愛犬を亡くした経験のある飼い主さんは、亡くなる前に異変を感じたという人もいるでしょう。「何か変だな」と思ってしばらく経つと、じつはそれが病気のサインだったと気づいたり、そのまま亡くなってしまう…というケースも。

今回は、犬が亡くなる前に見せる行動や体の変化について、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。先生は、獣医師でも気づけない「飼い主さんだからこそ気づける愛犬への違和感」があるとも話します。

犬が亡くなる前に見せる行動や体の変化


亡くなる原因にもよりますが、犬が亡くなる前には、下記のような変化が見られることが多いです。

食欲が落ちる・もしくは廃絶、それに伴う尿量の低下
寝ている時間が多くなる
死の間際には意識レベルの低下(強い刺激には反応するが、反応が少なくなる・もしくは反応しない)
呼吸が不規則となる(浅い呼吸、短時間の呼吸停止、深く速い呼吸)
けいれんのように手足をバタつかせる
下痢をする

ただし、これには亡くなる原因や個体差があるため、必ずしもこのような変化が見られない場合もあります。このような予兆がまったく見られずに、あるとき突然亡くなってしまう場合もあります。

飼い主さんだからこそ気づける愛犬の異変も

愛犬のことを日頃からよく見ている飼い主さんは、いつもと違う異変に気づきます。それは、私たち獣医師にもわからない小さな変化です。

たとえば、不安になるからなのか、愛犬が必要以上についてきたり、そばから離れなかったり、表情はどこか不安そうに感じられます。また、熱があったり体が重たいと、表情は眠そうで、目に覇気もないでしょう。

いつもの愛犬の姿をよく知っているからこそ気づける異変というのも、たしかにあるのです。

飼い主さんの「なんとなくおかしい」の感覚

実際、飼い主さんから「いつもの時間にいつものところにいないんです」というような愛犬の変化について聞くこともあります。

寝るときは、いつも寝ているお気に入りの場所が一番落ち着けるはずです。しかし、具合が悪いときには、まったく違う場所でうずくまっていたり、好きな場所に移動できないというようなことがあるのかもしれません。

飼い主さんが自宅でできる愛犬の「健康チェックの方法」

愛犬の「いつもとなにかがおかしい」に気づけるようにするためにも、飼い主さんが日頃から健康チェックをしてみてください。下記のようなことを確認し、ふだんの状態を把握しておきましょう。

尿、便はでているか
多飲多尿は起きてないか
なにか少しでも食べられるのか、食べたがるか
皮膚の弾力はあるか(脱水がひどいと被毛がパサパサしている。皮膚をつまんで離しても戻らない)
呼びかけに応えるか、反応はあるか
少しでも散歩に行こうという気があるか、行けるか
体温はどうか(38度から39度台ぐらいまでが平熱)

もし体温を測るのが難しければ、ふだんからよく愛犬の体を触って、だいたいの体温を覚えておくといいでしょう。

こんな症状がでたら病院へ!

飼い主さんが日頃から上記の健康チェックをして、もし下記のような症状が見られた場合には、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

まる1日以上、尿が出ていない
目の焦点が合わない
呼びかけに応えない
体が熱いor冷たい
呼吸が荒い
立てない
まったく食べない
けいれんする

愛犬の異変や病気にいち早く気づくために大切なことは

飼い主さんが日々できる健康チェックのほか、愛犬の病気にいち早く気づくことができるようにするには、やはり動物病院で定期的な健康診断を受けることが大切です。

また、愛犬の「いつもとなにか違う」に気づいたら、たとえ些細な変化でも動物病院を受診するようにしましょう。飼い主さんにしかわからない感覚を信じて、気になる変化や症状を獣医師に伝えてみてください。

病気は早期発見、早期治療が大切です。愛犬のためにも、ぜひ心がけてくださいね。

(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
取材・文/sorami