プロテストではトップ通過だった佐久間朱莉

 女子プロゴルファーの登竜門となる最終プロテスト。今年は10月31日から11月3日まで岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部で開催された。

 見事にトップ通過を果たしたのは18歳の清本美波だった。清本は、愛知県一宮市出身の高校3年生で、これまでツアーでローアマにはなっているものの、ナショナルチームに所属しておらず、ビッグタイトルにも無縁だったが、2位通過の石田可南子と馬場咲希に4日間で5打差をつける圧巻のゴルフで通算17アンダー。昨年の全米女子アマを制した馬場を抑えたことで、大きな注目を集めた。

 しかし、その清本は、来シーズンのツアー出場権をかけたクォリファイングトーナメント・ファイナルステージ(11月28日〜12月1日、静岡県、葛城ゴルフ倶楽部 宇刈C)で通算19オーバーと苦戦し104人中100位。大会後は自身のインスタグラムで「4日間なかなか自分の思うようにプレーできなかったのは、練習不足が原因です。はあ。ひたすら悔しいーーー。もうこんなこと言ってられないので、トレーニングと練習頑張って来シーズンは必ず強くなって戻ってきます!」(原文のまま)と綴った。

 今年のプロテストは予選免除者を含む受験者総数が698人、最終プロテストでは101名となり最終的に合格したのは21名。合格率は3%と狭き門となっており、その中でトップ合格した清本に実力があることは明白だが、それでも最終予選会では最下位に近い成績となってしまうということは、それだけ女子プロのレベルが高く、レギュラーツアー出場への道は厳しいということだろう。

 では、近年のプロテストトップ合格者の“現在地”は、どのようになっているのだろうか。

 2010年から昨年まで13名のトップ合格者がいるが、この中でツアー優勝を果たしたのは、2011年のオナリン・サタヤバンポット(タイ)、2016年の永井花奈、2021年の尾関彩美悠、昨年の神谷そらの4名のみだ。

 2020年の佐久間朱莉、2017年の松田鈴英などツアーで上位進出経験がある選手もいるが、中には賞金獲得どころか試合出場すらままならずゴルフファンでも聞き覚えのないプレーヤーもいる。つまりトップ合格すれば、スターへの道が約束されているというわけではないということだ。
 
 とはいえ、上記の通り過去2年のトップ合格者である尾関と神谷は、すでにツアー制覇を合格翌年に達成。しかも神谷にいたっては、日本女子プロ選手権優勝と、ルーキーシーズンにいきなり公式戦を制しており、プロテスト受験者のレベルが高くなっていることをうかがわせている。

 清本は、全米女子アマ覇者の馬場(同2位タイ)、下部ツアーを制した経験がある髙木優奈(同4位)、最終予選会トップの宋佳銀(韓/同8位タイ)の実力者たちを抑えてトップ合格した。最終予選会こそ振るわなかったが、ツアー出場のチャンスがあれば、ルーキーシーズンでの初Vの可能性も十分だろう。

 一方、現在のツアーでトップを飾る面々は、プロテストでどのような結果を残してきたのだろうか。

 まずは2年連続で年間女王となった山下美夢有。2021年に初優勝を飾り、昨年今年はそれぞれ5勝を挙げすでに通算11勝を記録しているが、そんな山下は、2019年のプロテストを6位タイで通過している。

 この年に合格した21名を眺めてみると、2位タイに山路晶と西村優菜がおり、4位タイに安田祐香。6位タイの山下の後には8位タイでセキ・ユウティン(中)、12位タイに吉田優利、15位タイにアン・シネ(韓)、18位タイに西郷真央、笹生優花とそうそうたる顔ぶれが揃っている。

 山下は、彼女たちの中の出世頭であることに間違いないが、この92期生は豊作の世代だったようだ。

 では今年、双子でツアーを席巻した岩井明愛・千怜姉妹はどうだろうか。2人は2021年6月25日に93期生として合格している。本来、このプロテストは2020年に行われるはずだったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で翌年に延期されていた。

 この年の合格者は、佐久間(トップ合格)こそ未勝利だが、同7位タイ通過のリ・ハナ(韓)が早くもツアー優勝を達成。20位タイの桑木志帆はメルセデス・ランキング10位と健闘しており、こちらも層の厚い年代となった。

 ちなみに今季メルセデス・ランキングトップ10のプロテストの結果は次の通りだ。

1位 山下美夢有(2019年6位タイ)
2位 申ジエ(免除)
3位 岩井明愛(2020年3位)
4位 小祝さくら(2017年19位タイ)
5位 櫻井心那(2021年12位)
6位 岩井千怜(2020年9位タイ)
7位 吉田優利(2019年12位タイ)
8位 川岸史果(2016年7位タイ)
9位 鈴木愛(2013年3位)
10位 桑木志帆(2020年20位タイ)

 プロテストに順位はつくものの、それぞれが合格率3%という難関を突破してきただけに、合格者の実力は紙一重ということ。通過順位とその後の活躍にはそこまでの相関がないことが分かる。

 そして清本は、2024年は無条件でステップツアーへの出場が可能だ。昨年下部ツアーで5勝し賞金女王となった櫻井は、今季レギュラーツアーで4勝をマークし、メルセデス・ランキングで5位と躍進した。さて、最終予選会で厳しいプロの洗礼を浴びた清本は、2024年にどのような成績を残すのだろうか。