ミュージシャンの小山田圭吾氏が過去に「いじめ告白」をしたことが問題になり、東京五輪、パラリンピックで開閉会式の楽曲担当を大会前に辞任した一件で、小山田氏が9月16日発売の「週刊文春」で発言の真相について言及したことが大きな反響を呼んでいる。

「いじめ告白」は邦楽誌ロッキング・オン・ジャパンの1994年1月号だった。小山田氏が学生時代に、被害者を全裸にしてひもで巻いて人糞を無理矢理食べさせるなどの行為をさせた上で、バックドロップをするなどのいじめのアイデアを出していたことを告白。サブカルチャー系雑誌「クイック・ジャパン」(太田出版)の95年8月号でも、障がい者の下半身の服を脱がせるなどのいじめを告白している。

 一連の発言が問題視されて批判の声が殺到すると、小山田は自身のツイッターで、「多くの方々を大変不快なお気持ちにさせることとなり、誠に申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます」と謝罪。

「本来であれば、様々な理由から、私の参加にご不快になられる方がいらっしゃることを考慮し、依頼を辞退すべきだったのかもしれません。しかし、課題も多く困難な状況のなか、開会式を少しでも良いものにしようと奮闘されていらっしゃるクリエイターの方々の覚悟と不安の両方をお伺いし、熟考した結果、自分の音楽が何か少しでもお力になれるのであればという思いから、ご依頼を受けるに至りました」と綴った。

 これを受けて、組織委員会の武藤敏郎事務総長は記者会見で、「小山田さんが謝罪されたのを、わたくしどもも理解しました。彼は現時点で十分に謝罪し、反省をしている。我々は当初、そういうことを知らなかったのは事実だが、小山田さんに引き続きこのタイミングでありますので、貢献していただきたいと考えています」と説明したことで、さらに炎上する事態に。組織委員会と小山田氏に対する苦情が止まず、辞任に追い込まれた。

 文春オンラインによると、小山田氏はこの「いじめ発言」について、「実は雑誌に掲載されたイジメについては、実際に僕が行ったものではないものも多い」と告白。「インタビューではその場を盛り上げるために、自分の身の回りに起きたことも含めて語ってしまいました」と弁明したという。

スポーツ紙記者は「小山田さんのこの発言が問題になったのは今回が初めてではありません。以前にも批判されたことがあったのに、なぜ今『いじめの当事者』ではないと主張したのか」とこの釈明に疑問を呈する。

 また、小学校の30代男性教職員は「いじめの当事者でなくても、許される発言ではない」と語気を強める。 

「その場を盛り上げるために発言したという事ですが、障害者を残忍な手口でいじめる行為を面白いと感じる感覚が常軌を逸している。いじめの当事者でなくても、人間性を疑うのは当然です」

 SNS、ネット上では、「100歩譲って、たとえ本人がやっていなかったとしても、それを面白おかしく話してしまうってところで既に同調していた事になるわけだから、言い訳は通用しないと思う。それを踏まえ、心からの謝罪の意思を持って今後動く事により、周りが赦していくのではないだろうか」という厳しいコメントが目立った。

 音楽家としての才能は目を見張るものがあるが、多くの人を傷つける過去の発言で多くのモノを失った。小山田氏は今後の言動、行動で信用を取り戻すことができるだろうか。(牧忠則)