広島が下降線をたどっている。5日の巨人戦(マツダ)で0−4と零封負けを喫し、2年ぶりの6連敗。借金は今季ワーストの借金5に膨らんだ。



 エースの大瀬良大地が4月中旬に「右腓腹筋挫傷」で戦線離脱した穴は大きい。だが、他球団に比べて明らかに戦力が見劣りしているかと言えばそうではない。先発陣は野村祐輔が登録抹消されたが、2年目の森下暢仁や九里亜蓮など先発陣は及第点の成績を残し、救援は新人トリオが奮闘している。左腕・森浦大輔、右腕・大道温貴がセットアッパーに定着。開幕から守護神に抜擢されたドラフト1位右腕・栗林良吏は抜群の安定感でデビュー戦から14試合連続無失点とし、新人最長記録を更新した。

 打線も菊池涼介が今季は絶好調でリーグトップの打率.357をマーク。侍ジャパンの4番・鈴木誠也も打率.314、7本塁打と状態が良い。小園海斗、羽月隆太郎ら若手が台頭し、巧打者の西川龍馬、松山竜平、日本の野球に徐々に慣れつつある長距離砲のクロンと力のある選手はそろっている。

 だが、結果が伴わない。1点差ゲームで勝てない試合が多く、今の広島を象徴している。16〜18年にリーグ3連覇を飾った時は力強さと緻密さがミックスした野球で相手をねじ伏せていたが、今はその面影がない。

「佐々岡監督の采配に疑問の声が高まっています。就任1年目の昨年は黄金時代を支えた救援陣が全く稼働しなかったので同情的な見方が多かったですが、今年は違います。やることがチグハグでなかなか波に乗り切れない。負けている試合も接戦で采配次第ではと思わせる展開が少なくない。今の野球では限界を感じますし、ファンもフラストレーションがたまっています」(スポーツ紙デスク)

 5日の巨人戦も、もったいなかった。初回に先頭打者の菊池が中前打で出塁。相手先発のサンチェスは立ち上がりが不安定で、2番の羽月に対して外角高めに外れるボール球が続いた。しかし、羽月は3球目を犠打でファールにすると、4球目に再び犠打を試みて捕ゴロ。球が荒れていただけに簡単に犠打をさせず、じっくり攻めても良かった。続く3番・鈴木が遊ゴロ併殺打で無得点に。絶好の先制機を逃し、サンチェスを立ち直らせた。

 2点差を追いかける8回には先頭で代打・坂倉将吾を代打で送ったが、変則左腕・高梨雄平にスイッチしたのを確認すると、「代打の代打」で正随優弥を起用。遊飛に倒れた。打撃センスはチーム屈指の坂倉を勝負所で使いたいだけに、この起用法はもったいなく感じた。さらに、2点ビハインドの9回2死二、三塁では外野に前進守備を敷き、代打・亀井善行の左越え2点適時二塁打で勝負が決まった。

「あの前進守備はちょっと理解に苦しみましたね。内外野の間に落ちるポテンヒットを嫌がったのか、それとも4点目の二塁走者の生還を阻止したかったのか…。通常の守備体形だったら左飛で切り抜けられたでしょう。この巨人と広島の3連戦は巨人の2勝1分けでしたが、3戦とも広島が主導権を握ってもおかしくない紙一重の展開でした。原監督と佐々岡監督の采配の差が出たように感じました」(スポーツ紙遊軍記者)

 最下位・DeNAが3.5差に迫ってきた。まだ試合数は多く残っているが、これ以上ずるずる借金を重ねると追いかけるのが苦しくなる。地力はあるチームだ。「強いカープ」は戻ってくるか。(梅宮昌宗)