派手な露出こそないが、なぜかテレビで見かける機会の多い女優、それが山口紗弥加(41)だ。今年だけでも「青のSP―学校内警察・嶋田隆平―」(フジテレビ系)、「ドリームチーム」(NHK)、「ラジエーションハウスII〜放射線科の診断レポート〜」(フジテレビ系)など、ドラマと映画を合わせるとすでに5本以上の作品に出演している。

 9月27日からは連続テレビドラマ小説「おかえりモネ」(NHK)の第3部「気仙沼編」に、テキパキと段取り上手で元気のよい居酒屋経営の女性・高橋美佳子役として登場。山口の朝ドラ出演は「わかば」(2004年度後期)以来、17ぶりとなり注目を集めた。

「14歳でデビューして以来、キャリアは27年。バイプレーヤーとしての確固たる地位を築いています。順風満帆な女優人生に見えますが、23歳ごろはアイドルと呼ばれたり、バラエティーに出演したり理想と現実のギャップに悩んでいたそうで、体調を崩した時期もあったと過去に語っています。一時は芸能界引退も考えていたそうですが、最後の出演作と思って挑んだ野田秀樹さんの舞台『オイル』(2003年)が転機になったことをテレビのトーク番組で明かしていました。今すぐ辞めたいと思うくらい稽古はキツかったそうですが、本番を迎えると『こんなに楽しいことがあったのか』と、この仕事を続けたいと思うようになったそうです」(テレビ情報誌の編集者)

 2018年にはドラマ「ブラックスキャンダル」で主役の座を射止めた山口。身に覚えのない不倫スキャンダルで公私ともにドン底へ突き落とされた元女優役で、整形をして自身を陥れた人間たちに復讐(ふくしゅう)をするサスペンス作品だ。その山口の演技があまりにリアルだったことから、当時はSNSなどで「怖すぎる」と話題となった。翌年も「絶対正義」(フジテレビ系)で主演となり、小さなミスや間違いも許さず、法律やルールを守ることのみに執念を燃やすヒロインを怪演。立ち姿や目つきだけで“ヤバイ人”だと明らかにわかる山口の演技力に絶賛の声が相次いだ。

「クールな役が多かった山口さんですが、近年は“怖い女”役がハマりますね。『共演NG』(テレビ東京系・2020年)では主人公・中井貴一さんの妻を演じたのですが、浮気の末、結婚した元アイドルという役どころで、撮影現場に乗り込んだり、中井さんに罵声を浴びせたり、なかなかのインパクトでした。SNSでは『コメディーなのに山口さんの登場シーンだけホラー』『目が笑ってない笑顔がヤバい』なんて声もあがるほど。山口さんご本人も番組公式サイトで『嫉妬深くてわがままで情緒が安定しないのか気まぐれで…ちょっとした猛獣に正直、手を焼いています』と演じるうえでの難しさを吐露していました」(同)

■熱愛報道は一度だけ

 40代に突入してもいまだ独身を貫く山口だが、結婚願望は「ない」とバラエティー番組でキッパリと宣言(「突然ですが、占ってもいいですか?2時間SP」・9月29日放送)。同番組内で将来的に「運命の男性」と出会うと鑑定されると、驚いた様子だったが「結婚すると別れるのが面倒くさいって聞くので」とすぐ否定していた。自身が発信するSNSは今のところなく、プライベートが見えない女優のひとりともいえる。

「20代の頃に一度、ジャニーズタレントとの熱愛報道がありましたが、それ以降、彼女に関してほとんど恋人のうわさは聞きませんね。プライベートでは田中みな実と仲良しのようで、一緒に旅行などに行っている様子が(田中の)SNSで紹介されていました。私生活や仕事が充実しているようなので、本人が言う通り結婚はないのでしょう。先日、スポーツ誌の取材に、『40からが人生の本番』だと尊敬する先輩俳優から言われ、心境が変化したと明かしていました。今後は『ステルス役者』になるのが理想で、どんな役にもすっとなじんで説得力をもたせられる演技がしたいと語っていました」(女性週刊誌の芸能担当記者)

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、山口紗弥加の魅力と今後についてこう分析する。

「10代から着実にキャリアを積み重ねてきた実力派ですが、主演を務めた『ブラックスキャンダル』と『絶対正義』が、彼女にとって大きなターニングポイントだったことは間違いありません。この2作での怪演によって、どんな芝居が飛び出すか分からないミステリアスなキャラとして、いまや安定したポジションを獲得しました。キャリアの浅い俳優には決して出すことのできない、人間の業のようなものを表現できる稀有な存在です。プライベートをあまり大っぴらに披露しないところも、まさに“ザ・女優”。演技にすベてをささげた生きざまが、多くの人の心を惹きつけるのだと思います」

 彼女の言葉通り、40代を迎え女優人生の本番に突入したといって間違いないだろう。(高梨歩)