61勝62敗20分――巨人はリーグ3連覇どころか、シーズン終盤の大失速でシーズン負け越してペナントレースの全日程を終えた。原政権下では2006年以来15年ぶり2度目の負け越しで、球団としては18年以来の負け越しでのCS進出だった。

「短期決戦なので何が起こるか分かりませんが、現状を見るとCSを勝ち抜くのは厳しい。リーグ最終戦となった24日のヤクルト戦で先発の戸郷翔征が4回6失点KOを喫し、自身初の2ケタ勝利に届きませんでした。シーズン後半に勝てなくなった高橋優貴もそうですが、両投手は疲労が明らかで燃料切れのような感じでした。打線も丸佳浩が遅まきながら状態を上げてきましたが、打線を引っ張ってきた坂本勇人、岡本和真から快音が聞かれなくなった。あとは中田翔ですね。原辰徳監督の期待は大きかったが、プラスアルファをもたらすことができなかった」(スポーツ紙記者)

 中田の巨人移籍は近年で最も衝撃的な電撃トレードだったのではないか。日本ハムで不動の4番として活躍してきたが、今季は打撃不振でファーム降格を経験。さらに、チームメートへの暴力事件が発覚し、8月11日に1、2軍戦の試合無期限出場停止処分が下された。しかし、20日に巨人に移籍すると2軍での調整を経ず1軍で即起用された。この一連の経緯に、野球ファンから反発の声が殺到した。

 厳しい視線が向けられる中、中田は起爆剤になれなかった。13試合出場で打率.156、1本塁打、2打点と結果を残せず、9月11日にファーム降格。最短の10日間で21日に1軍再昇格したが、9試合出場で打率.083、1本塁打、1打点と期待に応えられず、今月1日に登録抹消された。それでも、原監督の期待は変わらない。12日に昇格すると7試合でスタメン出場。最終戦も「5番・一塁」で起用されたが、2打数無安打で途中交代した。34試合出場で打率.154、3本塁打、7打点。得点圏打率.056では「獲得が失敗だった」と指摘されても仕方がないだろう。

 報道によると、巨人・山口寿一オーナーが今月23日、原監督に続投要請を行い、内諾を得たことを明かした。原監督は今季が3年契約最終戦で去就が注目されたが、来季も指揮を振るうことが決定的となり、足掛け16年目の長期政権となる。

 勝利に徹する指揮官はドライだ。リーグ優勝奪回に向け、今オフは現有戦力の底上げや戦力補強に向けてフロントと密に話し合いを進めていく事になるだろう。その中で注目されるのは中田の処遇だ。スポーツ紙デスクはこう分析する。

「今季は一塁のレギュラーをなかなか固定できなかった。新外国人のスモークが6月中旬に退団し、ウィーラーも調子を落とした。ベテラン・中島宏之は勝負強い打撃が健在ですが、常時出場するのは厳しい。このような状況だったので中田にチャンスが巡ってきましたが、今オフは一塁を守れる強打の助っ人を補強するでしょう。中田はレギュラーどころか、1軍も保証されていない立場になる。まだ32歳と老け込むような年ではない。体のコンディションを万全にしてはい上がってほしいですね。 

 過去に打点王を3度獲得し、侍ジャパンでも4番を務めた実績があるが、選手層の厚い巨人は結果を出さなければ見切りをつけられるのも早い。来季は中田にとって選手生命をかけた大事な1年になりそうだ。(桜庭嘉男)