テニスの東京五輪出場選手が決まる14日付の世界ランキングが発表され、日本勢は女子シングルス2位の大坂なおみが初の五輪切符を手にした。ただ、大坂は、全仏オープンで精神的負担を理由に試合後の記者会見を拒否。2回戦を棄権し、自身のツイッターで鬱病であること発表している。五輪に出場するかは不透明な状況だ。



 大坂は5月30日に開催された全仏オープン1回戦勝利後、記者会見を拒否。1万5000ドル(約165万円)の罰金を科せられ、すべての四大大会主催者から連名で「(今後も記者会見に応じない場合は)全仏の失格、他の四大大会出場停止などにもつながりかねない」と警告されていた。この事態に、自身のツイッターで「大会、ほかの選手、私の健康のためにも棄権が最良の選択だと思う。大会を邪魔する要因になりたくはない」と2回戦を棄権することを発表。さらに、「オフィシャルな場所で話すのが元々得意なタイプではなく、世界中のメディアを前に話すことに大きな不安を抱えるようになっていた」と18年の全米オープンで四大大会初優勝してから、鬱病の症状に悩まされていたことを告白して世界中から大きな反響を呼んだ。

 スポーツ紙のテニス担当の記者は大坂の五輪出場に疑問を呈する。

「大坂に必要なのは休養だと思います。色々なことを誤解されて彼女は傷ついているでしょう。取材したメディアの中で彼女を悪く言う人は皆無に近い。間違って認識している人が多いのですが、メディアとの仲が険悪だから記者会見を拒否したわけではないんです。他のプレーヤーも心の状態を心配している。もし、東京五輪に出て金メダルを獲得しても、負けてもメディアは記者会見を求めるでしょう。彼女がその状況に耐えられるかが心配です。個人的には鬱病の治療に専念してほしいです」

 
 SNS、ネット上では、「うつ症状で会見も拒否する状態なのに間近に迫った東京五輪には出場するのですか?テニス界においては五輪の権威はそれほど高くないのでしょうが、大坂なおみが五輪に出たら日本のメディアの注目はとても高いものになるでしょうし、結果次第ではバッシングもあるでしょう。とてもうつ症状の人が耐えられるプレッシャーではないと思います。五輪出場は辞退しておとなしく療養された方が良いでしょう」、「鬱症状を訴えている人をわざわざ五輪のような大勢の注目を集めるような舞台に出すようなことは控えるべきだろう。選ぶ側はそのくらいの思いやりがあっても良いはず。本人は無理して出たいというかもしれないが、ここは大阪選手のために代表に選ぶべきではない。大坂選手は余計なことを考えずにしばらくはゆっくり休んでください」などのコメントが。

 うつ病で休職していた経験がある40代の会社員男性は、大坂に関する「ある批判の声」が気になるという。

「大坂さんがうつ病かを疑う人が多いのですが、うつの病状は人それぞれなんです。起き上がって部屋から出られない人もいれば、日常生活をどうにか送っているけど鬱病の症状に悩まされている人もいる。僕もそうでした。会社を休んだら病状が治まって外に出られるようになったのですが、仮病と疑われました。鬱病に対する間違った認識で傷つく人が多いので、ネット上の誹謗中傷は控えるべきだと思います」

 大坂は東京五輪に出場するか、否か。本人は望んでいないかもしれないが、その決断が注目される。(牧忠則)