「生活保護」の状態から、奨学金や借金でハーバード大学に進学したパトリック・ハーラン(パックン)。奨学金・借金の返済を抱えながら、パックンが日本の芸能界にチャレンジできた理由とは? 今あるお金を活かしつつ、「人生というギャンブル」に勝つためのパックン式のメソッドを、最新刊『パックン式 お金の育て方』から一部を抜粋・再編して大公開します。

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■パックンは、どうして異国の芸能界にチャレンジできたのか?

 自分の身体を使ってお金を稼ぐ(つまり、アクティブインカムを増やす)ためには、キャリアチェンジも有効な手段です。

 みなさんの多くは、仕事に行って頑張って働いて、お給料をもらっているのではないでしょうか。(毎日、お疲れさまです)

 でも、毎日頑張るのであれば、なるべくお給料が高かったり、やりたいお仕事ができたりする方がいいですよね。

 そんなみなさんに伝えたいことがあります。

 それは、今やっている仕事よりも、人手が足りていなかったり、これからたくさんの需要が見込まれるような多くの「不足」がある業界に転職したり、地域に移転したりすれば、生涯収入を大きく増やせるかもしれない、ということです。

 ただし無茶はいけませんよ!

 もしかすると、僕の話を聞いて、さっそく仕事を辞めて、何か新しい仕事を始めたくなった人がいるかもしれません。

 けど、少し冷静に考えてほしいです。

 とくに、「どこか違う国で芸能界を目指したくなった」っていう人は、落ち着いて!

 新しいことにチャレンジするのであれば、とにかくお金のことはシビアに考えなくてはいけません。

 そのことを、僕が英会話講師から芸能人にキャリアチェンジした経験からお話ししたいと思います。

 みんなに知ってもらう前の「パックン」になる前の話だから、ちょっと意外に思われるかもしれないけど。

 では、ハーバード大学を卒業して、奨学金をたっぷり抱えて日本にやってきたところから話を始めましょう。

 そもそも、僕が大学卒業後に日本に来たきっかけには、友人の誘いがありました。

 その友達が日本に留学して、福井県で就職していたので、僕も後を追うように移住することにしました。

 僕は、そこまで日本語を勉強した経験がありませんでしたが、日本に来る飛行機の中で勉強を始めて、成田空港に着くまでに、とりあえずひらがなとカタカナを読めるようになりました。

 福井に着いた僕は、とりあえず職探しを始めました。

 履歴書を片手に、駅前の交番で「この辺に英会話教室はありますか?」と聞いたら3つ教えてくれて、そのうちの1つの教室で運よく採用してもらえました。

 その後、初任給でもらった20万円を手にして、「こんなにもらえるんだ!」と、正直びっくりしたことを覚えています。当時の英会話教室は、景気が良かったようです。

 ただ、僕は、心の中で不満も感じていました。

 20万円も収入があるのはありがたいけれども、僕にとって、英会話講師の仕事はおそろしいほど退屈に感じられました。

 僕は、日本で、もっとエキサイティングなことに挑戦したかったのです。

「人生」を賭けられるような何かにチャレンジしたかった! 

 僕の場合は、それが「芸能界」でした。

 でも、芸能界に限らず、新しい分野で仕事をいただくためには、それなりに時間がかかります。

 みなさんも日々生活をしていく中で、「本当はこんな仕事をしたい!」という希望をもっているのではないでしょうか。

 もちろん、希望通りの仕事ができたうえで、しっかりと給料もいただけてるのが理想です。

 ただ、チャレンジをするためには、生活が少し不安定になる可能性はどうしても付きまといますよね。

 また、いくらチャレンジ精神があったとしても、生活費をまかなえないほど収入が下がってしまったら、その挑戦は断念せざるを得ません。

 そんなふうに考えた僕は、とにかく2年半は英会話学校に勤務をし、給料をもらいながら、奨学金を完済して、「チャレンジ資金」を貯蓄しました。

■チャレンジするときには、最初に「撤退ライン」を設定しよう!

 そして、実は「撤退ライン」をあらかじめ設定していました。

 まず、最悪の事態を想定した「滑り止め」として、アメリカに戻って就職をすることを定めました。

 もしそうなったら、アメリカに帰る飛行機代と就職活動中の生活費が必要になります。それらを合計した場合、数十万円のお金は最低でも必要です。だから、「手持ちの資金がその金額を下回りそうになったら撤退する」と決めました。

 チャレンジをする前にそれぐらいの準備と覚悟が必要です。

 僕の場合、撤退ラインが来る前に芸能界で食べていけるようになったので、ラッキーでした!

 みなさんのおかげです。マックンにも感謝!

 今思えば、アメリカからやって来てから数年で、日本の芸能界にチャレンジするなんて無謀だったかもしれません。

 だけど、最初に撤退ラインを決めたことで、僕は前向きにチャレンジができた気がします。

 しかも、節約するときのポイントをすでに押さえていたおかげで、少なくとも半年はチャレンジできる余裕がありました。(ちなみに、節約ポイントについても『パックン式 お金の育て方』には、特にみんながマネしやすいところをまとめて書いておきました)

 そう思って半年必死に頑張ったら、道が開けました。今も必死ですけど。

(構成/増田侑真)

パックン
本名:パトリック・ハーラン。芸人・東京工業大学非常勤講師。
1970年11月14日生まれ。アメリカ・コロラド州出身。93年ハーバード大学比較宗教学部卒業。同年来日。97年、吉田眞とお笑いコンビ「パックンマックン」を結成。NHK「英語でしゃべらナイト」「爆笑オンエアバトル」をはじめ、多くのテレビ番組に出演し、注目を集める。「AbemaPrime」でアンカー、「報道1930」でコメンテーターを務めるなど、報道番組にも多数出演。2012年10月より池上彰氏の推薦で東京工業大学の非常勤講師に就任。コミュニケーションと国際関係についての講義も行っている。二児のパパ。
25年以上の投資歴があり、金融教育の講師として全国各地で講演会も行っている。
最新刊の『お金の育て方』では、「生活保護」状態から「お金持ち」になるまでに身につけた、誰にでもマネできる、お金との付き合い方を詰め込んだ。