AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2021年5月3日−10日合併号では、ひのでやエコライフ研究所 研究員の大関はるかさん、夫で同所取締役の山見拓さん夫婦について取り上げました。

*  *  *
 2012年、夫31歳、妻32歳で結婚。長男(1)と3人で暮らし、友人家族たちと同じ敷地内に住む。

【出会いは?】同じ職場で席が隣だった。

【結婚までの道のりは?】東日本大震災がきっかけ。妻は発生直後から三陸に通う中で価値観が変わり、平穏の大切さに気づく。夫は一人でできる限界を感じ、家族というチームを作ってみたいと思うように。妻が夫に「私と結婚できるか」と尋ね、夫が3日悩んだ末「アリだ」と結論。交際期間はなし。

【家事や家計の分担は?】料理は妻、掃除と洗濯は夫がやることが多いが、状況に応じて分担。家計は、各自の収入に応じた額を毎月入れて、家用の財布で管理している。

妻:大関はるか[41]
ひのでやエコライフ研究所 主任研究員

おおぜき・はるか◆1979年、リビア・トリポリ生まれ。デンマークのThe International People’s Collegeを経て長崎大学環境科学部卒業後、2003年から現職。省エネやごみ減量などエコライフを広めるためのイベントやワークショップを企画・運営し、ボードゲーム「みんなのごみ」の企画・作家との共同製作も手がける

 うちら弟から「ポテチ婚」って言われていて、ポテトチップスを食べるみたいに気軽に結婚したという造語です。仕事を通して相手の考え方や性格をよくわかっていたので、交際しなくてもよかった。拓さんはチームメートとしてありえると思って、結婚できるかを私から聞いたんです。

 人生ほとんど共同生活だったので、今もコミュニティーで暮らし、ホームステイの受け入れもします。私の中にはいつもアイデアがある。だけど10個思いついても言うのは一つ。拓さんは心の準備がいるから、段取りしておいて相手の言葉を待つ。ホームステイ案も、部屋が空いた時に「誰もいないってさみしいね」って彼が言ったので、出た!と、少しずつ攻め寄る。進めているとは言わずに(笑)。

 育児で私も変わってきています。一人だと最短距離で行くのを、息子が楽しめるように回り道して景色を見せる。チームの豊かさのために。この視点で社会を見始めたら、仕事でも次のイベントの形が見えてきそうです。

夫:山見拓[40]
ひのでやエコライフ研究所 取締役

やまみ・ひらく◆1980年、奈良県生まれ。放送大学教養学部卒業。在学中から環境NPO・NGOの活動に参加し、2009年、ひのでやエコライフ研究所入社。家庭向けエコライフのサポート、小中規模事業所の省エネルギー診断や提案、自治体の温暖化対策の支援、省エネの調査研究等を行う。市民科学者を育てる「高木学校」の運営メンバー

 はるかさんには僕にない能力があって、苦手なところをガンガンやってくれる。家族をチームと捉えると面白いことができると予想できたので結婚を決めました。僕が教えるワークショップに小さな太陽光パネルを使った家庭用の発電所作りがあります。立ち上げてくれたのは彼女で、知り合いから需要を聞いて一緒に企画を考えてくれた。

 はるかさんは変化を生み出すのが大好きで、周りに人がいる方が生き生きする。僕は変化が苦手で、多くの人と接すると疲れてしまう。よく結婚したなという気も(笑)。いつも状況を考えて話をしてくれ、住居もバリエーション豊かなので僕も切り替えができるようになりました。

 息子が生まれてチームメートが増えました。二人で育休を取って、その間に僕は家に太陽熱温水器を設置したり、トイレで雨水を使えるようにしたりと、コミュニティーの人たちも助けてくれてやりたかったことが実現できました。チームでいる恩恵を得ている。その感謝が大きいです。(構成・桝郷春美)

※AERA 2021年5月3日−5月10日合併号