小泉進次郎氏に“ステマ問題”を問い質した高校生に直撃 「論点ズレズレ」と非難殺到の小泉氏に今だから「言いたいこと」
AERA DIGITAL10/2(木)11:30

9月28日、自民党総裁選の候補者5人は角川ドワンゴ学園が運営するN高グループの中高生と議論する「総裁候補vs中高生『日本の未来』討論会」(主催:ニコニコ)に出演した。とりわけ注目を集めたのが、男子高校生が小泉進次郎・農林水産相の“ステマ問題”について斬りこんだ一幕だ。高校生の質問に対して、小泉氏が正面から答えなかったことに批判が噴出した。高校生本人は、小泉氏の回答をどう感じたのか。ステマ問題に強い危機感を抱いた理由も含め、本人に直撃した。
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今回、小泉氏に思い切った質問をぶつけたのは、S高等学校3年生の西堀旬(にしぼり・しゅん)さん。日ごろから「自分の生活に関わる話」として政治に関心を寄せており、今最もホットなトピックスである総裁選の候補者との討論会ということで、迷わず参加した。
質問のターゲットは、メディアで最有力候補と報じられることの多い小泉氏と決めていたという。9月25日発売の「週刊文春」によって、小泉陣営がインターネット動画のコメント欄で同氏を称賛するよう指示していた“ステマ問題”が明るみに出ると、「これは追及するしかない」と急ぎ質問を練った。自身の問題意識について、西堀さんはこう語る。
「デマ対策という大義名分でSNSへの規制が検討されている今、自民党内に世論への工作、誘導をする人がいるというのは、民主主義を崩壊させかねない恐ろしいことだと思いました。今回は公職選挙法が適用されない総裁選での一件ですが、直近の参院選や衆院選において同じような工作が行われていないと言い切れるのか、という疑念もありました」

■小泉氏が回答の最後に言い添えたのは…
そして討論会当日、小泉氏に対してこう投げかけた。
「この件は言論の自由や選挙の公正さに関わり、民主主義を揺るがしかねない事態だと考えます。そこでうかがいます。こうした事態を踏まえて、今後の政治活動において民主主義と言論の自由をどう守って発展させていくのか、お考えをお聞かせください」
西堀さんの質問を受け、小泉氏はコメントの書き込みを指示した牧島かれん・元デジタル相を広報班長から外したこと、陣営内で再発防止を徹底することなどを示し、最後に「なお言論の自由の話もありましたが、私は基本的に言論の自由、そして表現の自由、これは尊重されるべきだと思いますので、その規制については、最小限であるべきだという立場です」と言い添えた。
この小泉氏の回答に、動画の視聴者からは「論点ズレズレ」「答えになってないよ」といった批判的なコメントが次々と書き込まれた。
西堀さん自身は小泉氏の回答についてどう感じたのか。尋ねてみると、なんとも大人な回答が返ってきた。
「コメントでは、『小泉さんは質問の趣旨を理解していないのでは?』『ステマの件は最低限のテンプレート的な発言しかするなと陣営内で言われているのでは?』と疑う声もありました。でも討論会は回答時間が90秒に制限されていて、詳しく答えられるわけがないので、仕方ないかなと思います」
討論会を終え、西堀さんは自身のXアカウントで小泉氏への質問内容を報告した。すると、もとは180人程度だったフォロワーが2日間で約1900人に激増した。寄せられたメッセージは「よく言った」というような好意的な内容ばかりだった。西堀さんの母は、いつもチェックしている政治系YouTuberが息子の話題を取り上げていることに、「不思議な気分」と感心していたという。

■「本当はメディアに追及してほしいんですけど」
自身の質問が起こした反響の大きさについて、西堀さんはこう話す。
「X上では当初からステマ問題がかなり話題になっていたので、みんなが聞きたいことを聞いただけです。本当はメディアに追及してほしいんですけど、してくれないから、じゃあ僕が聞くかっていう。正直、オールドメディアには不信感を持っています。客観的に事実を伝えてほしいのに、世の中の関心ごとが分かっていないのか、大人の都合で隠しているのか……。良くない意味で『報道しない自由』を行使している気がします」
そんな西堀さんが次期総裁として期待する候補は、高市早苗・前経済安全保障担当相だ。「責任ある積極財政」を掲げた政策と、「故・安倍晋三元首相の後継者」となり得る保守政治家としてのスタンスを支持しているという。
「自民党の学生部の人たちと話していると、『今の自民党はダメだ』と言う人が多い。自民党は岸田(文雄)元首相以降、リベラル色が強くなりましたが、安倍さんのような強いリーダーシップを持った保守政治家が求められていると思います。高市さんが総裁になれば、本来の自民党が戻ってくると考えている人はいますし、僕もその一人です」
昨年9月の総裁選で、高市氏は1回目の投票でトップに躍り出たが、議員票が大きなウェートを占める決選投票で石破茂氏に敗れた。西堀さんは、「最終的には、議員や、議員とつながっている業界団体にとって都合がいい政治家が選ばれてしまうのでは」といぶかりつつも、今回の総裁選の行方を注視している。
そして、討論会で対峙した小泉氏には、一つだけ伝えたいことがある。
「次に質問できる機会があるなら、民主主義と言論の自由をどう守っていくのかについて、今度はちゃんと話していただきたいです」
自分たちの疑問に真正面から答えてくれるのか――高校生もしっかりと次期総裁の資質を見定めている。
(AERA編集部・大谷百合絵)












