東京五輪卓球競技の女子団体戦準々決勝が8月2日、行われ日本チーム(伊藤美誠、石川佳純、平野美宇)は第5シードの台湾代表と対戦し、3−0と連夜のストレート勝ちで準決勝進出を果たした。



 ダブルスとして日本の先陣を切った石川と平野ペアは台湾の鄭・陳ペアと対戦。6−6から4ポイント連取し11−8で先手を取ると、第2ゲーム、第3ゲームも終始リードを保ち、相手を寄せ付けず、ゲームカウント3−0で快勝を収めた。

 続くエース対決の第2試合は、伊藤が序盤から鄭怡静を圧倒。2−2からの9連続ポイントで第1ゲームを取ると、第2ゲームは逆転勝利し、第3ゲームも終始主導権を握り撃破した。

 平野が陳と激突した第3試合は、第1ゲーム、第2ゲームは拮抗した試合展開になったが、第3ゲームは開始から7連続ポイントを奪い11−4、第4ゲームも11−4と圧倒し、ゲームカウント3−1で準決勝へと導いた。

 ベスト4入りを決めた日本女子チームは3日に行なわれる準決勝では、決勝進出をかけて香港代表と激突する。

 中国の壁は高い。だが、勝てる可能性はある。カギを握るのは平野だ。中国メディアに「ハリケーン・ヒラノ」と命名されたのが17年4月のアジア選手権だった。同大会の準々決勝で当時世界ランク1位の丁寧に2ゲームを先行されながら逆転でフルゲームの末に破り、準決勝では2位の朱雨玲を下して決勝に進出、決勝戦でも「世界最強」の呼び声高い陳夢に、3−0のストレートで勝利を飾り、日本選手で21年ぶりの優勝を飾った。

 「中国人選手を次々と倒していく卓球は衝撃でした。平野の強打とスピードで圧倒する攻撃的なスタイルに、相手が手を焼いていた。近年は中国が徹底的に研究し、右肩の故障もあり国際大会で目立った成績を残していませんが、石川、伊藤と比較しても最も爆発力があるのが平野です。勢いに乗ったら手を付けられない。中国も警戒していると思います」(スポーツ紙記者)

 その中で飛び込んできたニュースが、中国女子団体のメンバー入れ替えの一報だった。劉詩●(ブン)から王曼昱に交代させることが発表された。卓球混合ダブルスで世界ランク2位の水谷隼、伊藤美誠ペアがフルゲームの死闘の末に破った相手が、中国ペアの許昕、劉だった。劉は試合後の記者会見の場で涙を流し、「皆さんに申し訳ない」と何度も謝罪。ショックを隠し切れない表情を浮かべていた。

 かつて世界ランキング1位に輝き、16年リオデジャネイロ五輪の女子団体で金メダルを獲得。世界選手権、ワールドカップでシングルス、団体含めて17個の金メダルを獲得した実力者だ。東京五輪の混合ダブルスでも金メダルの大本命だっただけに、中国メディアで「屈辱の1日」と報じられた。

 今回の入れ替えは右ひじの故障で出場を断念した可能性が高い。日本のSNS、ネット上では激励のメッセージが相次いだ。

「劉選手を初めて観たのは2009年に横浜アリーナで開催された世界卓球選手権。当時はまだ18歳の、あどけなさが残る可愛い美少女だったが、その後、長年にわたって世界女子卓球界の金メダルコレクターとして君臨してきた。中国のみならず、日本にも彼女のファンは多い。それだけに、もう観られないのは残念だが、故障とあっては仕方がない。是非、また日本のファンにも元気な姿を見せて欲しい」

「クールだけど芯の強さが見える佇まいが好きです。東京五輪では思うような成績を残せなかっただろうけど、これからも頑張ってほしい」

 卓球を取材しているテレビ関係者は「劉は福原愛さんと仲が良いことで知られていました。彼女の欠場は残念ですが、中国は選手層が厚い。勝つのは至難の業ですが、日本も史上最強の布陣です。番狂わせを起こしてほしいですね」と期待を込める。

 混合ダブルスに続き、歴史的快挙は生まれるか。(牧忠則)