ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、猫の中太郎(ちゅうたろう)ちゃん(16歳)です。

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 それは忘れもしない17年前。外から帰って、建物の2階にある自宅に戻ろうとしていたら、何か気配がしました。足元を見ると、灰色がかった子猫が必死で急な階段を上ってきていました。

 構わず自宅玄関の戸を開けると、子猫はするっと先に入り、ちょこんと座ってつぶらな瞳でじっとこちらを見上げていました。

 しばらくそのまま見つめ合っていましたが、とにかく汚れた体を洗ってみることにしました。

 しかし、とにかくすごかった。まだ生後2、3カ月がやっとと思われるのに、ノミだらけ、耳ダニびっしり、歯肉は赤く腫(は)れあがり、口を開けるとぷぁ〜んとのけ反るような口臭、膿(うみ)のような目ヤニ……。日々ケアしてきれいにすることに必死になっているうちに、とうとううちの子になりました(笑)。

 名前は中太郎(雄)。とても素直でちゃめっけのある金目銀目の福猫で、紙をくしゃっと丸めたボールをキャッチしたり、追いかけっこしたりして一緒に遊びます。

 下部尿路疾患の療養食を、そのままでは食べないのでドロドロにしてスプーンで食事介助しますが、幼児用エプロンを着けさせ、ひざに乗せて食べさせます。目や鼻、口のきわの汚れの手入れも、信頼の固まりのように、じっとしてくれています。

 真っすぐ伸びて幸せそうに寝ている姿を見ることもそうですが、話しかけるとウィンクしたり、事あるごとに甘噛みや優しく爪をたてたりするなど数々の情あるリアクションに、小さな幸せをいただいています。

 とはいっても彼も16歳を超え、私自身も高齢者となりました。ああ、ペットと共に過ごせるのも、もう今回限りかなぁ。(奈良県生駒市/67歳/無職)

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※週刊朝日  2021年6月18日号