基本からおさらい!「ライティング」機材の選び方

基本からおさらい!「ライティング」機材の選び方

 被写体に当たっている光を意識できるかどうかで写真の仕上がりは大きく変わる。まず人は対象物に光が当たり、その対象物が反射した光を見ているということを理解しておきたい(電球など自発光しているものは除く)。



 光はモノや空間を照らし、色や凹凸などの形を見せる。もととなる光、すなわち光源は太陽が基本で写真撮影もそれは変わらない。太陽光(自然光)のない夜間や光の届かない屋内などでは人工の照明器具がそれに代わり被写体を照らす役目を担う。その時にどのような種類と質の光をどのように使い被写体を見せるのか、考えてシーンを作り上げていくのがライティングだ。

■光の向きを知って、反射をコントロールする

 最も手軽で簡単に取り組める光のコントロールがレフ板を使うことだ。モデル撮影や撮影現場レポなどの記事で見た記憶のある人も多いだろう。白や銀色の板状のもので太陽光や照明光を反射させ、被写体に補助光として当てるのが一般的な使い方だ。

 形や大きさ、素材もさまざまだが、現在は大きく広がり小さく畳める布製のレフ板が人物撮影をはじめ、さまざまな撮影で主流となっている。テーブルフォト用などでは発泡素材の板を用いて使いやすいように自作する人も多い。

 レフ板の基本は逆光や半逆光ぎみの光線を反射させ、暗くなりがちな被写体正面に当てること。「レフを入れる」「光をおこす」といった言葉が使われる。反射させる光源の種類や強さなど、得たい効果に応じて反射面の素材や色などを使い分ける。被写体を明るくする以外にも人物写真の場合は瞳にキャッチライトを入れる目的でも使用する。

 いずれにせよ、光源との位置関係やレフ板の角度、被写体との距離などで効果も大きく変わる。当然、太陽などの光源と、被写体の位置関係によっては、効果が見込めないこともある。正しく使わなければカッコだけで終わることもある。また、後述する全ての照明とも組み合わせて使うことができるので、扱いを覚えておくに越したことはない。

■考えずに写る、TTL調光の便利さ

 クリップオンストロボについては、今さら説明の必要はないと思われるくらい一般的なカメラアクセサリーといえるだろう。

 純正であれば、基本的にTTLオート調光対応だから、カメラ任せで扱える。露出補正操作とほぼ同じ感覚で調光補正機能のプラスマイナス設定だけでストロボ光の効果の強弱を簡単に設定できる。太陽光とミックスして使う日中シンクロ撮影も容易だ。一般にストロボが使えるシャッター速度の上限は決まっているが、絞りを開けた高速シャッターでも同調するFP発光(ハイスピードシンクロ機能)を備えた機種も多く、ポートレート撮影などで活躍する。

 カメラの内蔵ストロボだけでもいいが、光のコントロールのしやすさではクリップオンのほうが上だ。

 また、現在ではカメラのホットシューに装着する標準的な使い方よりもカメラと離して被写体を照らすオフカメラライティングが人気。ストロボの設置場所や角度で、より自然な光にもドラマチックな光にも演出がしやすいことや、複数台のストロボを利用する多灯ライティングが行えるからだ。

 カメラメーカーの純正ストロボ以外にもサードパーティー製ストロボを含めれば選択肢は広い。各メーカーのTTLに対応したものも多い。ストロボヘッドに装着し光の質を変更するリフレクター類など、表現意図や好みに応じてアイテムを選ぶことで、ミニマムなセットでもスタジオ撮影のような多彩なライティングが可能になる。複数台のシステムでも比較的に小さくまとまることや、電池による電源供給のため携行しやすく場所を選ばずどこでも使えるため、ロケで使用しやすいのも強みだ。

■光を作る自由度が大きい、大型ストロボの魅力

 一方で、いつかは大型ストロボを使ってみたいという憧れもあるだろう。主にスタジオなど屋内で使用する発光量の大きなストロボの総称だ。基本的には電源部(ジェネレーター)と発光部(ヘッド)が別々になっており、発光量を自分で調整するマニュアル露出・調光での撮影が一般的だ。

 使用電力量が大きいためACによる電源供給で使用する。大光量での発光が可能なため、大きな傘にバウンスさせたり、面積の広いディフューザーで拡散した柔らかな光質を得たりする光量ロスが避けられないライティングでも余裕の威力を発揮する。つまり光を作る自由度が高い。コマーシャルやファッションポートレート撮影などの分野では欠かせない照明である。

 発光部と電源部が一体型のモノブロックタイプや屋外使用可能な大型バッテリー仕様のタイプも存在する。また一部の大型ストロボ機種にはカメラのTTLオート調光に対応する機種も出てきており、日中シンクロ撮影がオートで行える大型ストロボもある。全般に高価なシステムではあるが機能的には身近な存在になりつつある。

 クリップオンも大型ストロボも、一瞬の閃光で被写体を照らすという意味では同じ種類の光であり、モデリングランプなどを使い簡易的にシミュレーションをしながらライティングを作り込んでいく作業が必要となる。

 この閃光での撮影に対し、古くから写真撮影用電球を用いた照明器具で、実際のライティングを確認しながら撮影する方法もとられてきた。しかし電気消費が大きく高熱を発生し、色温度の補正が必要になるなど使いにくい面も多かった。しかし、これら定常光の撮影用照明器具も進化し、現在ではLEDを利用した製品も増えてきた。省電力で高熱になりにくいのと高演色タイプであれば色の補正なしに、太陽光とミックスして使ったり、レフ板のように補助的な光としても利用したりできる。何より見たままのとおりに写せるのが最大の利点だ。(解説/宇佐見 健)

※アサヒカメラ2019年6月号より抜粋


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