もうすぐ2月。今春、小中学校への入学を控えた子の親たちがそろそろ気になり始めているものの一つ、といえばPTA活動。なぜ強制参加? 非効率すぎ、変えられない・変わらない……そんなPTA問題の核心をズバリ表現する「2コマでPTAを叫ぶ母」さんのマンガを題材に、PTA問題に詳しいライター大塚玲子が解説します。第2回は「非加入のリアル」について。



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 最近はPTAに入らない人や退会する人が増え、現場では「非会員の子どもの扱いをどうするか」ということが、よく話題になります。

 たとえば「あなた(親)がPTAを 退会したら、卒業式のとき子どもたちに配る紅白まんじゅうを、お子さんにだけあげませんよ」だの「記念品をあげませんからね」だの、言うだとか。

「運動会のとき、PTA予算で買ったテントにお子さんは入れなくなりますよ」と言ったり、「お子さんが学校に行くときは登校班から外れてもらい、代わりに親に送り迎えをしてもらいます」と告げてみたり。

 PTAは本来、任意で加入する団体です。つまり「入る人/入らない人」がいて当たり前、ということ。しかもPTAは、学校に通うすべての子どものために活動する団体ですから、スジからいえば、親が会員か非会員かにかかわらず、子どもたちは同じ扱いにしなくちゃいけません。ということは当然、非会員の子も、饅頭や記念品をもらえるし、テントにも登校班にも入れる、ということになります。

 なのに現実には、親がPTAを抜けると子どもが「村八分」のような扱いを受けてしまうことが、ときどき起きているのを耳にします。
 
 ここ数年は「他の子にあげるものを非会員の子にだけあげないっていうのは、さすがによくないよね」という見方が広がり、「実費(ブツの代金)を払えば、ほかの子と同様に饅頭や記念品を(非会員の)お子さんにもあげますよ」という折衷案を出すPTAが増えていますが、ときどきその折衷案ですら却下され、「実費を払うのもダメと言われた」などという悲鳴が、各地から聞こえてきたりもします。

 しかしまあ、どうして「実費を払っても、饅頭あげないよ」なんていう、意地の悪い話になってしまうのでしょうか。

 PTAは長い間「親の義務」のように扱われ、思い込まれてきました。子どもが学校に入ったら親を自動的に入会させて、「みんなやっているんだから、あなたもやらなきゃダメ」という同調圧力でもって、活動や団体を保ってきたところがあります。

 だから「本当は退会できる」なんていう事実は、極力知られたくないのです。義務だと思い込んだまま、みんな黙って会員で居続けてもらいたい。だから「やめる」なんていう人が出てきちゃったときは、本人を思いとどまらせるため、そして周囲に追随する人が出ないようにするため、「やめると不利益を被る」ことをアピールしたくなってしまうのでしょう。

 「じゃあ、やっぱりPTAはやめないほうがいいのかな」と思う人もいるかもしれませんが、それでは相手の思うつぼ。おかしいと思ったら、大人しく従うのでなく「PTAは 学校に通うすべての子どものために活動する団体のはず。会員限定サービスをする団体に施設を使わせることを、なぜ学校は認めるのか」と、校長に聞いてみてはもらえないでしょうか。

 校長に言ってもダメなときは、教育委員会に同様の訴えを。

 万一それでも話が通じないときは、「気にしない」という勇気も必要かもしれません。もし子ども本人が気にしていなければ、わが子がほかの子と違う扱いを受けることを、親が「かわいそう」と思わなくてもいいのでは(子ども本人が気にしているときは、そうはいきませんが)。

「見せしめ」という脅迫に負けて、「やっぱり、やめるのやーめた!」という人ばかりだと、PTAはいつになっても変われないままなのですよね。(文/大塚玲子)

●大塚玲子(おおつか・れいこ)/PTAや家族などをテーマに取材を続けるジャーナリスト。全国各地で行う講演会「PTAをけっこうラクにたのしくする方法」も好評。著書に『PTAがやっぱりコワい人のための本』など

●2コマでPTAを叫ぶ母/関西在住の主婦。子どもが通う学校でPTAの本部役員を引き受けた経験から、ブラックPTAを改革すべく自作マンガを日々ツイッター(@PTA_no_black)で発信中! ※内容は実体験に基づくフィクションです