(岡村崇・毎日新聞台北支局)

 台湾・台北の老舗ホテル「円山大飯店」が3月25日、未公開だった蒋介石元総統の避難通路を一般公開した。公開されたのは、東西各1本の地下トンネルのうち、東側部分。同ホテルは近年、文化資産の再活用に取り組んでいる。2019年9月に西側のトンネルを公開したところ、3カ月で5万人が訪れる盛況となったという。

 1952年に蒋介石の夫人、宋美齡が同ホテルを建てた。ホテルでは、政府要人や著名人など多くの来賓をもてなしてきた。

 公開された東側のトンネルは鉄筋コンクリート造りで全長67メートル。宮殿風の本館が建てられた際、蒋介石の緊急避難通路として計画された。敵の追撃や銃弾を避けるため、曲がりくねった設計となっているほか、壁の音が響きにくく、自らの位置を特定させないようにする工夫も凝らされている。出口は、日本統治時代に建立された台湾神社(後の台湾神宮)の跡地に通じている。

 ホテルのサービス能力が限られているため、当面は、ホテルの利用客を対象に公開する方針だ。今後、さらに公開対象を拡大し、ホテル利用客以外も楽しむことができるようになるという。新型コロナウイルスの影響を受ける中、来客増に期待が高まる。