レイズ・筒香嘉智が苦境に立たされている。5月6日(日本時間7日)現在で、24試合に出場し、打率.162、0本塁打、5打点。地元紙は4月中旬に筒香のマイナー降格の可能性を報じるなど、風当たりは強くなっている。



 19年オフにDeNAからポスティングシステムを行使し、推定2年総額1200万ドル(約13億1000万円)でレイズに入団。主軸として期待されたが、メジャー移籍1年目の昨季は打率.197、8本塁打、24打点。力を証明しなければいけない今季も打撃不振が続いている。費用対効果に合わないパフォーマンスで与えられる打席数も減っている。

 野球評論家の張本勲氏は、TBS系情報番組「サンデーモーニング」で筒香について度々言及している。4月18日の放送では、「今の形じゃ打てないわな。まず開いておいて、右足も開きながらバックスイングがもともと小さいのよ。バックスイングがほとんどない」と指摘。「へっぴり腰で打っているから。もう早く日本に帰ってきた方がいいんだよ、筒香は。アメリカの野球に合わないかもわからんよ。今の形じゃちょっと打つのは難しい」と心配した。今月2日の同番組の生放送では共演した元横浜DeNA監督の中畑清氏に、「一番心配している筒香に電話して早く日本に帰ってこいと言ってくれよ」と日本復帰を促している。

 このまま復調の兆しが見られなければ、マイナー降格が現実味を帯びる。メジャー他球団が興味を示す可能性は低いだろう。では、日本球界復帰を視野に入れた場合はどうなるだろうか。スポーツ紙の遊軍記者は「メジャーに送り出してくれた古巣のDeNAに復帰する可能性が一番高いと思いますが、チームの編成を考えると複雑です。筒香が抜けた後に、『4番・左翼』で主将を務めている佐野恵太が昨年に首位打者を獲得するなど球界を代表する強打者に成長した。右翼にオースティン、一塁にソト、三塁に宮崎敏郎がいるので筒香は守備位置がネックとなる。DeNAを支えてきた功労者なので獲得には動くでしょうが、コロナ禍で経営状況は苦しい。年俸の大幅ダウンは避けられないでしょう」と分析する。

 ただ、侍ジャパンで4番を務めるなどNPB通算205本塁打をマークした長距離砲は稀有な存在であることは変わらない。スポーツ紙デスクは「巨人は獲得に乗り出す可能性があると思います。丸佳浩、梶谷隆幸をFAで獲得したように計算できる選手を獲得している。現在の巨人で和製大砲は岡本和真だけなので本塁打を打てる存在は貴重です。また、ソフトバンクも獲得を検討する可能性がある。キャプテンシーのある選手で野球に取り組むストイックな姿勢は若手のお手本になります。パリーグなので指名打者で起用する選択肢もある。王貞治球団会長も見守る環境でまだまだできると判断するかどうかですね」と語る。

 ただ、筒香は横浜高校の時からメジャーの舞台で活躍することを夢見ていただけに、このまま不本意な形で終わりたくないだろう。課題となるのは速い直球への対応だ。変化球はうまくさばくが、150キロを超える直球に差されて凡打する打席が目立つ。残された時間はそう多くない。日本人野手がメジャーで活躍したケースは少ないが、筒香にも意地がある。日本で相手投手を震撼させた豪快な打撃を米国でも見たい。(梅宮昌宗)