東京五輪へ暗雲の「なでしこ」 監督采配と選手選考に課題

東京五輪へ暗雲の「なでしこ」 監督采配と選手選考に課題

 サッカー女子ワールドカップ(W杯)フランス大会で、日本女子代表(なでしこジャパン)=FIFAランク7位=が6月25日、決勝トーナメント1回戦でオランダ=同8位=に1−2で敗れ、16強で姿を消した。

 過去2大会は優勝、準優勝と結果を出してきた。だが、今大会は4試合戦って、わずか1勝(1分け2敗)に終わった。

 何がマズかったのか。

 大会全体として、8強に7チームが入った欧州勢の強さが目立った。欧米勢は総じて体格やフィジカルで日本を上回る。日本はこれまでその不利を、細かなパスワークや豊富な運動量でカバーしてきたが、技術や戦術でも急成長した欧州勢に後れを取ったことは見逃せない。

 先取点を奪われたオランダ戦の終盤は、日本のペースで試合が進んでいた。しかし、チャンスで決め切れずに、最後に不運なPKで失点。2011年の優勝を知るチーム最年長のDF鮫島彩(32、INAC神戸)は、こう振り返った。

「チャンスはあったが、勝負どころで相手が上だった」

 16年4月に就任した初の女性指揮官、高倉麻子監督(51)のもと、先制されるとオランダ戦を含めて17戦未勝利(2分け15敗)。途中出場した籾木結花(23、日テレ)が流れを変える役割を果たしたが、与えられた時間は約20分だった。大会を通して、選手交代を含め指揮官の後手に回った采配が目に付いた。

 ケガを承知で招集した阪口夢穂(31、日テレ)、大会中にふくらはぎの違和感で別メニュー調整となった宇津木瑠美(30、シアトル・レイン)のベテラン2人が全く出場できなかったのは不運だったかもしれない。だが、そもそも選手選考には疑問があった。

 高倉監督は帰国後、「(選手に得点を)決め切る力がなかった」と嘆いたが、昨季なでしこリーグ最優秀選手賞(MVP)で3季連続得点王のストライカー田中美南(25、日テレ)は招集外。佐々木則夫前監督時代には絶対的なFWとして君臨し、今も強豪米国のトップリーグNWSLでプレーする永里優季(31、シカゴ・レッドスターズ)に至っては招集の気配すら見せなかった。

 早期敗退の理由として、ベンチワークの責任は少なくない。

 それでも、大会後まもなく続投話が出ているようでは、来年の東京五輪も期待できそうにない。(栗原正夫)

※週刊朝日  2019年7月12日号


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