小室家の金銭トラブルの対応や小室さんの留学を、リードしたのは自分であると会見ではっきりと口にした小室眞子さん。笑みを浮かべ、堂々と語る姿に、会見を主導したのは眞子さんだと多くの人の目には映っただろう。だが、精神科医で複雑性PTSDなどのトラウマを抱える患者を多く診察してきた井上智介医師は、会見をリードしたのは眞子さまではない、と分析する。専門家の目に異例の会見はどのように映ったのか。

*  * *
 14時、ホテルグランドアーク半蔵門の3F、「華の間」に眞子さんと小室圭さんが姿を現した。

 ふたりが一礼する。

 眞子さんのほうがやや早く頭を下げ、わずかに遅れて圭さんも頭を下げた。

 会場の奥には、壇上に白いフリルの布がかけられたテーブル。そのうえには二つのマイクが設置されている。

 眞子さまは、大きく歩幅を取り、力強い足取りで机に向かった。圭さんは目をせわしく動かし、瞬きも多い。緊張している印象だ。

 司会役の皇嗣職が「ただいまより始めさせていただきます」とアナウンスをすると、眞子さんが先に圭さんのほうを見つめたのち、ふたりは視線を合わせた。

「どうぞよろしくお願い申し上げます」

 眞子さんの声が一瞬早かったが、小室さんと声を合わせてあいさつをした。

 着席も眞子さんのほうが、やや早い。眞子さんは、テーブルに準備された資料に素早く手を伸ばし、表向きに戻した。こうした様子からは、テレビカメラや取材陣に向き合った経験が豊富で場慣れしている眞子さんが、会見を先導している印象を受ける。

 だが、井上医師の分析はまるで逆だ。

「興味深いと思ったのは、小室圭さんが終始、会見を終始リードしていた点です。眞子さんは一見、落ち着いているように見えますが、着席も資料に手を伸ばすのも早く、焦っているように見受けられました」

 会見の間、ときおり口元に笑みをたたえていた眞子さんには余裕すら感じられたが、

「口元の口角をあげてしっかり笑顔を作ろうとなさっていた一方で、目は笑っていません。また気になったのは、しゃべる度に肩がすごく動いていたことです。これは、言葉を発する前に、『息を吸って落ち着こう、落ち着こう』としている行動の表れです」(井上医師)

 井上医師によれば、複雑性PTSDの疾患の特徴は、自身の感情をコントロールしづらいという点だ。それこそ、会見の途中でもワーッと感情が高ぶって、押さえきれなくなる可能性はあった。井上医師は、「眞子さんが、感情が溢れないように、押さえよう、押さえようとしているのが伝わってきた」と話す。

 感情のコントロールにプラスに働いたのが、ふたりで交互に発言したやり方だった。

井上医師が続ける。

「複雑性PTSDの症状を鑑みると、あれはよかったですね。眞子さんが一方的に喋り続けていたら、どこかのタイミングで、恐怖や不安などの感情が出てしまう危険性もあった。交代で発言することで、眞子さんがクールダウンする余裕が生まれたわけです」

 視線が落ち着かず、瞬きが目立った小室さんだが、実は会見をリードしていたのは彼の方だったと井上医師は分析する。

「小室さんは、確かに緊張はしていました。しかし、彼のほうが一貫してゆっくりと話しをしていました。自分たちが早く興奮した喋り口にならないように、ペース配分に気を使っているように見受けられます」

 井上医師が注目したのは、ペーシングという同調のテクニックだ。

 相手と声の調子や大きさ、話すスピード、声の音程の高低やリズムなどを合わせることで、お互いにリズムを作り出す。

 眞子さんと小室さんのペーシングは、会見の冒頭には始まっていた。

「どうぞよろしくお願い申し上げます」

 と同時に声を合わせてあいさつをした。

 先述したように、眞子さんは、動作と発言が一歩早く、焦り気味だった。ペーシングをすることで、眞子さんが、急に頭が真っ白になってしまったりしないよう、小室さんが引っ張っていったのだという。

 実際、眞子さんは、複雑性PTSDについての質問に答える文書のなかで、<現在の体調は決して良くありません>

 と答え、小室さんも

<眞子さんの体調が早く良くなるよう、自分ができる限りのことをして、支えていきたいと思います>と答えている。

 小室さんが時おり見せた笑顔は、どのようなサインなのか。

 会見場は、緊張に包まれ、ふたりが祝福の言葉に包まれるという雰囲気ではなかった。

「結婚は慶事ですから、笑ってはいけないという場ではない。小室さんは、緊張をしていたからこそ、余裕があるようにふるまおうと笑顔を見せたのでしょう。いろんな騒動をみていると、あの場の笑顔は得策ではなかったかもしれない。しかし、それが小室さんという人物の表現方法なのだと思います」

 一方でこの日の記者会見は、国民の期待と噛み合わない部分もあったような印象だ。

 「国民の納得と祝福が広がらない理由」として、小室家の金銭トラブルや報道された件についての説明を求めた4問目の質問に対して、眞子さまが準備した文書でこう回答した。

<この質問は、誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問であると思います。このような質問に会場で口頭でお答えすることを想像すると、恐怖心が再燃し心の傷が更に広がりそうで、口頭で質間にお答えすることは不可能であると思いました>

 国民に対して説明をして、納得してもらおうというよりは、「正しいことを知って欲しいという切なる願い」にこだわった印象であったと、井上医師は言う。

 異論もあるだろう。しかし、「全国民が注目する緊張感のなかで、よくあそこまで頑張って説明した」と、話す。

ただ、残念であったと感じるのは、会見に対する対応のマズさだった。

「前日の夕方に急きょ、質問を受ける記者会見から文書回答に変更した点は、国民の期待が大きかった反動もあって、一部の不満を招いてしまった。そもそも、眞子さんの複雑性PTSDであること、そして記者会見を行うと公表した時点で、症状によっては会見を中止したり質疑応答はない形への変更もあり得ると注釈をつけるべきだったと思います。この疾患は、ささいな刺激で症状が悪化する危うさを含んでいるのですから」(井上医師)

 会見場となったホテルには佳子さまも駆けつけ、ふたりをサポートした。「異例」の結婚を乗り越えた元プリンセスとその夫は、新しい人生をスタートさせた。

(AERAdot.編集部 永井貴子)