(具志堅浩二・ジャーナリスト)

 サンマが取れない。サンマ漁業者団体の全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)がまとめた今年8〜10月末までのサンマ漁獲量は2万299トン。前年同期(9万6788トン)のわずか2割だ。

 不漁を受け、各地のサンマ祭りの中には中止となるケースも現れた。「サンマ不漁は漁業者にとって死活問題。このままでは地元がさびれかねない」と訴えるのは、北海道東部、厚岸(あっけし)町にある厚岸漁業協同組合のさんま祭り担当者。同協組は9月14、15日に札幌市内のショッピングセンターなどで開催を予定していた「厚岸さんま祭り」を中止した。このイベントは、札幌付近の住民に厚岸のサンマをPRするのが狙い。「開催を28、29日に延期したが水揚げが少なく、中止せざるを得なかった」と担当者は残念がる。

 神奈川県の川崎市地方卸売市場南部市場も、9月14日に予定していた「さんま祭り」の開催を見送った。担当者は「不漁なのに、サンマを無料配布するイベントを開くのは印象が良くないと懸念する声もあった」と経緯を説明した。

 祭り自体は実施したが、企画を縮小・変更する例も。北海道東部の根室市で9月21、22日に行われた「根室さんま祭り」では、予定していたサンマのつかみ取り大会を中止。特価で提供する生サンマの箱売りも当日販売をやめ、予約販売に切り替えた。東京都目黒区の「目黒のさんま祭り」など、生サンマの代わりに冷凍サンマを使うところもあった。

 サンマの漁期は、遅くとも年末には終了する。水産庁の担当者は11月8日の段階で「今年は過去最低の漁獲量になる可能性がある」として、最も少ない1969年の6万3000トンを下回る可能性を口にした。