(笹沼帆奈望・NNAマレーシア版記者)

 マレーシアでは4月13日、イスラム教徒(ムスリム)の断食月(ラマダン)に入った。日中は飲食せず、日没後に家族や友人と大人数で食事を楽しむのが慣習だ。例年、各店が競い合うように多彩な「ラマダンビュッフェ」を展開するが、今年はコロナ禍で滑り出しが鈍いようだ。

 南部ジョホール州のあるホテルは、5月12日までのラマダン期間中、いつでも利用できるビュッフェクーポンを前売りし、400枚を売り上げた。ただ、例年に比べて直前まで予約の動きが鈍かったという。

 業界関係者は、政府が新型コロナウイルスの新規感染者数の推移に応じ、2週間ごとに店舗の営業規制を見直すことから、消費者が予約に慎重になっているとみる。飲食店側も、感染者の多い地域では客数を定員の5割までに抑えなければならないため、大々的に宣伝を行えないジレンマもある。

 昨年はコロナの流行で、政府がラマダンビュッフェの営業を禁止したため、ラマダン期間中の損失額はホテル業界の飲食部門だけで1億3500万リンギット(約35億4000万円)に上った。今年は2年ぶりに営業が認められたとあって飲食業界は期待を寄せていたが、歯がゆい状況が続いている。