東京五輪で盛り上がりを見せる中、全国で新型コロナウイルス感染者の増加が止まらない。東京都の新型コロナウイルスの感染者は7月31日、4058人と最多を更新。初の4千人台になった。全国でも連日感染者は1万人以上、確認されている。感染の波は身近な飲食店にも忍び寄っている。7月中旬からマクドナルドやスターバックスで感染を報告する店舗が増えている。専門家にその背景や注意点を聞いた。



 <マクドナルド草津アルプラザ店 一時閉店のお知らせ
マクドナルド草津アルプラザ店に勤務する従業員から新型コロナウイルス感染症の検査の結果、陽性であったとの連絡を受けました。そのため、万全を期し、営業を中止し、所定の消毒作業を実施いたしました。今後、お客様と従業員の安全を最優先し、同店の営業再開について対応してまいります>

 いま日本マクドナルトのホームページには新型コロナウイルス感染による店舗の一時閉店や営業再開の情報が頻繁に掲載されている。スターバックスコーヒージャパンも同じように感染による「一時閉店」、「再開状況」をホームページで掲載している。
 
 両社のホームページの更新情報を見ると、ここ最近の一時閉店情報などが多くなっている様子がうかがえる。いったいどのような状況になっているのか、情報更新の件数をまとめた。

 マクドナルドのグラフを見ると、7月初めは2〜3件程度で推移していたが、10日は5件に増加。その後、3〜4件となっていたが、17日に7件、20日に7件、22日に10件と大きな増加傾向に入った。28日は21件、30日は25件と急激に増加している。

 集計できる2020年3月16日以降の数字を見ると、これまで10件を超えたのは、20年12月31日、21年1月11日、5月13日、14日、18日の5日しかなかった。最も多かったのは5月14日の12件だった。

 同じような増加傾向は、スターバックスでも見られた。7月初めには0から多くても2件程度だったが、13日に5件と増加。その後、少し落ち着いたように見えたが、23日から4件程度で推移し、28日は6件、29日は9件、30日は8件と明らかに増加している。

 両社とも新型コロナウイルス対策はしっかりと行っている企業だ。コロナ対策についてもホームページ上で公開し、どのような対応をしたのかも説明している。それでも多くの店舗で従業員に感染者が出てきている。飲食店の感染症対策に詳しい専門家はこう見る。

「スタバやマックが危険ということではなく、今は社会全体で感染者が増えている状況。中でも若い年齢の人たちが多く感染しています。この人たちは飲食店でバイト従業員として働いていることが多い。各飲食店では感染症対策をかなりしっかりとやっているので、業務中に感染したというよりは、日常生活で感染しているのではないでしょうか」

 いま猛威を振るっているデルタ株はこれまでのアルファ株よりも1・5倍ほど感染力が強いなどと言われている。このまま感染拡大が続くと、東京都では8月中に感染者が3500〜5000人以上になると指摘されている。今回のグラフも見ても、感染が至るところで拡大している様子がうかがえる。

 どうしたらいいのか。先の感染症の専門家はこう語る。

「前よりも感染力が強いということは、より徹底して対策を強くしないといけない。生半可の対策では感染してしまうことを示唆している。飲食店だけではなく社会の全員に、三密を避ける、マスクをする、手を洗う、黙食するなど感染症対策の基本を改めてただしく実行してほしい」

 ワクチンの有効性が強調される一方で、若い層への接種はまだ全然進んでいない。自粛疲れやコロナ慣れが指摘されているが、改めて基本的な対策を徹底する必要に迫られている。

(文/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)