1月22日に、SixTONES(ストーンズ)とSnow Man(スノーマン)の2つのジャニーズグループがデビューする。ともに長い下積み時代を経験したグループだが、King & Prince(キングアンドプリンス=キンプリ)のメンバーのデビューに焦りを覚えた時期もあったという。今回はAERA 2020年1月27日号から、2組のデビューまでの軌跡を追った記事を掲載する。



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 1月22日は、日本のアイドル史に残る日になるだろう。SixTONES(ストーンズ)が「Imitation Rain」を、Snow Man(スノーマン)が「D.D.」を同時リリースし、ジャニーズグループとして初めて同日デビューを果たすのだ。所属レコード会社が違うにもかかわらず、それぞれのCDにお互いの曲が収録されているのも前代未聞だ。

 年末年始の両グループの活躍は凄まじかった。大みそかのNHK紅白歌合戦では、総勢70人以上のジャニーズJr.を率いてジャニー喜多川さん(享年87)の追悼企画に出演、華やかなパフォーマンスを披露した。その数時間後には、東京ドームで行われた「ジャニーズカウントダウン2019−2020」に登場、Snow Manはそのまま午前7時からのお笑い番組「新春!爆笑ヒットパレード」へ。さらに翌日は、バラエティー番組「新春しゃべくり007」に2組揃って出演、SixTONESのジェシーさん(23)が披露したモノマネ芸「ドナルドたけしさん」は出演者の大爆笑を誘い、「ジェシー」「ドナルドたけしさん」がTwitterで世界トレンド入りした。

 歌番組、ライブ、バラエティー番組……。異なる舞台で、デビュー前のグループとは思えぬ安定した実力を発揮できるのは、この2組の経験値の高さゆえだ。ほとんどがジャニーズJr.として10年以上の活動歴を持つ。たとえばSnow Manの深澤辰哉さん(27)と阿部亮平さん(26)は2004年の入所で、両グループで最長のJr.歴を持っている。深澤さんはこの下積みの長さこそ、自分たちの武器だと話す。

「下積みの期間が長いからこそ、それぞれの個性や特技が養われてきた。デビューさせていただくこのタイミングで、これまで培ったものを一気に出すことができるんです」

 デビューに至る道のりは、決して平坦ではなかった。滝沢秀明さん(37)や嵐のメンバーがJr.として活躍していた1998年前後を「第1期黄金時代」とするならば、ここ数年は「第2期黄金時代」と呼ばれ、Jr.を中心としたテレビ番組やライブがあるほど、Jr.人気は高まっていた。両グループはその中心にいたが、18年5月に後輩にあたるKing & PrinceのメンバーがCDデビューを果たす。不安にならないはずがない。当時の心境について、ジェシーさんは19年春の本誌取材でこう答えている。

「後輩がデビューしていく中で俺たちに焦りがなかったわけじゃない。でもデビューまでの時間が長かったからこそできること、任せてもらえることはいろいろ増えたと思う」

 SixTONESの結成は15年。メンバーが集うきっかけは、12年4〜7月に放送された「私立バカレア高校」という深夜ドラマだ。6人はヤンキーが集まる馬鹿田(まかだ)高校の生徒を演じ、深夜帯としては異例の高視聴率を獲得、同年10月には劇場版が公開された。ドラマで見せたちょっとヤンチャでおバカな“男子感”は、現在のSixTONESの魅力にそのまま通じる。

 18年3月に開設された公式YouTubeチャンネル「ジャニーズJr.チャンネル」では、そんな彼らの魅力がストレートに伝わってくる。寝起きドッキリや全員でボケまくりのドライブ旅など、楽屋の雰囲気そのままを見せるアイドルとは思えない爆笑動画を次々と企画。同年10月には、YouTubeが世界各地で行う「アーティストプロモ」キャンペーンに大抜擢される。海外では、ショーン・メンデス、BTS(防弾少年団)など、数億回の再生回数を誇るアーティストが担う大役だ。

 この活動の一環として制作された、オリジナル曲「JAPONICA STYLE」のミュージックビデオは、滝沢秀明さんがプロデュースした。和の雰囲気のなかで飛び交う大量の花びら、その中でパフォーマンスする彼らがセクシーかつクールだと、コメント欄には日本のみならず海外からの書き込みが相次いだ。公開2日で100万再生を達成、デビューへの大きな足掛かりとなった。京本大我さん(25)は、YouTubeにおける成功をこう振り返る。

「霧が晴れたというか、ちょっと曇っていたものが解消された気がします。僕らには常に課題があり、そこで結果を出さなくてはいけない。それはありがたいことだと思います。『挑戦してみな』と言われたものを乗り越えてきたことが、今につながっている。結果を出し続けることで、『SixTONESってすごいね』と広まっていくよう、頑張りたいですね」

 SixTONESは現在、全国ツアー「TrackONE─IMPACT─」を開催中だ。初日の横浜アリーナでは、デビュー曲をファンの前で初めてフル歌唱したが、ソロをとっていた京本さんが声を詰まらせて号泣。結果を出し続けたことでようやくつかんだ悲願のデビューに、全員で涙する一幕もあった。

 Snow Manの前身となる「Mis Snow Man」は09年に結成され、そのころから「滝沢歌舞伎」などに出演。12年5月に岩本照さん(26)、深澤辰哉さん(27)、渡辺翔太さん(27)、阿部亮平さん(26)、宮舘涼太さん(26)、佐久間大介さん(27)の6人でSnow Manを結成した。迫力あるダンスと派手なアクロバットに定評があり、そのスキルの高さから先輩グループのバックダンサーを多く務め、舞台でも活躍してきた。だが、どこか前に出すぎない、職人集団という雰囲気もあった。

 その雰囲気を一変させたのが、19年1月の新メンバーの加入だ。当時15歳だったラウールさん(16)、関西ジャニーズJr.を牽引してきた喋り上手の向井康二さん(25)、モデルとしても活躍する目黒蓮さん(22)の3人が加わり、9人体制のSnow Manが誕生したのだ。

 当然、ファンの間で賛否両論が巻き起こった。そんなとき9人が任されたのが、19年の「滝沢歌舞伎ZERO」だった。

 滝沢歌舞伎は06年、「滝沢演舞城」の名前でスタートした、滝沢秀明さん主演の時代劇ミュージカルだ。18年に滝沢さんが芸能界を引退したことで、Snow Manがメインキャストを引き継いだのだ。プレッシャーを伴う仕事に一丸となって立ち向かうなかで、グループの絆は深まっていった。

 公式YouTubeチャンネル「ジャニーズJr.チャンネル」では、メンバーの人柄のよさが伝わる動画が、次々とアップされた。最年少のラウールさんが食べたい寿司ネタを当てる、ラウールさんが喜ぶお土産を競い合うという動画からは、「ラウールを見守る8人のお兄ちゃん」という構図が浮かび、新たなファンの獲得につながった。昨年3月に横浜アリーナで行われた単独ライブは、大盛況のうちに幕を閉じた。佐久間さんはこう振り返る。

「正直、最初はぎこちないところはありました。でも、滝沢歌舞伎や横浜アリーナでのライブといった大きな仕事を経験し、メンバー一人ひとりが自分の責任を実感した。その経験を経て、今の素晴らしい形になれたのだと思います」

 2組同時デビューが発表されたのは19年8月、19年ぶりとなるジャニーズJr.単独ドーム公演でのことだった。同年6月16日、ジャニーさんが倒れる2日前に下した決断だ。多くの思いを背負い、1月22日、2組のデビューは現実のものとなる。(ライター・大道絵里子)

※AERA 2020年1月27日号より抜粋