水産功績者表彰式であいさつする秋篠宮さま=23年11月22日 代表撮影

 11月30日、秋篠宮さまは58歳の誕生日を迎えた。お誕生日に先立ち行われた記者会見では、秋篠宮邸の改修の経緯から情報発信についての見解などたくさんの質問に答えられた。象徴天皇制に詳しい歴史学者で名古屋大学人文学研究科准教授の河西秀哉氏は、秋篠宮さまの「本音」が垣間見えたという。

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「秋篠宮さまは記者会見に際して、事前の準備を入念にされて文面を用意しているというよりは、その場その場で考えて話している印象があります。そのためか、そのとき思っている“本音”がポロっと出てしまうことがあるように思います。そこが、いいところといえばいいところなのですが」

 そう話す河西氏は、58歳の誕生日の記者会見でも秋篠宮さまの「本音」を見逃さなかった。秋篠宮邸の改修工事から佳子さまの1人暮らしの発表までの経緯に関する秋篠宮さまの回答の中で、「反省」という言葉を使ったことに、河西氏は驚いたという。

■秋篠宮さまは「ぐずぐず」と

 改修工事に関わることは、「本来ならば年度末に発表しておけばよかった」とし、秋篠宮さまはこう話している。

「発表するまでの経緯。経緯というか、特にタイミングですね(中略)私自身がそのことについて、かなりぐずぐずしていたということがあります。つまり引き延ばしてしまい、非常にタイミングとして遅くなったなというのが反省点です」

 これに対して河西氏はこう話す。

「“反省点です”と話していたのは興味深かったです。秋篠宮さまご自身で率直におっしゃっているというのは、大きいですよね。なかなか皇族の方で反省するという言葉を口にしているのは珍しいかなと思いました」

会見をする秋篠宮さま 代表撮影

■秋篠宮さまは丁寧に説明はされていた

 発表のタイミングが後手後手になっていったことに絡めて、秋篠宮さまの会見では、情報発信に関しても多くの質問があった。「反省」を踏まえての、秋篠宮さまの情報発信に対する考え方にも河西氏は着目する。

「改修工事の件を数値を含めて丁寧には説明されていましたが、それに対する反省も含めて“正確な情報をタイムリーに出していくこと”の大切さと難しさを秋篠宮さまは語っていました。今年度から新設された広報室の関わり方にも大きな課題がありますね。

 会見では皇室全体というより、自分たちを含めてということも話していました。三人称(皇室全体)でなく一人称(例えば秋篠宮家)で発信することで、より理解が深まるということも言及しています。

 つまり、宮内庁が“秋篠宮さまがこう言っておられました”“こういうふうにしていました”という伝聞の形での伝え方ではなく、秋篠宮家として自身で発信していくということも考えていかなければならない、そういう部分がまだまだ発達していないということをお話しされたかったのだと思います。イギリスなどではそれぞれの家が広報をしています」

 河西氏は、「バッシングともとれる一部報道やSNS上の声について」感想と気持ちを問われた踏み込んだ質問の回答にも、秋篠宮さまの「本音」を垣間見たという。

「記者たちがSNSのバッシング報道まで踏み込んだ質問をしているのには、正直驚きました。ネット記事への書き込みに対して秋篠宮さまは、“それを目にしなければ気にはならないわけですね。目にすることもやはりあるわけですけれども”と話していて、コメント欄などを見ていることもあるのだなと思いました。そのような発言を含めて“本音”が出ているなと感じました」

■情報発信は大きな課題

 河西氏は「今回の記者会見ではある程度きちんと説明されているとは思います」としたうえで、改めて皇室の情報発信の課題点を指摘する。

「今回の会見が報じられた配信記事のコメント欄を見ていましたが、秋篠宮家に対する批判がほとんどでした。会見では“反省”を述べ、改修にしては本人も“ぐずぐずしていて”と説明しているのと、これに加えて宮内庁長官も定例会見で話しているので、説明というところではそれなりに完結している。

 しかし、私たちは自分から情報を取りにいかないと秋篠宮さまの会見の全文を目にする機会はなく、コメントが切り取られてしまうわけです。そういう意味でも、情報発信の仕方が大きな課題ですよね。本人たちの意図するところが全部伝わらないというもどかしさは、今回の秋篠宮さまの会見からうかがえました」

 秋篠宮さまのそんな「本音」こそ、発信すべき時代なのかもしれない。