車でのパレード「祝賀御列の儀」に出発する天皇陛下と皇后雅子さま。おふたりの楽しそうな笑顔が印象的=2019年11月、皇居、宮殿=代表撮影/JMPA

 天皇陛下が2月23日、64歳の誕生日を迎えられた。陛下は2019年、59歳で即位して、令和の時代が始まった。天皇、皇后として歩み出したおふたりは、その「1年目」から様々な場面で笑い、互いを見つめ合い、豊かな表情で私たち国民の目をひきつけてきた。

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 天皇陛下と皇后雅子さまは、公務の場でも感情表現が豊かだ。令和皇室の特徴のひとつは、公務の現場でさえ、ユーモアと笑顔が絶えないことだろう。

 そうしたシーンは、令和皇室がスタートした2019年秋に執り行われた「即位の礼」の一連の儀式でも見てとれる。

 パレードである「祝賀御列の儀」に臨んだおふたりは、笑顔で言葉を交わしている様子。豊かな表情の写真からは、まるでその声が実際に聞こえてくるようだ。
 

米トランプ大統領夫妻の歓迎行事と会見、見送りを終えた両陛下は、リラックスした笑顔を見せた=2019年5月、皇居・宮殿、代表撮影/JMPA

 5月、令和皇室が迎えた初の国賓が、米国のトランプ大統領とメラニア夫人だ。

 皇居・宮殿の東庭での歓迎行事と宮殿での会見は、終始リラックスした雰囲気だった。雅子さまとメラニア夫人は、互いの子どもの教育やスポーツ、メラニア夫人が取り組む青少年育成活動について、話が弾んだという。

 大統領夫妻の見送りを終えたおふたりは、はじけるような笑顔を見せたが、その笑顔は手ごたえと安どの表れかもしれない。
 

「全国豊かな海づくり大会」の歓迎レセプションで、笑顔の陛下と雅子さま。目線の先にいたのはーー=2019年9月、秋田県、代表撮影/JMPA

 9月、天皇と皇后の三大行幸啓のひとつである「全国豊かな海づくり大会」のため、おふたりは秋田県を訪れた。その開会式前日にあった歓迎レセプションで、おふたりは健康的な笑顔を見せた。

「さかなクン」

 そう声をかけたのは、会場を後にしようとしていた天皇陛下だった。

「全国豊かな海づくり大会」の歓迎レセプションに出席した、さかなクン。雅子さまからツッコミを受けることに=2019年9月、秋田県、代表撮影/JMPA

 天皇陛下から声をかけられた時の衝撃を、魚類学者のさかなクンは「ギョギョっとしました」と振り返っている。

 陛下は皇太子時代から、さらりとアドリブを効かせつつ、人びとと交流してきた。そしてこの時、さらにユーモアのセンスを発揮してツッコミを入れたのが、雅子さまだった。

「やはり今日も頭に召していらっしゃるんですね」

 いつもさかなクンがかぶっている、ハコフグの帽子のことだ。

「皮膚の一部です」

 さかなクンの気の利いた返しに、雅子さまも思わずにっこり。
 

秋田県動物愛護センターで、子どもたちといっしょに犬に触れる天皇、皇后両陛下=2019年9月、秋田県、代表撮影/JMPA

 6月に天皇、皇后両陛下が訪れたのが、秋田県の動物愛護センター「ワンニャピアあきた」。おふたりは子どもたちと一緒に犬や猫に触れたり、散歩の方法を学んだりした。

 雅子さまの膝の上に秋田犬が乗ってきて、「かわいい」と笑顔の雅子さまがキスをするひと幕もあった。
 

ゴヨウツツジの花飾りの帽子をかぶり、美智子さまへのお祝いのあいさつに向かう愛子さま。春から愛子さまも公務する機会が増え、令和皇室も本格始動しそうだ=2023年10月20日、東京・半蔵門、読者の阿部満幹さん提供

 令和も6年目に入った。

 コロナ禍で人びととの触れ合いが難しい時期もあったが、現場に戻ってきた陛下と雅子さまは、ユーモアと笑いで、そこにいる人びとを心和ませる。そして、春風のような長女の愛子さまも加わり、いよいよ令和流の色は鮮やかになりそうだ。

(AERA dot.編集部・永井貴子)

車でのパレード、「祝賀御列の儀」に出発する天皇陛下と皇后雅子さま。おふたりで何か話しているのか、楽しそうな笑顔が印象的=2019年11月、皇居、宮殿=代表撮影/JMPA