春の園遊会ではあいにくの雨だったのを感じさせない笑顔の雅子さま。マスク越しだが微笑みがあふれているのがわかる=23年5月11日

 12月9日、皇后雅子さまは60歳のお誕生日を迎えられた。ご成婚から30年、令和になって5年。還暦を迎えた笑顔あふれる雅子さまを写真で振り返る。

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 2023年1月2日、コロナ禍のため3年ぶりの「新年一般参賀」が実施された。何より注目を集めたのは成年皇族になられてから初めて参加される天皇、皇后両陛下の長女、愛子さまだろう。

 天皇陛下、雅子さまに続き、皇族の方々が宮殿・長和殿のベランダにお出ましになり、愛子さまは雅子さまの隣に並ばれた。おふたりのドレスは色もデザインも異なるものの、何となくフォルムが似ているのが話題になった。

新年一般参賀で、手を振る天皇、皇后両陛下と愛子さま=23年1月2日

 お手振りのときに、雅子さまと愛子さまの袖口が見えたが、どちらも包みボタンが「6つ」。さらに、お手振りのときの腕の角度が一緒! さりげないシンクロコーデからは雅子さまと愛子さまの母と娘の絆が感じられた。

■皇室での半生を歌に

 新春恒例の「歌会始の儀」は1月18日、皇居・宮殿「松の間」で開かれた。今年のお題は「友」。雅子さまは皇室に入られてからの半生を振り返り、友への思いを歌われた。

「歌会始の儀」に臨む天皇、皇后両陛下/皇居・宮殿「松の間」=23年1月18日

【皇室に 君と歩みし 半生を 見守りくれし 親しき友ら】

 雅子さまは、59歳の誕生日に「人生のちょうど半分ほどを皇室で過ごしてきたことに感慨を覚えております」というお言葉を寄せられたが、歌会始で披講された歌は、その感慨がにじみ出るものだった。

 2月23日には、天皇陛下の63歳の誕生日を祝う一般参賀が皇居・宮殿「長和殿」で行われた。コロナ禍で天皇誕生日の一般参賀は即位後初、つまり、雅子さまにとっても皇后陛下として初めてだ。

天皇誕生日の一般参賀で、おことばを述べる天皇陛下と皇后さま、愛子さま=23年2月23日

 このときも雅子さまと愛子さまは、腕の角度が一緒だった。お言葉を発せられる天皇陛下の方にからだを向け、左手のひらに白い手袋と扇をのせ、そこに右手を添えられているが、その佇まいはほぼ同じ。

■園遊会ではとびきりの笑顔の雅子さま

 5月11日、東京・元赤坂の赤坂御苑で、令和発の春の「春の園遊会」が開かれた。18年秋以来およそ4年半ぶり、令和になってからは初めて。

春の園遊会の天皇、皇后両陛下=23年5月11日
あいにくの雨だった春の園遊会での雅子さま=23年5月11日

  車いすテニスの第一人者で国民栄誉賞を受賞した国枝慎吾さんや、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さん、歌舞伎俳優の片岡仁左衛門さん、東京五輪卓球金メダリストの伊藤美誠選手ら各界の功労者1000人余りが出席した。あいにくの雨だったが、マスク越しでもわかる、雅子さまの輝く瞳と笑顔は印象的だった。

 秋の園遊会は快晴の空のもと11月2日に開催された。コロナ禍や代替わりの儀式のため、秋の開催は5年ぶり。シンガー・ソングライターの松任谷由実さんや将棋棋士九段の加藤一二三さん、漫才師の西川きよしさんら約1000人が招待された。

秋の園遊会でユーミンと談笑される天皇、皇后両陛下=23年11月2日

 招待者のひとり、ユーミンは園遊会後の囲み取材で雅子さまの感想を求められ「理知的なオーラが伝わってきて、同じ日本女性として誇りに思います」と話していた。

■鹿児島、石川、インドネシアへ

 今年は宿泊を伴う地方公務もあった。6月3日に「第73回全国植樹祭」で岩手県、9月16日に「第42回全国豊かな海づくり大会」で北海道、10月7日に「特別国民体育大会」の開会式に出席のために鹿児島県へ、10月15日には「いしかわ百万石文化祭2023」で石川県などに行かれている。

国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭の開会式に出席した天皇、皇后両陛下=23年10月15日

 6月17日から23日にはインドネシアを訪問。天皇、皇后両陛下にとって即位後初となる公式の国際親善だった。雅子さまにとっては、2002年にオーストラリア、ニュージーランド以来の約21年ぶりの国際親善訪問だった。

ボゴール宮殿のバルコニーで歓談する天皇、皇后両陛下とジョコ大統領夫妻=23年6月19日

 インドネシアでも雅子さまの笑顔は明るかった。例えば、インドネシア・ジョコ大統領夫人の案内で、宮殿内でインドネシアの様々な伝統文化の実演を見て回られたとき。雅子さまはインドネシアの伝統的な衣装「バティック」の生地を羽織られ、少しはにかみながら弾ける笑顔を見せられた。

 インドネシアを訪問される少し前、6月9日は天皇陛下と雅子の30回目の結婚記念日にあたる。それに先立ち、5月30日には、特別展「新しい時代とともに―天皇皇后両陛下の歩みー」も天皇ご一家で鑑賞されている。

特別展「新しい時代とともに―天皇皇后両陛下の歩みー」を天皇ご一家で鑑賞=23年5月30日

 雅子さまのご婚約内定会見のワンピース、ご成婚パレードのドレスなども展示されているこの特別展では、鑑賞中の愛子さまが天皇陛下に「プロポーズを再現して!」とリクエストされたことも話題になった。天皇ご一家の仲の良さが感じられるエピソードだ。

■微笑ましい「ごっつんこ」

 天皇ご一家のご静養先の写真はいつも仲が良さそうで微笑ましい。なかでも、雅子さまの笑顔が弾ける2023年ベストといえば、4月5日、春の御料牧場での「ごっつんこ」ではないだろうか。天皇陛下が「あそこにちょっと桜が……」と指し示され、振り返ると雅子さまのおでこが! 天皇陛下と雅子さまはごっつんしてしまった。

笑い声が聞こえてきそうな春の御料牧場での天皇ご一家=23年4月5日

 雅子さまのとっさのひとことが素晴らしかった。「ごっつんこ」と優しくつぶやき、声を出して笑い合った。それにつられて愛子さまも笑顔になった。何度映像で見返しても微笑んでしまう、心が温かくなるシーンだ。

 この一年を通じて笑顔の雅子さまに、大手企業のマナーコンサルティングやNHK大河ドラマ、映画などのマナー指導も務めるマナーコンサルタントの西出ひろ子さんはこう話す。

「この一年間、雅子さまがマスク越しでもわかるほど微笑まれているのが印象的でした。目が微笑んでいらっしゃいます。笑顔をマニュアル的にいうのであれば“口角をあげて、歯を何本見せる”などと言われていますが、それは単なる作り笑顔で、気持ちは伝わりません。

 こうして一年間を振り返ってみますと、雅子さまの笑顔は気持ちの伝わってくる、気負いを感じさせない、本当に心から自然な微笑みでした。その微笑みは私たちをも微笑ませてくださるものでしたし、雅子さまの微笑みから、幸せな気持ちにさせていただいた感じがいたします」

マスク越しでもわかる笑顔が印象的だった春の園遊会での雅子さま=23年5月11日

 西出さんは、「天皇陛下の存在も大きいのでは」と続けてこう話す。

「ご成婚から30年、天皇陛下と雅子さまは信頼し合い、支え合っていらっしゃることが映像を通じて感じられます。雅子さまは天皇陛下が支え守ってくださる安心感もあり、皇后陛下としての自信といったものに、この一年間、一層磨きがかかってきたのではないでしょうか」

 天皇陛下とともに支え合いながら、還暦を迎えた雅子さま。西出さんはこう言う。

「還暦を迎える50代の最後の一年間をさまざま色々な意味でまとめの年とし、いい意味で、とても前向きな新たな人生のスタートを歩まれるのではないかと思います。これまでできなかったこともあるかもしれないのですが、そうしたこともきっとこれから達成されていかれるくお姿が目に浮かびますね。

 今年、21年ぶりに国際親善でインドネシアを公式訪問されたように、グローバルな活動も増えていかれるのではないでしょうか。仲が良いといわれるご夫婦ですから、天皇陛下もさらに雅子さまを応援なさると思います」

 還暦を迎えられた雅子さま。その温かい微笑みは、さらに輝きを増していくことだろう。(AERA dot.編集部・太田裕子)