阪神が強い。首位攻防戦となった20日の巨人戦(東京ドーム)で11安打10得点と打線爆発で快勝。7年ぶりの8連勝を飾った。3番のマルテが初回に先制弾を放つなど来日3年目で初の1試合2発を放つと、4番の大山悠輔も2本のアーチ、サンズも1発が出るなど巨人を圧倒した。



 パ・リーグのスコアラーはこう分析する。

「東京ドームだから本塁打になった打球もあるけど、阪神打線は振れていますね。昨年までは投手のチームというイメージがあったが、今年はドラフト1位・佐藤輝明が豪快なフルスイングを貫いているのが打線全体にも良い影響を与えているように感じます。下位からでも一発が出る打線で怖さがある。先発陣も西勇輝、藤浪晋太郎、青柳晃洋、秋山拓巳、ガンケルと同じ右腕でも様々なタイプの投手がいるので攻略しにくい。巨人が日本シリーズでソフトバンクに2年連続4連敗を喫しましたが、パリーグの球団からすれば阪神の方がやりにくい感じがします。どちらが強いとかではなく、スタイルの違いですね。巨人は野球が緻密でセリーグらしい野球だけど、阪神は野球のスケールがでかく、ツボにはまったら爆発力がある。力でねじ伏せるパリーグの野球に近いですね」。

 05年以来16年ぶりのリーグ優勝に向けて最高のスタートダッシュを切った阪神は、開幕20戦で16勝以上が史上3度目。過去2度はいずれも優勝していることから、スポーツ紙誌面では「優勝確率100%」と景気の良い言葉が並ぶが、この勢いが最後まで続くわけではない。

 高い壁としてそびえたつのがリーグ3連覇を狙う巨人だ。11勝7敗4分けの2位で首位・阪神と4ゲーム差。丸佳浩、ウィーラー、中島宏之、若林晃弘が新型コロナウイルス感染で戦線離脱し、戦力が整っているわけではない。4番の岡本和真も打率.192、1本塁打と打撃不振にあえぐ中、貯金4は十分な数字だろう。

「戦力的には今が底の状態だと思います。これから丸、ウィーラーら主力が復帰して、新外国人のスモーク、テームズも入ってくる。打線がガラッと変わるでしょう。阪神には直接対決で12年から9年連続カード勝ち越しているのも心理的に優位に働いています。原ジャイアンツは夏場以降に強い。今の位置で十分だと思います」(スポーツ紙の巨人担当記者)

 阪神ファンも決して浮かれていないだろう。脳裏によぎるのは13年前の08年だ。この年は春先から首位を快走し、7月8日時点で巨人に13ゲーム差をつけた。

 しかし、北京五輪に出場した7月中旬に主軸の新井貴浩が腰痛で登録抹消となると、勝ち切れない試合が目立つようになる。

 一方、巨人は若手の坂本勇人、山口鉄也、越智大祐が台頭して猛追。9月に32年ぶりの12連勝を達成して大逆転でリーグ優勝を飾った。最大13ゲーム差をひっくり返した戦いぶりは「メークレジェンド」と名付けられ、巨人ファンは歓喜に沸いた。

 阪神は8月以降に巨人との直接対決で2勝8敗、ラスト7戦全敗が大きく響き、屈辱の逆転V逸。岡田彰布監督がこの年限りで辞任した。

 そのため、SNSやネット上では、阪神ファンから慎重な意見が多い。

「4月に優勝を語るのは早いでしょう。今は勢いで勝っているが、必ず苦しい時期が来る。その時に白星を拾えるかどうか。交流戦もそうだし、巨人との直接対決で勝ち続けることが大事。今の巨人との直接対決は3連戦で2勝1敗ではダメだよ。3連勝しないと後でツケが来る」

「まだまだ浮かれるのは早い。巨人は戦力が整っていない。巨人が元の戦力になった時に勝ち切る事が大切だ。まだもう一つの鬼門のナゴヤドームでの試合もまだだし、交流戦もまだ。この二つに勝ち越しこす事が大事だな。場所や相手がどこだろうとそんなのは関係なく勝てるチームになってほしい」

 16年ぶりの優勝を目指す阪神。その道のりはまだまだ長い。宿敵を倒し、日本シリーズまでたどりつけるか。(梅宮昌宗)