか」について聞いてみたところ、次のような声が寄せられました。

ゴハンに関する心配事

「もともと少食なところがありますが、食にむらがあり、食べないことがある」
「シニアになってから、食の嗜好が変わった」

愛犬の寿命や健康・病気に関する心配事

「いかに健康寿命を延ばせるか」
「体力の衰えからの病気や怪我、認知症になったらのこれからの対応、対処についてはよく考えています」
「耳が遠い。痩せてきた。運動量が減った。ゴハンの量が少なくなった。動作が鈍くなった。目が白くなった」
「体重が落ちてきたこと。よろめくようになったこと」
「排泄や歩行の困難さ」
「目がどこまで見えてるか、だんだん見えなくなってきてるのが心配」
愛犬の老いを実感し、さまざまなことに不安を感じている飼い主さんもいるようです。

【獣医師解説】愛犬の「老い」との向き合い方について


愛犬の老いや体調の変化を目にすると、飼い主さんも不安になることだと思います。シニア期の愛犬とどのように向き合えばよいのか、いぬのきもち獣医師相談室の先生に聞きました。

シニア期の犬の変化は個体差がある

——アンケートでもさまざまな回答が寄せられましたが、「シニア犬ならでは」といえる行動変化には、実際にどのようなものがありますか? 
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「犬のシニアの時期に見られる変化としては…

散歩に行きたがらないようになる
動きがゆっくりではあるが、動きたい気持ちが強いコもいる
思うように動けないことで、少し苛立つようなしぐさや、大きな鳴き声を上げるコもいる
運動不足による食欲不振や便秘などで、トイレにかかる時間も長くなる
いろいろなことが思うようにいかなくなるので、わがままになったり、甘えるようになるコもいる
ひとりになりたがったり、飼い主さんから少し離れるコもいる

といったようにさまざまな変化が見られ、個体差もかなりあると思います。

ただ共通していることは、飼い主さんへの依存心が芽生え、愛犬にとって飼い主さんが今まで以上になくてはならない存在になっていることでしょう。

そういった理由から、今までの様子とは明らかに違うような行動が見られるようになります」

愛犬の老いとの向き合い方について

——シニア期に見られる愛犬の変化を、「シニア犬ならではで可愛い」と感じる場合もあれば、なかには戸惑う飼い主さんもいるようです。飼い主さんは愛犬の老い、変化とどのように向き合えばよいでしょうか?
獣医師:
「実際に愛犬が老いていくことを見ているのが、つらいと感じる飼い主さんもいるかもしれませんが、愛犬のほうが先に年をとることは避けられません。

老いを嘆いて、できなくなってしまったことばかりにフォーカスするのではなく、今できていることに目を向けましょう。

また、老いを受け入れて、残された日々をどうやって過ごすのか、最期のときはどのようにやってくるのかを想像して、頭の中でシミュレーションしておくとよいでしょう」

愛犬の老いを受け入れ、気持ちの整理をつけておくことの大切さ


——愛犬が亡くなったときに、ペットロスになる飼い主さんも多いと聞きます。
獣医師:
「そうですね。愛犬が生きている間に老いを悲しむのではなく、いかに老いた愛犬と楽しく過ごして最期を迎えるか、きちんと気持ちの準備をしておくことが大切です。

気持ちの整理ができている飼い主さんたちは、大きなペットロスに陥ることなく、グリーフを受け入れることができるようです。

また、シニアで病気を抱えている場合には、『どれだけ一生懸命病気に寄り添ったか』『看病してあげたか』などによって、飼い主さんもやり切ったというような充実した感情が芽生えています。

最期のときはもちろん大きなグリーフですが、しっかりと愛犬と向き合うことで、飼い主さんの健康を害するような重度のペットロスは避けられているように思います。

気持ちの整理がつくことで、どんな出来事も受け入れる準備ができている、というような感じでしょう」

——愛犬の老いを受け入れ、いかに今を楽しく過ごせるようにしていくか、考えていけたらよいですね。

いぬのきもちWEB MAGAZINE『シニア犬の可愛いしぐさに関するアンケートvol.01』
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※一部の写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/柴田おまめ