ローリー・マキロイとの優勝争いを制して、全米オープン2度目の優勝を飾ったブライソン・デシャンボー。プロデビュー時からその独特なクラブセッティングが話題になってきたデシャンボーですが、現在はどんなクラブを使用しているのでしょうか。

ドライバーはドラコン選手御用達メーカー

 ローリー・マキロイとの優勝争いを制して、全米オープン2度目の優勝を飾ったブライソン・デシャンボー。プロデビュー当時からマッド・サイエンティスト(狂気の科学者)と呼ばれるほど独特のクラブセッティングが話題でしたが、今年の全米オープンではさらに個性的になっていました。

クラブ選びでも唯一無二のスタイルを貫き続けるブライソン・デシャンボー 写真:Getty Images
クラブ選びでも唯一無二のスタイルを貫き続けるブライソン・デシャンボー 写真:Getty Images

 2016年のプロ転向当初からコブラと契約していたデシャンボーですが、23年からクラブ契約がフリーになりました。

 コブラのクラブを使っていた頃から、アイアンセットの長さをすべて同じにするワンレングスアイアンが話題になっていました。

 契約フリーになったデシャンボーのセッティングはさらにユニークに。14本中10本が大手メーカーではなく地クラブメーカーのクラブを使っています。

 まずはドライバー。昨年の前半はテーラーメイドの「ステルス2」を使っていましたが、終盤から「クランク ゴルフ」のドライバーを使いはじめました。「クランク ゴルフ」は15年頃から米国のドラコン選手が使い始めたメーカーで、日本でも有名ドラコン選手が使っています。特徴としては100%鍛造のハンドメイドで、高価なベータチタンを使用していることです。

 飛距離に特化したドライバーですが、デシャンボーはこのドライバーのロフトを5度にして使っています。

 フェアウェイウッドの組み合わせも独特で、3番ウッドを2本入れています。どちらも「クランク ゴルフ」のモデルでロフト表記は13度なのですが、1本はロフトを12度にしています。

 そして、アイアンは「Avoda Golf」のセットを使っています。「Avoda Golf」はゴルフコーチをしていたトム・ベイリーが約2年前に立ち上げた小さなメーカーです。「クランク ゴルフ」は米国のドラコン界やギアマニアは知っている地クラブですが、「Avoda Golf」は米国でもほとんど知っている人がいないでしょう。

 トム・ベイリーは10代からブライソン・デシャンボーを指導してきたマイク・シャイの教え子でもあり、デシャンボーとも面識がありました。デシャンボーも開発に携わるようになったことでクラブ開発の話が大きくなり、3Dプリンターを使ったアイアンを開発することに成功。それがデシャンボーが今使っているアイアンです。長さはもちろんワンレングス。6番アイアンに合わせています。

 ウェッジだけが唯一、大手メーカーのピン。PGAツアーや日本ツアーでもおなじみの「グライド4.0」を使っていました。

 パターも地クラブですが、長年同じメーカーを使い続けています。「SIKシリーズ」を使い始めたのは16年シーズンの終盤。20年に初めて「全米オープン」で優勝したときも「SIK」のアームロック型のパターを使っていました。今年の「全米オープン」で使っていたのも、プロトタイプですが「SIKシリーズ」のアームロックタイプです。

 ボールは長年ブリヂストンのボールを使い続けていましたが、23年シーズンからタイトリストの「プロV1x レフトダッシュ」を使い始めました。PGAツアーでのタイトリストボールの使用率は約65%を誇っていますが、「プロV1x レフトダッシュ」を使っている選手は少数派です。

 22年以降は深刻なスランプに悩んでいたデシャンボーですが、クラブやボールへのこだわりは譲ることなく、24年は完全復活。今季は「マスターズ」で6位、「全米プロ」で2位、全米オープンで優勝と、メジャーで好成績を残しています。完全復活したデシャンボーは試合での活躍だけでなくギア選びにも注目したい選手です。

2024 ブライソン・デシャンボーの最新セッティング

1W:クランク フォーミュラ ファイアー (ロフト角/6度→5度)3W:クランク フォーミュラ ファイアー(ロフト角/13度→12度)3W:クランク フォーミュラ ファイアー(ロフト角/13度)5I-PW:AvodaプロトタイプGW、AW、SW、LW:ピン グライド4.0(ロフト角/46、50、56、60度)パター:SIK プロ Cシリーズ アームロックボール:タイトリスト プロV1x レフトダッシュ

野中真一