ラグビーW杯・大畑大介が語るロシア戦勝利のカギとは? 「もう二度と見られない光景が日本で繰り広げられる」 

ラグビーW杯・大畑大介が語るロシア戦勝利のカギとは? 「もう二度と見られない光景が日本で繰り広げられる」 

 9月20日、いよいよラグビーワールドカップ日本大会が幕を開ける。

「ラグビー最高の舞台はワールドカップです」

 そう語るのは、ラグビー元日本代表の大畑大介さん。トライ数69という世界一の記録を持ち、2016年には日本人として2人目のワールドラグビー殿堂入りを果たしている名選手だ。



 そんな大畑さんが、『ラグビー日本代表写真ガイド RUGBY PHOTOBOOK & GUIDE JAPAN 2019』でロングインタビューに答え、大きく進化したラグビー日本代表チームの現状と、ラグビーワールドカップの開幕戦となる9月20日の日本対ロシア戦で、どこに注目すべきかを語っている。

大畑:2015年のラグビーワールドカップ(以下W杯)で日本は南アフリカに勝ち、ラグビー界に一大旋風を巻き起こしました。その後、日本は世界におけるランキングを確実に上げ、今や大きな存在になっています。そして今年日本で、ラグビーの強豪国ではない国で初めて、そしてアジアで初めて、W杯が開催されます。
 これは世界のラグビーにとって非常に重要な大会となるはずです。選手にとっては試される戦いであり、前回以上に意識は高いと思います。僕は、もう二度と見られない光景が日本で繰り広げられるのではと期待しています。ただ、見るほうは気難しく考えなくていい。「ラグビー村のお祭り」みたいに思ってもらえばいいと思います。

 では、“お祭り”を楽しむためには、どこに注目すべきか? 日本代表チームにとって何より重要なのは、開幕戦となる9月20日のロシア戦に勝利することだと大畑さんは言う。

大畑:ロシアは、ヨーロッパ予選3位でW杯本戦への出場機会を逃したのですが、予選1位のルーマニア、2位のスペインに規則違反があり、いわば繰り上げの繰り上げで出場が決まったチームです。失うものがありませんから、しっかり準備期間をとって試合に臨んでくる。日本が2015年に南アフリカと対戦したときと同じような状況といえるでしょう。ロシアがこの一戦に賭ける気持ちはすごく強いはずです。
 ですから、日本が強豪のアイルランドやスコットランドとどう戦うかというイメージばかりを持って試合に臨むと、足元をすくわれる可能性が高い。

 日本は現在世界ランキング10位、ロシアは20位だが、大畑さんも「日本とロシアの差はそれほど開いていない。だからこそ非常に重要な試合だといえます」と語る。

 その重要な試合に勝つために大切なことは何か。ロシア代表のプレーの特徴は、身体の大きなフォワードによる力押しとキックにあり、日本代表に必要なのは「とにかくボールを動かしていくこと」だと大畑さんは指摘する。

大畑:ロシアは戦い方がシンプルです。だから、身体差が生まれやすい1対1の関係を作らせないことと、キックに対する対応、そして接点をより前に持っていくことが大切です。
 ロシアには体の大きなフォワードがたくさんいますが、そういう選手を背走させることが、日本にとって有利に試合を運ぶカギになる。体の大きな選手は前に進む力は強いものの、後ろに下がるのは苦手です。それが背走させるという意味で、背走すると体力を非常に消耗するものなんです。
 ロシアは、エリアを前に進ませなければ、それほど恐い相手ではありません。スペースを詰めたり、ディフェンスのずれをなくしたりするなどの、エリアマネジメントがとても大事になってきます。とにかくボールを動かしていくことがとても重要なんです。

 そして、現在の日本代表は「人とボールが動くラグビー」ができている、と大畑さん。前回の2015年大会ではパスで横にボールを動かすことを主としていたが、いまはキックを有効に使って相手の背後にボールを運ぶことで背走させ、エリアを前に進める戦略を取っていると解説する。

大畑:ディフェンスの場合は勤勉にプレッシャーをかける。この勤勉さが日本ラグビーの最大の特徴といえるでしょう。日本人らしいともいえる、常にひたむきにボールに向かっていく姿を見てほしいですね。

 日本対ロシア戦は9月20日の19時45分から、東京・調布の東京スタジアムで行われる。全国の開催地に設けられた無料のファンゾーンの大型ビジョンや地上波でもライブ中継が楽しめるので、一生に一度の“お祭り”に乗ってみてはどうだろうか。

 大畑大介さんによるラグビー日本代表の戦力分析や観戦ガイドの全文のほか、姫野和樹選手、田中史朗選手、堀江翔太選手、リーチ・マイケル主将ら、多数の日本代表選手のインタビューを『ラグビー日本代表写真ガイド RUGBY PHOTOBOOK & GUIDE JAPAN 2019』で読むことができる。

○大畑大介(おおはた・だいすけ)1975年、大阪府生まれ。元ラグビー日本代表、代表でのポジションはウィング。現在、ラグビーW杯2019アンバサダー、東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会アスリート委員会委員などを務めている

●ラグビーワールドカップ2019日本大会、ロシア戦の日本代表試合登録メンバーは下記の31人。英字はポジション、末尾の数字はキャップ数(公式代表戦出場回数)。

1 PR 稲垣啓太 Keita INAGAKI 29
2 HO 堀江翔太 Shota HORIE 61
3 PR ヴァル アサエリ愛 Asaeli Ai VALU 9
4 LO ヴィンピー ファンデルヴァルト Wimpie VAN DER WALT 12
5 LO ジェームス ムーア James MOORE 3
6 FL リーチ マイケル Michael LEITCH 63 (キャプテン)
7 FL ピーター ラブスカフニ Pieter LABUSCHAGNE 3
8 FL/NO8 姫野和樹 Kazuki HIMENO 12
9 SH 流 大 Yutaka NAGARE 19
10 SO 田村 優 Yu TAMURA 58
11 WTB レメキ ロマノ ラヴァ Lomano Lava LEMEKI 11
12 CTB 中村亮土 Ryoto NAKAMURA 19
13 CTB ラファエレ ティモシー Timothy LAFAELE 18
14 FB/WTB 松島幸太朗 Kotaro MATSUSHIMA 34
15 CTB ウィリアム トゥポウ William TUPOU 10
16 HO 坂手淳史 Atsushi SAKATE 17
17  PR 中島イシレリ Isileli NAKAJIMA 3
18 PR 具 智元 Jiwon KOO 8
19 LO トンプソン ルーク Luke THOMPSON 67
20 FL ツイ ヘンドリック Hendrik TUI 44
21  SH 田中史朗 Fumiaki TANAKA 70
22 SO/CTB 松田力也 Rikiya MATSUDA 20
23 FB 山中亮平 Ryohei YAMANAKA 13

PR…プロップ HO…フッカー LO…ロックFL…フランカー NO8…ナンバー8 SH…スクラムハーフ SO…スタンドオフ WTB…ウィング CTB…センター FB…フルバック

※『ラグビー日本代表写真ガイド RUGBY PHOTOBOOK & GUIDE JAPAN 2019』から抜粋


関連記事

おすすめ情報

AERA dot.の他の記事もみる

あわせて読む

主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

スポーツ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

スポーツ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る 動画一覧を見る

記事検索