女優の倉科カナ(34)が5月6日に放送されたトーク番組「A−Studio+」(TBS)に出演した際、自身の生い立ちについて触れ、幼いころに両親が離婚し、妹3人と弟1人の5人兄弟の長女として母子家庭を支えたことを明かした。

「彼女が5歳のときにご両親が離婚したと語っていました。他の家庭でよくある『お父さんに言うからね!』といった、家族を引き締める“父親役”を倉科さんが担っていたそうです。高校時代には、地元の熊本でアルバイトを3〜4つ掛け持ちし、家族の生活を支えていたというから頭が下がります。ただ、そんな生活がふと『つまらない』と感じ、かねて興味があった芸能界入りを目指してみようとオーディションを受けてみたところ、見事グランプリを受賞したのです」(テレビ情報誌の編集者)

 近年、日本では少子化が進み、一人っ子の家庭も増えてきている。たが、芸能界では倉科のように大家族で育ってきたという人も少なくない。

 5月24日に最終回を迎えたドラマ「汝の名」(テレビ東京)で、昼ドラ顔負けのドロドロのホラーサスペンスに挑戦した女優の北乃きい(31)はなんと11人きょうだいの長女。昨年、バラエティー番組で両親がそれぞれ再婚したため、合わせて11人のきょうだいがいたことを告白。一番下の妹との年の差は実に30歳もあり、一緒にいると北乃が母親に間違われることもあるという(日本テレビ「行列のできる法律相談所」2021年3月21日放送)。

 ほかにも、本田望結&真凛姉妹も実は5人きょうだいの7人家族。YouTubeチャンネルにときどき両親や長男、四女が登場し、和気あいあいとした動画を配信している。また、仲間由紀恵や吉田羊、城田優やりゅうちぇるなども5人きょうだいで、芸能界には意外と大家族が多い。

「バラエティーやトーク番組では大家族ネタは受けますし、芸能人にとってもイメージアップにつながります。家族との仲よしエピソードを番組で話すと、ほっこりとして場が和むので本人たちも積極的にアピールしていますよね。今はコロナ禍でより家族の絆が再認識されているので、ほほえましいエピソードに癒やされたり、共感したりする人も増えているでしょう。また、家族の生活のためにアルバイトをしたり、親の代わりに小さいきょうだいの面倒をみていたという苦労エピソードも、華やかさとのギャップを生み、やはり好感度がアップします。大家族で育つとハングリー精神が鍛えられ、それが芸能界でいきている部分もありそうです」(民放バラエティー制作スタッフ)

■ポジショニング能力が鍛えられる?

 一方、大家族だったからこそ、才能が開花したのではと思わせてくれるのがシンガー・ソングライターのあいみょん(27)だ。クールな外見とは裏腹に、家族には熱い思いがあるようで、各所のインタビューで両親や兄弟姉妹のことを話している。姉、妹、弟3人の6人きょうだいだという彼女。父親は音響関係の仕事をするPAエンジニアで、元ミュージシャンでもある。

 2月27日に石田ゆり子のラジオ番組「LILY’S TONE」にゲスト出演した際、シンガー・ソングライターを目指したきっかけを告白。母方の祖母が「(親戚も大家族が多く)こんだけ孫がおったら、誰か1人でもええから“歌手になりたかった”っていう私の夢をかなえてほしいな」という言葉がずっと頭にあったという。19歳でデビューしたときに「代わりにかなえてくれてありがとう」と祖母に感謝されたことを「徹子の部屋」(テレビ朝日・2021年3月26日)の出演時にも語っていた。

「パリピ属性だったお姉さんからは西野カナを聞くことを薦められたというエピソードもありました。6人兄弟という大家族の中、さまざまな価値観にもまれて育ち、独特の世界観が形成されたのだと思います。似ているケースだと、俳優の高橋一生さんもそうです。彼は5人兄弟の長男。ただ、次男&三男、四男&五男と、それぞれ『父親が3人違う』とトーク番組で明かしていました。お母さまは他界されたそうですが、その際に兄弟を集めて、生活力をつけなければいけないと話し、弟たちに家計簿をつけさせているそうです。いろんな立場で状況を俯瞰(ふかん)しているからこそ、演技に説得力が出るのでしょう。演技の幅の広さ、独特の世界観も家庭環境が少なからず影響しているように感じます」(同)

 芸能評論家の三杉武氏は、大家族で育ったタレントが活躍する背景をこう分析する。

「芸能界では『兄の影響でギターに興味を持った』とか『姉に勧められてオーディションを受けた』という話をよく聞きます。やはり幼い頃から年上の肉親と触れ合うことで文化的な影響や刺激を受けて、芸能界を目指すケースが多いように思います。一方、ドラマや映画の現場、バラエティー番組の収録など、芸能界の仕事の大半は団体行動を強いられます。集団の中で自分に求められている役割や立ち位置を理解しつつ、実力を発揮することを求められるわけですが、子供の頃から大家族の中で育つことによって、そうした機微や空気を読む力、ポジショニング能力などが自然と培われることも大きいと思います」

 芸能界という荒波で生き残るには、大人数のきょうだいでもまれた強さや対人能力が大きなメリットになるのかもしれない。(高梨歩)