来年の4月でデビュー40周年を迎えるダウンタウンの浜田雅功(58)。相方・松本人志の言動に注目が集まることも多いが、実は浜田の息の長い活躍ぶりや売れ方もすさまじい。


 ダウンタウンとしてはレギュラー番組を3本持ちながら、個人でも4本のゴールデン番組と2本の深夜番組にレギュラー出演中だ。すでに悠々自適な大御所芸人でありながら、若手売れっ子芸人並みの多忙なスケジュールを送っている。

 お笑い番組に長年携わってきた民放バラエティー番組制作スタッフはこう言う。

「松本さんが『最近浜田はテレビに出すぎ』だとボヤくほど、これほどのキャリアなのに働きまくっています。その要因は、やはり浜田さんの仕切りの安定感。梅沢富美男さんなど上の世代にもガンガンいけますし、第7世代ら下の世代からはリスペクトされつつも、しっかりと“恐れられて”いる。そのため、全世代を“回せる”唯一の司会者として高い評価を得ています。また、浜田さんの番組は芸人やタレント、俳優などがたくさん出演することが多いのですが、浜田さんの声は高くてよく通るので、仕切り役としては適任。人数が多いと爪痕を残そうと変なボケをしてくるタレントがいるのですが、浜田さんが放つ緊張感でそれも封じられる。結果、番組収録はとても円滑に進み、制作サイドも無駄なシーンがないため編集しやすい。松本さんがボケの天才なのは誰もが認めるところですが、浜田さんが司会の天才だということは、もっと評価されてもいいと思います」

 4月からは浜田がMCを務める「オオカミ少年」がゴールデン帯に進出。16年前に深夜帯で始まった番組が突如復活したとあって、話題となった。

「10年以上前の深夜番組がゴールデンで復活するのは前代未聞ですが、これも今の浜田さんの人気を象徴しているかもしれません。SixTONESの二人をレギュラーに迎え、浜田さんとの相性も抜群にいい。まだ経験の浅いアイドルたちを一流のツッコミでさばいておいしくしているので、SixTONESのファンも見ていて楽しいでしょうし、19時台のバラエティーとしてはお手本のようなわかりやすさがあります。昔の浜田さんはもっとイケイケでしたが、還暦を目前に控え、タレントとしても人間としても落ち着いた印象を受けます。浜田さんの上の世代の司会者はほとんどが第一線を退いたため、少なくともあと5年は、浜田さんが『最強の司会者』の時代が続くと思います」(前出の制作スタッフ)

■浜田の“蹴り”が批判されないワケ


 笑いのカリスマとしてわが道を突き進む相方・松本と比べても、浜田はいつも楽しげに番組を楽しんでいる印象だ。「このコントラストがダウンタウン最大の魅力」と語るのは、多くのバラエティー番組を抱える放送作家だ。

「今更ダウンタウンを寸評するのもおこがましいですが、笑いの求道者として今もなお新しいことに挑戦し続ける松本さんに対して、浜田さんには笑いを突き止めようという気持ちが一切ない。実際、浜田さんは『M−1グランプリ』などの賞レースはほとんど見てないと番組で語っていたほど。しかし、キャラがかぶらず、いいバランスを取り続けることこそがコンビ継続の秘訣。ダウンタウンは奇跡のバランスでこの40年近くをやってきたといっても過言ではないでしょう。浜田さんがすぐ共演者の背中を蹴ったりするのも、『仲良くなるために一回蹴る』という浜田さんならではのコミュニケーション術だと松本さんはわかっている。浜田さんのキャラクターの輪郭を愛情も加味しながらしっかり浮き彫りにし、コンビのコントラストを明確にしていく手法は、もはや名人芸の域です」

 お笑い評論家のラリー遠田氏は浜田の人気が衰えない理由をこう分析する。

「浜田さんの芸人としての魅力は、自由奔放で荒々しい言動と、それを補って余りある愛嬌(あいきょう)でしょう。共演者に対してツッコむときには『しばくぞ』『殺すぞ』などとキツい言葉を使ったり、にらみつけたり頭をはたいたりすることもありますが、そこに何とも言えないかわいげがあるので、嫌な感じがしません。また、浜田さんは自分がMCを務める番組ではよく笑っています。特に、キツい言葉を放った後には必ずと言っていいほどフォローの意味を込めて笑顔を浮かべます。それが『緊張と緩和』の役割を果たし、番組全体が和やかな雰囲気になります。最近では、暴力的な笑いの取り方は敬遠される傾向にありますが、浜田さんだけは“治外法権“のように今まで通りの芸風を貫いています。それが世間からほとんど批判されることがないのは、圧倒的に愛嬌のがあるからなのです」

 先ごろ、2006年以来続いていた大みそか恒例の「笑ってはいけない」シリーズの休止が発表されたばかり。一部で「痛みを伴う笑い」に対する世論の変化が原因と言われている。しかし、浜田に関しては、従来通りのスタイルでまだまだ活躍が続きそうだ。(藤原三星)