六ケ所村出戸地区にノハナショウブの群落がある。色鮮やかな紫色の花は今が満開で、里山の風景に彩りを添える。

 地域住民に「ぼんてん山」と呼ばれて親しまれる里山があり、麓に広がる牧草地の南側に群落がある。26日、村内の主婦らでつくる「村エネルギーを考える未来塾」の6人や植物に詳しい環境科学技術研究所(同村)の研究員、山上睦さん(63)らと現地を訪れた。

 「ここまで密集して咲くのは特異的」と山上さん。「ワラビと混植していて他の植物が入りにくくなっているからだろう」。周辺に生える野バラを切ると、ノハナショウブがさらに増える可能性があるという。

 未来塾塾長の伊藤夏子さん(76)は「かつては村の至る所でニッコウキスゲやノハナショウブが見られたが、今は見受けられなくなった。群落を見られてびっくりしたし、うれしい」と語り、笑顔で花をめでていた。

 見頃は7月上旬まで続く。【全文】