所ジョージがMCを務めるバラエティー番組「所JAPAN」(フジテレビ系)が3月21日に最終回を迎えた。2020年のリニューアルからレギュラー出演していた女優の佐々木希(35)だが、出演開始直後に夫・渡部建の不倫が発覚。その後、夫が謹慎となるなか、佐々木は同番組を3年間にわたってやり遂げた。

 昨年11月に第2子の妊娠を発表した佐々木。「多目的トイレ不倫」という前代未聞の不貞があったにもかかわらず、離婚もせず、愛を育んだ彼女に驚きと称賛の声が上がっている。SNSで妊娠を報告した際、アンチからの心無いコメントも多く寄せられたが、「心のゆがんだ人たちのことは気にせず、出産へ向けてご自愛ください」「(渡部は)国宝級にかわいい奥さんを幸せにしてあげてほしい」など、佐々木を応援する声も相次いだ。

「佐々木さんは本当に強い女性です。アンチからのコメントを警戒し、インスタグラムのコメント欄を閉じたり、承認制にしたりする芸能人も多いなか、彼女はそういったことはせず、すべてを受け止めています。騒動後の雑誌のインタビューでは、『若いときに比べて、自分はもちろん、他者の弱さも多少は受け止められるようになっていた』と話していました。そして、好きになると男女問わずに長い付き合いになるタイプだとも明かし、『私の愛は結構深いし、そう簡単にはなくならないと思う』とも言っていました。まさに有言実行というべきか、渡部さんへの愛は深く、そう簡単にはなくならないものなのでしょう」(テレビ情報誌の編集者)

 渡部の騒動発覚後、佐々木は早々に離婚すると予想した人も少なくなかった。「佐々木の所属事務所も離婚するよう何度も説得したようですが本人の意思は固く、首を縦に振らなかった」(同)という。夫の騒動後に佐々木はNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」や「やんごとなき一族」(フジテレビ系)など数々のドラマに出演。女優として奮起して、家庭を支えた。

 昨年2月には、渡部の復帰に際し「これからはゼロから頑張る主人の姿を見守ることに決め、今まで以上に感謝の気持ちを持ち、家族と共に前に進んでいこうと思っています」とインスタグラムに記した。同じ投稿で「憶測や事実ではない内容の記事に何度もやるせない気持ちにもなりました」と、アンチに臆することなく、自分の言葉をSNSで発信していく決意が感じられた。

 佐々木の覚悟と“強さ”はどこから来るのか。彼女が過去に語った家族観や恋愛観から、その片鱗が垣間見える。

 まず結婚直前、雑誌「with」(17年4月号)で29歳の佐々木は「30代に向けて思うこと」を語った特集記事で、「想像していたよりも毎日が楽しくて、結婚に対してそれほど興味がなくなっちゃいました」と明かしつつ、「男女1人ずつ、産んで笑いの絶えない家庭をつくりたい」と話していた。第2子の性別はまだ明かされていないが、女児だった場合この理想が実現することになる。

「佐々木さんがシングルマザー役に初挑戦した映画『さいはてにて』(15年公開)のインタビューでは、『守らないといけない存在があるってことは、人としても強くなれるのだと感じましたね』と話していました。さらに『いつかそういうときが来たら、私も強くなるのかなって思ったり』と、その後の状況を予想しているかのような発言もありました。また、結婚直後の試写会イベントでは、理想の夫婦像について質問され『どんなことがあってもその人の味方でいられるということに憧れますし、理想ですね』としたうえで、『良いことでも悪いことでもきちんと毎日コミュニケーションを図ることが大事。私もどんなことでも乗り越えられるような夫婦になれたらと思います』と答えていました。不祥事後に改めて振り返ってみると、その信念を貫いています。芯がとても強く、ブレがないことに驚かされます」(同)

 佐々木の芯の強さにも助けられ、渡部家は再出発を図っている。家族の今後について、女性週刊誌の芸能担当記者はこう話す。

「第1子のときは2カ月でスピード復帰しましたが、今回は上の子の育児もあるので、女優復帰には少し時間がかかるのでは。『フライデー』が昨年11月に4億円豪邸を売却していたと報じましたが、経済的にもしばらくは楽ではないでしょう。佐々木を支えるために、渡部は本格復帰へ動きだしたいところだと思いますが、地上波での活動再開は今もハードルが高く、渡部は配信系にかじを切って活路を見いだそうとしています。ただし、ABEMAで放映されている自虐キャラの食レポがヒットしつつあり、かつ有名ビジネス系YouTubeチャンネルにゲスト出演するなど、どん底のときよりも需要は増えている気がします。いつか追い風が吹くときが来るかもしれませんね」(同)

 芸能評論家の三杉武氏は佐々木についてこう述べる。

「佐々木さんはとても現場ウケの良い女優として知られています。気さくでいて礼儀正しく、相手の立場や年齢などで態度を変えることもなく、番組や映画のスタッフ、マスコミ関係者の口から『仕事を一緒にしてファンになった』といった声が多く上がります。それだけに、独身時代にプレイボーイで鳴らした渡部さんとの交際、結婚が浮上した際には業界内から微妙な反応もあったわけですが、自分の意志を貫いて結婚されました。また、女優デビュー転身を果たして間もない時期は演技経験の少なさもあり、一部からその演技力を疑問視する声も上がりました。そうしたネガティブな声にも負けず、努力を重ねて、その後はメキメキと演技も上達。近年では舞台関係者の間でも演技の評判は上々です。夫の一連の騒動のときも周囲からは別れを勧める声もあったようですが、離婚しなかったところをみても芯の強さや一途さを感じます」

 妻として、母としても、一段と「強くなった」佐々木は、さらに深みのある女優へと成長しそうだ。

(高梨歩)