既存の学部とは異なる新しい学部が続々と生まれている。AERA 2021年5月17日号で、その卒業生に進学した理由や学部の魅力などを語ってもらった。



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■phaさん(42)ブロガー
京都大 総合人間学部

 なんとなく入ったんです、京大総合人間学部には。学校の成績も良かったし、地元の関西を離れるのも当時は怖かったし。ただ、京大に自由そうな印象はあり、中でも総合人間学部(92年10月設置)は教養部(93年3月廃止)を引き継いでひときわ自由そうな感じがしていました。働きたくないと思っていたし、あまり実用的な学部には行きたくなかった。それに総合人間学部は入る時点では文系理系に分かれず、入ってから決められるところもちょうどいいかなと。

 授業にはあまり出ませんでしたが、一般教養科目で、当時京大にいた社会学者の大澤真幸さんの、たしか「社会学基礎論」を取っていたのは覚えています。ただ、授業内容じゃない。教壇を歩き回って一人でブツブツ言って、「変人っぽくて面白い人やなぁ」とか。どうでもいいことばかり浮かんできます。

 テストも友だちに資料プリントをコピーしてもらったりすれば、乗り切れた。勉強しなくてすんだことが、むしろ良かったと思うんです。自分のやりたいことを自由にやっていい。そういう空間にいたことが、すごくプラスになったなと思います。

 総合人間学部だからこそ、いまの自分がある。ああいう「よくわからない学部」に行ったので、その後も「よくわからない人生」を歩んでいる。そして、僕はそういう「よくわからない人間」になりたかったので。

 授業と関係ない本を読みふけり、興味を持ったことなら何でもやる。それを存分にやらせてもらえる空間だった。それを生かして、いまも生きている。知りたいことを知り、本を書き、ブログで発信する。興味や、やることを限定されない。何でもやる。総合人間として(笑)。

 新しい「ようわからん」学部には、変な人、新しいものが好きな人が集まると思います。刺激があるし、そういう変な学部に行きたい人なら、自分と同じような仲間もできます。昔っからある学部に普通に行くのはつまんないなぁと思っている人には、向いていると思いますよ。

(編集部・小長光哲郎)

※AERA 2021年5月17日号