ブラジル 障がい者の職場進出に課題=美代賢志
 ブラジル地理統計院(IBGE)は2019年全国健康調査(PNS)の結果を発表した。東京パラリンピックではブラジル出身選手も活躍してうれしい話題を届けたが、PNSの結果で浮き彫りになったのは、障がい者の職場進出の難しさだ。

 IBGEによると、19年時点で2歳以上になる国民のうち、視覚、聴覚、運動、精神、知的な能力に障がいを持つ人(加齢による障がいも含む)は対象年齢全体の8・4%に相当する1725万8000人。19年時点での生産年齢人口(15歳以上)に占める就業者の比率は、健常者の60・4%に対し、障がい者は25・4%だった。

 障がい者の比率は、低所得の労働者ほど高い傾向にある。18歳以上の成人障がい者の中で、小中学校を退学したか入学すらしていない人の割合は67・6%にも上る。一方で中等教育・高等教育を修了した人の比率はわずか16・6%。教育によって知識や技術を身に付けられないがために、より良い労働の機会が奪われているのだ。

 大都市では自転車専用レーンが設けられるなど、健康に対する意識は年々、向上しているブラジルだが、障がい者が暮らしやすい環境整備への意識はいまだに低い。

(美代賢志・サンパウロ在住ジャーナリスト)