23年1月6日から上演される「初春歌舞伎公演 市川團十郎襲名記念プログラム『SANEMORI』」に出演するSnow Man・宮舘涼太さん。歌舞伎への再挑戦と、快進撃が続いた2022年について語った。AERA 2023年1月2−9日合併号の記事を紹介する。
* * *
――新橋演舞場で上演される「初春歌舞伎公演 市川團十郎襲名記念プログラム『SANEMORI』」で3年ぶりに歌舞伎に挑戦する。
宮舘涼太(以下、宮舘):Snow Manとしてデビューしてからこの3年、いろいろな活動に取り組んできました。そんな期間を経て、再び歌舞伎のお話をいただけた。やってきたことは間違っていなかったという「答え」をいただけた気もして、お話をいただいたときは本当にうれしかったです。メンバーも、僕がまた挑戦したいと思っていることを知っているので、みんな第一声で「よかったね」と言ってくれました。
Snow Manは「滝沢歌舞伎」に出演してきましたが、本物の歌舞伎俳優さんの中に入ってやらせていただくのは本当に特別で貴重な体験でした。皆さんがあたたかく迎え入れてくださったおかげで、終演後も離れ難かった。そういう意味でも再演がうれしいです。
■一気に緊張ほぐれた
ただ、前回はお化粧の仕方、着物のさばき方、立廻りの仕方、お作法など教えていただく情報量が多すぎて、がむしゃらについていくのが精一杯だった。今回は少しだけ余裕を持って、一つ一つのことを噛み締めながら、しっかり自分の力にしていけたらいいなと思っています。
――「SANEMORI」は「源平布引滝」から「実盛物語」を軸に、新たに練り上げた演目だ。武士の鑑(かがみ)と言われる武将、斎藤実盛を主人公に、平家に仕える身でありながら、恩義ある源氏に忠義を尽くそうとする姿を描く。自身は、幼いころ実盛に命を救われながら、後に対峙する立場となる源義仲を演じる。さらに今回は義仲の父、源義賢と二役を務めるが、そのことは製作発表の際、サプライズで知らされた。
宮舘:頭が真っ白になりました。團十郎さん、また冗談がお好きなんだから、と思って(笑)。でも、逆にそれを聞いて一気に緊張がほぐれたと言いますか。僕自身、前回と同じよりはと思う部分もあった。前回よりハードルが上がって、自分がどう揉まれるのか、台本を読ませていただくうちに「やってやるぞ!」という気持ちが芽生えました。
前回に続いて演じる義仲は、自分に似ていると思います。武将として軍を引っ張っていくエネルギッシュな感じだったり、躍動感のある感じだったり……。まあ、皆さんが宮舘をどう思ってるかわかりませんけれど(笑)。義仲の言葉の一つ一つに、「自分でもこう言うよな」と感じるところがありました。
その父、義賢も、熱い男という部分では一緒かもしれませんね。二役の演じ分けも頑張りますが、しかし親子共通する部分も意識して演じたいと思います。
――自身を「熱い男」だと感じるのはどんな瞬間だろう。
宮舘:誰かが困っていると、助けに行きたくなるところでしょうか。自分のためにというよりは「人のために」の方が動けるんです。そもそも、今バラエティーに出させていただいているのも、誰かを笑顔にしたいから。
僕が最初に新型コロナウイルスに感染した時、皆さんを泣かせてしまった。今度は僕が皆さんを笑顔にしてあげたい。僕の原動力はそこなんです。そこへの思いは「熱い男」です。
■自分からさらけ出す
――自身が持つ笑いのセンス、素の面白さも注目された年だった。「生IPPONグランプリ」では大喜利で笑いを取り、隔週でレギュラー出演している情報番組「ラヴィット!」では、スタジオトークやロケVTRでも百戦錬磨の芸人と堂々と渡り合う。
宮舘:いや、僕自身が面白いわけではないんです。まわりの方にツッコんでいただいたり、揉まれることによって、笑いが生まれているのだと思います。「ラヴィット!」は途中から番組に加わったので、そんな僕が構えていたらおかしいでしょう。周囲の人は僕のことを知らないかもしれないから、まず自分から自分をさらけ出さないと、と思いました。なので、わがままかもしれませんが、「今からやります。どうぞ、僕を楽しんでください」と腹を決めて自分を解放した結果、ああなった(笑)。
デビューして1年は、自分をどう出していけばいいんだろうとすごく悩みました。自分を知らない人に「こういう人間ですよ」と提示していくのがスタートだと思うんですけど、なかなかスタートが切れない感覚がありました。やっぱり構えるじゃないですか、テレビに出る時は。台本を読んで「こんなことを言おう」とコメントを考えたり、インパクトを残そうとしたり。「痛覚がない」と言い切って顔中につけた洗濯バサミを引っ張ってもらったことも……いや、あれは忘れていただきたいですね(笑)。
■「なんでだてさま?」
でも、それも試してみないとわからなかった。ずっと模索しながら行き着いたのが、「ラヴィット!」だったんです。そこですてきな方々と出会って、僕の場合はあまり作り込むより、出たとこ勝負で、素の表情やリアクションを楽しんでもらった方がいいんだろうなと気付かせていただいた。どこかで「自分ってこうあるべきだよな」と決めていたものが、「そうじゃない、こっちのやり方もあるんだよ」と皆さんに教えていただいた感覚ですね。武器を身につけないという武器を手に入れた感じです。
――「お陰さまで、人間・宮舘涼太の層が厚くなってきている気がします」と微笑む姿に気品と風格が漂う。デビュー前から「舘様(だてさま)」と呼ばれ、貴族キャラとして愛されてきた。「今となってはありがたさしかない」と語るが、戸惑った時期もある。
宮舘:「舘様」と呼ばれ始めたのは(ジャニーズ事務所に)入所してすぐの12、13歳でした。「いや、なんで『ミヤ』を忘れて『だて』で『さま』? そのまま宮舘でよくない?」「“様”らしくふるまわなくちゃいけないの? なんか本当の俺と違うよ?」とか、生意気なことを思っていた時期もありました(笑)。でも、高校生のころ出演した舞台で、失敗して落ち込んでいる僕に、座長だった(KAT−TUNの)亀梨(和也)くんがこう言ってくれたんです。
「お前プロだろ。お前を見に来てくれた人がいるんだから、幕が開いたら気持ちを切り替えて自信を持ってやれ」
その言葉で、それまでどこか部活感覚だったものが仕事に切り替わった。あのときの言葉は、今も自分の中に「永遠のテーマ」として残っているくらい響きました。「それぐらい覚悟を持ってやれよ」「お前はもうそういう世界に足を踏み入れているんだぞ」ということだと思うんですけれど、やっぱり言葉のチョイスも最高なんですよ。「ナイスチョイス」(よく響く低音で)です。
そこからは「舘様ね。はいはい、わかったよ」とすべてを受け入れるようになりました。だから「貴族キャラ」とか「ロイヤル担当」も、すべて僕発信ではないんです。ファンの皆さんや、ときにはメンバーが導いてくれて、僕はそのあとをついていっているだけ。
つまり、皆さんに育てていただいて、今のこの僕があります。本当に人に恵まれていますよね。でも逆に言うと、自分ではまったく意識していないのに、生きているだけで「ロイヤル」と言われることを思うと、僕を育ててくれた親にも感謝しなきゃな、と思います(笑)。
■斬られる側の大切さ
――時代劇が好きだという。手間と愛情をかけて丁寧に作り上げていくものに携わりたい。
宮舘:「滝沢歌舞伎」で殺陣(たて)や所作を習って「この世界、面白いな」と思ったのがきっかけです。役者さん一人一人が所作に気を配って、世界観を作って、神経を研ぎ澄ませながら撮影していく。そんなところに魅力を感じます。時代劇に憧れ始めたころ、僕は滝沢(秀明)くんに斬られてばかりでした。斬る側も学びたくて、居ても立っても居られなくなって、滝沢くんに相談しにいったことがあります。
そうしたら、「いや、宮舘、わかるか。殺陣は斬られる側も大切なんだ。俺がお前を斬るとき、俺を見ている何千人ものお客さまがお前を見る。お前が上手いと、注目してくれる人が増える。いつか斬る側になったとき絶対に役に立つから、今は斬られるアクションを練習しろ」と。
Snow Manが舞台を継承して、斬る側に回って、滝沢くんが言いたかったことがよくわかりました。斬られる側の殺陣がわかっていると、斬る側も全然違うんですよ。本当にやっていてよかったなと思います。いつか映像でも武将を演じてみたいですね。大きな合戦で馬に乗りながら「行け〜!」とか言ってみたいです。
――躍進の一年だったが、自身の満足度と23年の抱負を尋ねた。
宮舘:満足度は50点ぐらいです。CMにも出させていただきましたし、今回の「SANEMORI」の出演が決まったりと、大きいお仕事の衝撃がドーンドーンとすごかった一年ではありましたが、それを今後も継続してできるように頑張ろうという意味で、半分の点は保留にしておきたい。でも、健康に過ごせたのはよかったかな。
23年の抱負は、グループとしても、個人としても、変わらずファンのみなさんに近い存在でありたいということ。Snow Manのツアーでは、アリーナでもなかなか入れないというありがたいお言葉をいただくので、その声を力に変えて、もっと大きい会場でできたらなと思っています。
なにより23年は「SANEMORI」で華々しくスタートを切ることができる。幸せですね。僕に期待してくださった方々の恩に報いるためにも、ご指導いただいている方々のためにも、素晴らしい幕開けにしたいです。
(ライター・大道絵里子)
※AERA 2023年1月2日−9日合併号
「なんでだてさま?」 宮舘涼太が語るいまの自分を作った先輩のことば

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