桐谷美玲

 今春より夕方の報道番組「news every.」(日本テレビ系)の新キャスターに就任した桐谷美玲(34)。しかし、リニューアル初週は体調不良で欠席となり、「申し訳ない気持ちでいっぱい」とのコメントを発表した。

「局としてはコア視聴率獲得に向けた施策として、結婚・出産をへてさまざまな人生経験を積んだ桐谷を起用したようです。本人も初出演時に『生活者の1人としてしっかりニュースをお伝えしていきたい』と意気込んでいました。本人にとっては産後の本格的な復帰で、今後のキャリアを占う上でも重要な仕事でしょう。ただ初週での欠席は華々しいデビューに“ミソ”を付ける形になってしまいました。桐谷と日テレの報道番組には浅からぬ因縁があるので、マイナススタートから雪辱を果たせるのか業界関係者も注目していますよ」(週刊誌の芸能担当記者)

 桐谷は2012年から6年半、同局のニュース番組「NEWS ZERO」に出ていたことは周知の通り。だが18年に同番組は有働由美子を中心に番組を刷新することになり、桐谷は降板となったという経緯がある。

「NEWS ZERO」でキャスターをしていた頃の桐谷美玲(2017年)

■復帰後は「ネガティブ」な発言も

「当時、桐谷は有働の高額ギャラのあおりを食ったと報じられました。『NEWS ZERO』ではロケ稼働も嫌がらず、しっかりした仕事ぶりで評価されていました。もともと女優業にあまり興味がなかったとされ、モデルとキャスターを仕事の柱にしようとしていたところ降ろされたとのことでふびんでした。降板の数カ月前に三浦翔平と結婚したばかりで、これから既婚者目線でのリポートができると本人もやる気をみせていたようなのですが、別番組のキャスター枠の提示もなく、お役御免になったのです」(同)

 そんな経緯もあってか、出産後の22年3月、久々のテレビ出演で初MCに挑戦したバラエティー番組では「ものすごく不安でした」「“替え”はいくらでもいるんじゃないかとも思う」とネガティブな発言を連発している。

「同じ22年3月には長年所属していた芸能事務所を退所しています。一般女性でも産後“マミートラック(出産・子育てによって女性がキャリアを阻害されること)”にハマってキャリアダウン・チェンジを強いられる人もいると思いますが、売れっ子だった桐谷も同じような悩みを抱えていたのかもしれません。ここ数年はモデル業が中心で、PRイベントなどに登壇するくらいでテレビにはほぼ出ていませんでした。桐谷にしてみれば、子育てしながら続けられる仕事を選んだだけなのかもしれません。とはいえ、ブランドのアンバサダーを務めたり、インスタなどでスタイルを見せつけるようなファッションや高級バッグを披露するなど、セレブ感を前面に押し出した発信には疑問の声もありました」(同)

21歳ごろの桐谷美玲(2011年)

■実は名門高校出身の高学歴

 こうした行動が影響しているのか、SNS上では「全く話さず地蔵だけど、いる意味なくない?」「バイト感覚なの?」といった厳しい意見もある。最初のキャスターを降板してからすでに6年がたち、視聴者の見る目も変化しているのかもしれない。テレビ関係者はこう話す。

「今回の起用に関して、視聴者から“芸能人の腰掛け仕事”のように見られている部分は確かにあるでしょう。同時にキャスターに就任した元プロ野球選手の斎藤佑樹とセットで“客寄せパンダ”と揶揄する声もあります。3月まで『news every.』のメインMCであり、日テレのエースだった藤井貴彦アナを中心とした安定感のある体制と比べると、今回の改変人事には疑問を感じる視聴者もいるようです」

 一方で、桐谷に期待する声もある。

「ビジュアルばかりが注目されがちな桐谷ですが、実は千葉県屈指の公立・千葉東高校出身で、フェリス女学院大学に進学した知性派です。しかも、多忙なタレント業やキャスターの合間を縫って学業も継続し、7年かけて大学を卒業した努力家でもある。そんな彼女にとって、産後からの復帰にかける思いは並々ならないものがあるはず。キャスター就任に際しては、子どものお迎えに間に合うように番組を途中退席する“時短勤務”ができる配慮を受け、万全の態勢を整えて仕事に向き合っているとインタビューで語っていました。そうした新しい働き方などを視聴者に見せることで、ママ層の共感を得られれば、キャスターとしてまた受け入れられると思います」(同)

桐谷美玲(2021年)

■庶民感覚とのズレが露呈しないか

 芸能評論家の三杉武氏は今回の起用についてこう見ている。

「かつて出演していた『NEWS ZERO』では存在感を放っていましたが、今回は平日の夕方放送のニュース・情報番組ということで、以前にも増して主婦層の視聴者の支持を得られるかが重要なポイントとなります。もともとモデル、女優として活躍し、近しい世代の女性からの人気は高いタイプですが、より幅広い年齢層の視聴者に親近感を抱いてもらえるような発言やコメントが求められます。自身の私生活の話題を口にする機会も増えるでしょう。最初のキャスター時代と比べると結婚、出産といった私生活の変化や経験はプラスに働きそうですが、売れっ子芸能人だけにその感覚が視聴者とズレていると、思わぬバッシングを浴びる可能性もあり、そのあたりが今後の明暗を分けそうです」

 高学歴でモデル兼女優のセレブなママ――そうした部分をなるべくみせず、どれだけ庶民的なコメントができるかが鍵になりそうだ。

(雛里美和)