韓国 EV電池生産に陰り=嚴在漢
 電気自動車(EV)向けバッテリーをめぐる世界市場の争奪戦が激しさを増している。近年、市場をけん引してきた韓国だが、2021年になって中国や欧州に市場シェアを奪われている。

 中国は、日韓メーカーから得た製造技術で、完成度の高い電池セル開発を実現したうえ、自国内の豊富な原材料を武器に、韓国より競争優位を確保した。

 実際、米テスラや独フォルクスワーゲンは、中国のバッテリー技術を今後のコア戦略として取り入れている。両社は、車種によってリチウムイオン3元系(ニッケル・コバルト・マンガン)系列と、主に中国メーカーが生産するリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池を採用する。韓国が世界市場をけん引できたのは、世界に先駆けて大規模な生産ラインを建設したためだ。しかし今は、競合国に比べて優位な戦略的武器はない。

 韓国は液晶パネルの二の舞いになるまいと躍起だ。4月21日の米韓首脳会談で文在寅(ムンジェイン)大統領は、LGエネルギーソリューションとSKイノベーションが140億ドル(約1兆5000億円)を投じ、米国にバッテリー工場を建設・増設すると発表。バッテリー市場における米韓と中国の行方に関心が集まっている。

(嚴在漢・産業タイムズ社ソウル支局長)