羽生結弦、高木姉妹、小平奈緒…ソチの3倍となった平昌五輪報奨金ランキングのトップは?【2018年ベスト20 2月25日】

羽生結弦、高木姉妹、小平奈緒…ソチの3倍となった平昌五輪報奨金ランキングのトップは?【2018年ベスト20 2月25日】

 2018年も年の瀬に迫った。そこで、AERA dot.上で読まれた記事ベスト20を振り返る。

 13位は2018年2月25日に配信した「羽生結弦、高木姉妹、小平奈緒、それとも…ソチの3倍となった平昌五輪報奨金ランキングのトップは?」だった。今年2月に行われ、メダルラッシュに沸いた平昌五輪。JOCの金メダル報奨金が500万円に増額されたことなどから、報奨金の支給額は前回ソチの3倍以上となった。いったい、どの選手が“高額”報奨金を手にしたのだろうか……。



*  *  *
 羽生結弦の五輪連覇、小平奈緒と2位に終わった韓国のエース・李相花の互いをたたえ合う抱擁、高木美帆による金・銀・銅のメダルコンプリート、その姉、菜那の2つの金、カーリングで初となる銅メダルで涙を流した「そだねージャパン」。平昌五輪では、長野五輪(1998年)の10個を超える史上最多の13個のメダル(金4、銀5、銅4)を獲得し、日本選手団にとって「史上最高の冬季五輪」となった。

 メダルラッシュでうれしい悲鳴をあげているのは、日本オリンピック委員会(JOC)かもしれない。

 JOCは、2016年のリオ大会から金メダルの報奨金を200万円増額し、500万円にした(銀200万円、銅100万円は据え置き)。しかも、金メダルの女子団体追い抜きは、高木美帆、高木菜那、佐藤綾乃、菊池彩花の4人に500万円ずつ、銅メダルのカーリングも代表チームの吉田夕梨花、吉田知那美、藤沢五月、鈴木夕湖、本橋麻理の5人に100万円ずつの報奨金が支払われるという。

 すべてを合計すると推計で計5300万円。ソチのメダルは7個(金1、銀4、銅3)で、報奨金は1700万円(推計)だったので、3倍以上の支給額となりそうだ。

 ちなみに、メダリストへの報奨金は各競技団体も独自の制度を設けている。日本スケート連盟は、JOCと同額の金500万円、銀200万円、銅100万円を支給する。

 全日本スキー連盟は金額を公開していないが、過去の実績として金300万円、銀200万円、銅100万円を支給してきた。今大会はスノーボード男子ハーフパイプで平野歩夢が銀、スキー・ノルディック複合ノーマルヒル個人で渡部暁斗が銀、スキージャンプ女子で高梨沙羅が銅など、計4個のメダルを獲得した。

 一方で、悲願のメダルを獲得したカーリングは報奨金制度を設けてない。予算上の制約があることから、日本カーリング協会の担当者は「検討していない」という。ただ、カーリング女子日本代表のオフィシャルスポンサーである全農は、メダル獲得で米100俵を贈呈することを決定した。


 では、選手別の報奨金はいくらになるのだろうか。そこで、JOCと各競技団体の報奨金を合計した金額を計算してみた(スキー競技はソチの報奨金実績をもとに計算)。

 トップは、新種目のマススケート女子で初代女王となり、女子団体追い抜きでも金を獲得した高木菜那で、総額2000万円。2位は金・銀・銅の「メダルコンプリート」を達成したスピードスケートの高木美帆の1600万円だ。高木姉妹でワンツーフィニッシュとなった。

 3位はスピードスケート女子500メートルで金、1000メートルで銀を獲得した小平奈緒の1400万円。その次に五輪連覇の羽生結弦のほか、女子団体追い抜きで金の佐藤綾乃と菊池彩花が1000万円で並ぶ。平昌五輪では女性選手の活躍が目立ったが、報奨金ランキングでも上位6人のうち、5人を女性が占めた。

 メダリストには報奨金以外の収入も増える。小平奈緒は日本選手団の主将を務めたので好感度も高く、CMやテレビ出演などのオファーが殺到することは確実だ。また、フィギュアスケート男子で金・銀コンビとなった羽生と宇野も、人気が沸騰している。金メダリストのCM出演は数千万円といわれているが、羽生にいたっては「1億円超えもあるのでは」(業界関係者)などと噂されている。

 JOCや競技団体とは別に、所属する企業からの報奨金もある。高木菜那が所属する日本電産サンキョー(長野県下諏訪町)の永守重信会長は、ソチ五輪の前に「金2千万円、銀1千万円、銅600万円」のボーナスを約束して、世間を驚かせた。平昌の報奨金については金額の明言は避けたが、「会社規定の報酬をお支払いすることになっています」(同社広報担当)とのこと。前回と同程度の報奨金が出れば、高木菜那の報奨金は倍増するかもしれない。

 もちろん、選手にとって大切なのは現金だけではない。日本電産サンキョーは、選手達のスケート靴のブレード(刃)の研磨を担当するなど、技術的なサポートも担当している。同社によると「技術の会社なので、1000分の1ミリまでこだわって調整しています」という。平昌のメダルラッシュは、こういった人たちの献身的な支えによって達成できたのだ。


 さて、収入が増えたことで注意しなければならないのが「税金」だ。JOCの報奨金は所得税法の規定で全額非課税となるが、各競技団体支給の報奨金の非課税枠は300万円まで。つまり、高木菜那は日本スケート連盟から支給される1000万円のうち、700万円が課税対象となる。金メダルを獲得した高木美帆、小平、羽生、女子団体追い抜きのメンバーも一部課税される。不断の努力の結果で得られた報奨金に税金をかけるのは薄情な気がするが、金メダリストたちは来年の確定申告に注意してほしい。

 お金の話は選手にとって切実だ。冬季競技を行う選手の台所事情は夏季より厳しく、特に女子選手が深刻だ。笹川スポーツ財団の「オリンピアンのキャリアに関する実態調査」(2016年1月)によると、冬季女性選手は競技を継続するためにかかる年間の費用は460万9千円。同じ冬季競技の男子の245万4千円と比べてもかなり高額だ。ちなみに夏季競技は男子が206万2千円、女子は250万7千円。オリンピックの時の盛り上がりだけではなく、継続的な支援が必要とされている。

 そのなかで、小平の活躍を支えた存在として、所属する相澤病院(長野県松本市)に注目が集まった。小平は、大学卒業後の所属先が見つからず、金銭面を含め競技の継続が不確かな状況にあった。そんな彼女に手を差し伸べたのが相澤病院だった。同病院は、小平を支援するために年間約1千万円超のサポートを続けてきたという。

 もちろん、企業や団体から支援を受けているのは小平だけではない。高木美帆は、2017年4月から日本体育大学の助手に就任。同大広報課は「競技に専念できるよう、大学をあげてサポートしている」という。メダルの報酬金については、金額は非公開だが「大学の内規に従って褒賞します」(広報課)と話す。

 高梨沙羅が所属するクラレは、競技活動の支援以外に、高梨の要望を受けてジュニアのジャンプ大会を開催している。冬季競技はオリンピック開催時は大きな注目を集めるが、人気を維持することが難しい。特に子供の競技人口の拡大が課題で、高梨とクラレはそこに目を向けた支援をしている。

 報奨金もありがたいが、選手にとっては相澤病院や日本電産サンキョーのような継続的な支援の方がありがたいかもしれない。メダルラッシュに沸いた後も、選手が安心して競技生活を続けるためにはどうすればいいのか。感動と興奮が冷めないうちに、あらためて議論が必要だ。(田中将介、AERA dot編集部・西岡千史)


関連記事

おすすめ情報

AERA dot.の他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

スポーツ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

スポーツ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索