ちょうど、昨年のいまごろ、秋篠宮家の長男・悠仁さまの進学先が「筑波大付属高等学校」なのではないかと話題になった。子どもの成長は早いもので、高校に入ったばかりかと思っていたら次の進路の話が出てくる。筑波大付属高校に通う悠仁さまも同様、大学進学先が色々と取りざたされている。

*  *  *

 悠仁さまは、2013年にお茶の水女子大学附属小学校にご入学された。現行の皇室典範の下で、皇族が学習院初等科以外の小学校に入学されたのは初めて。中学校もそのままお茶の水大学付属中学校に進んだが、高校からは女子のみとなるため、昨年末から「悠仁さまの進学される高校は?」と話題になった。

 筑波大付属高校への入学は、中学まで通っていたお茶の水女子大附属との『提携校進学制度』を使える最後の年が悠仁さまの進学時期と重なり「悠仁さまのために設けられたような制度」と憶測を呼んだ。

 結局進んだ先の筑波大付属高校は、在校生の6割が東大を受験し、毎年30人程の東大合格者を輩出する名門。悠仁さまの進学先の候補の一つに東京大学という名が浮上してもおかしくはない。

 このことに、象徴天皇制に詳しい歴史学者で名古屋大学人文学研究科准教授の河西秀哉氏は「大前提として、皇族であっても学びたいことがある学校に進むというのは大事なことだと思います」としたうえでこう話す。

「一般的に東京大学などの高い学歴を目指すときにはステップアップなどの目標や目的があると思うんですが、皇位継承順2位で将来天皇陛下になるであろう方が、そうしたステップアップの必要はないため、あえて目指さなくてもいいのではという思いもあります。将来の天皇陛下になるであろう人物が、ある種の受験競争を助長する、学歴の序列を肯定するような行為を示すのは、ちょっと違うのではないかと考えるからです」(河西准教授)

 あくまでも学歴や肩書きとしてトップの大学を目指すのでなく「学びたいことがそこにあるならそれはそれでいい」と続けてこう話す。

「学びたいことが東大にある可能性は高いんです。東大には日本や世界の第一線で活躍する先生たちがたくさんいらっしゃる点など、そういう意味では学びたい学問があるのかもしれない。高校に進学するとき『提携校進学制度』の話題が浮上しましたが、もし東大に進むのであれば、学歴社会を強化するというのではなく学びたいことがあったことなどを秋篠宮家なり、宮内庁から国民に説明なさったほうがいいのかもしれません。もし、悠仁さまがこれまでの皇族の多くが学んできた学習院大学に進学するならばそこまでは求められないかもしれませんが、新しい進学先を考える場合、説明をしないと様々な疑念を生んでしまうかもしれません。」(河西准教授)

 進路を選択するうえで、興味・関心の分野は大きなポイントだ。悠仁さまのお誕生日である今年9月6日、宮内庁のホームページに皇嗣職名で「悠仁親王殿下16歳のお誕生日に当たり」と題する報告が公開された。高校に入ってバドミントン部に入ったとか夏季休暇は学校行事で蓼科山に登ったなど、16歳らしい姿がうかがえる報告であるが、そこに多くの記述があるのが、かねて悠仁さまがご興味があるとされている「トンボ」だ。

【学校以外の時間には、トンボ類をはじめとする生き物の生息環境の調査や、野菜や稲の栽培などに励んでおられると伺っております。小学生のときからご関心をお持ちだったトンボ類の生息環境の調査は、とくに熱心に続けられています。高校に進学された今も、国立科学博物館が刊行した報告書(「赤坂御用地のトンボ類」国立科学博専報(39)2005年3月)をご覧になりながら、調査時に飛来していたトンボと現在見ることができるトンボの種類を確かめるなど、センサスを続けておられます。COVID−19の拡大により、赤坂御用地から外出しての調査が難しい状況がしばらく続きましたが、むしろ、身近な自然環境を見つめ直す機会を持たれ、そこに生きる虫や植物などの生物多様性の保全にも関心を広げられたようです。そのような場所に生息するトンボをはじめとする生き物の生息環境が良くなるよう、積極的に環境づくりに取り組んでおられます】(宮内庁ホームページより)

 余計なお世話だが、トンボ好きに適した大学はあるのだろうか? 入試で活かされるかも気になるところ。大学入試に詳しい大学ジャーナリストの石渡嶺司氏に聞いた。

「トンボに関して、悠仁さまの論文等が高く評価された、または、コンテスト等で入賞したかどうかによって話が変わってきます。論文等が入賞・高評価ということであれば、東大推薦入試で合格、という可能性は十分にあるでしょう。皇室の方への忖度云々ではなく、東大が示す基準をクリアしているからです」(石渡氏)

 では、東大以外では? 石渡氏は続けてこう話す。

「他の大学も、もちろん論文等の評価での推薦入試は同様です。ただ、悠仁さまからすれば、どの大学でもいい、というわけではなく、トンボの研究ができるかどうか、そこが大きいはずです。そうなると、トンボの研究が可能な農学部系統のある大学が有力です。東大農学部以外だと、明治大学農学部、東京農業大学農学部、千葉大学園芸学部、東京農工大学農学部、筑波大学生物資源学類、などが候補に挙がります。首都圏の大学にこだわらなければ、昆虫学研究に強い京都大農学部も有力候補となるでしょう。ここに挙げた大学いずれも、東大推薦入試と同様、論文・コンテストの高評価・入賞という実績、かつ、高校時代の評定平均が揃っていれば、問題ないでしょう。仮にですが、論文・コンテスト等での高評価・入賞がない、ということであれば、学校推薦型・総合型選抜ではなく、一般入試での受験となります」(石渡氏)

 トンボに関して河西准教授は「トンボはそれはそれでいいのではないですか。お父さんである秋篠宮さまはナマズの生態研究ですし。好きなことをやったらいいのでは」としながら、最後にこう話す。

「例えば今の天皇陛下は天皇の歴史を学んできています。高校時代、学校の授業とは別に、先生をつけて学ばれた。大学の教授がいわゆる家庭教師として、昔の天皇はこのようなことをやっていたなどは学び、今に活かされています。悠仁さまも将来天皇陛下になるのであれば、トンボ以外にそういうことは学ばれるほうがいいのではと思います」(河西准教授)

 今年もあと残りわずかで、年が明けると大学入試を皮切りに受験シーズンとなる。まだ少し先とはいえ、悠仁さまの進学先は絞られてくるのだろう。(AERAdot.編集部・太田裕子)