プロ入り6年目の今季も苦戦が目立つ中日・根尾昂

 毎シーズン「今季こそブレイクか」と期待されることが多い、中村奨成(広島)、根尾昂(中日)、吉田輝星(オリックス)の3人は今季もここまで目立った成績を残せていない。かつて甲子園を騒がせたスター選手たちにとって残された時間は少なくなってきている。

「各選手の甲子園での活躍は記憶に残っているが、(プロ入り後は)時間だけが過ぎ去ってしまった感もある。このままでは今の所属球団で定期的な出場機会を得るのが難しくなってきている」(高校時代から3人を知るスポーツライター)

 日本では毎年甲子園で活躍した高校球児たちの名前が全国中に知れ渡る。高校卒業後はプロ野球での活躍を期待され、ドラフト1位指名となれば球団の枠を超えて注目される。3人ともまさにそれに当てはまるが、プロ入り後はいずれの選手も苦戦。今シーズン中も含め所属球団が何らかの動きに出る可能性も十分にある状況となっている。

 今季がプロ7年目となる中村は広島・広陵高の3年夏に出場した甲子園で大会記録となる6本塁打を放ってドラフトの目玉となった。同年のドラフトでは2球団競合の末に広島へ入団。プロ4年目の2021年には一軍で2本塁打放ち、ブレイクの予感も漂わせていたが、その後は目立った活躍はできていない。

「プロへの対応に時間が必要だったとはいえ、すでに7年目に突入している。女性問題を起こすなど、野球に取り組む姿勢にも問題があった。地元選手への温情もあって今季もプレーできているが、さすがにもう面倒を見きれない状況になってきている」(広島担当記者)

 今季から心機一転、背番号も22から96に変更し、捕手から外野手登録となった。シーズンオフには鹿児島・最福寺で護摩行を敢行、禁酒をするなど“野球で勝負する”覚悟も感じられたが……。今季も一軍ではわずか3試合の出場にとどまっている。

「打撃でよほどの結果を出さないと広島での出番はなさそう。しかし捕手もできるため他球団からの需要はあるはず。例えば一、二軍ともに捕手に故障者が続出して数が足りないヤクルトへ移籍すれば出場機会は増えるのではないか」(在京球団編成担当)

 中村が甲子園を騒がせた翌年、根尾は大阪桐蔭で“二刀流”として活躍し、チームの春夏連覇に貢献。2018年のドラフトで4球団競合の末に中日に入団した。プロ入り後は遊撃手でプレーする決断をしたが、結果が伴わないことでポジションが定まらず。内野から外野にコンバートされ、2022年途中からは投手に転向。だが、なかなか結果はついてこず、今季一軍では2試合の登板で防御率5.79という成績だ。

「投手としては二軍レベルを脱することができない。真っ直ぐは150キロ出るかどうかで制球にばらつきがあり、これといった変化球もない。早期での一軍定着を考えるのなら、再び野手に戻った方が良いと考える人も多い」(中日担当記者)

 プロ6年目を迎えた今でも「投手でいくべきか、野手でいくべきか」の議論がされるが、生き残るためには“何でも屋”としてプレーすべきという声もある。

「投手、野手の両方でレギュラーに定着できるレベルではない。究極の二刀流を目指すべき。内外野全ポジションをできるようにして、点差がついて投手が足りない時にマウンドへ上がる。最高のユーティリティ選手として一軍定着への道が開けるかもしれない」(在京テレビ局スポーツ担当者)

 2018年の甲子園で秋田県・金足農業のエースとしてチームの準優勝に貢献し、“金農フィーバー”を起こした吉田は同年のドラフトで日本ハム入り。しかし、先発投手としては結果を残せず、一昨年からはリリーフに活路を見出しつつあった中、昨オフにトレードでオリックスに移籍することとなった。

「投手育成に定評があるオリックスで大化けを期待されたが、今のところ大きな変化は見られない。投球フォームから球種が読まれやすく、不安定な制球もあまり改善できていない。苦戦を続けるチーム事情もあるので、常に結果が求められる」(オリックス担当記者)

 今季は開幕から3試合連続で無失点リリーフを見せるなど飛躍も予感させていたが、4月24日の日本ハム(エスコン)で4失点を喫するなど、なかなか安定感がでてこない。一時は登録抹消され、ここまで20試合の登板で防御率5.17と苦しい投球が続く。

 だが、指にかかった時の直球の威力は誰もが認めるところ。起用法次第ではまだまだ“生きる道”はあるという。

「投球フォームを今から変えることは難しい。球種がわかりやすく制球に不安があるので先発と抑えは厳しい。球威を生かすためにはセットアッパーが適任。人気も健在なので欲しがる球団も多く、オリックスの状況次第では再びの移籍もある」(在京球団編成担当)

 3選手はもはや若手とは言えない年齢に入ってきており、ここから先の大きな成長は望めなくなってきている。そうなると適材適所で力を発揮することが今後のカギとなりそうだ。

「どの選手もドラフト1位なので光るものはある。それが生かせるチームにいるかどうかも大事。3人を輝かせられる球団はどこなのか。各球団編成担当の腕の見せ所かもしれない」(在京テレビ局スポーツ担当者)

 選手は環境によって大きく変化する場合もある。3選手が高校時代のような輝きを取り戻せるのなら、他球団でやり直すのも「アリ」だろう。(文中の成績は6月13日終了時点のもの)