眼球は“人体で唯一むき出しの臓器”! ゴルファーがサングラスを買うなら眼科医は“何色”を勧める?

ゴルフのニュース6/16(月)9:10

紫外線の強さは5月から7月にピークを迎えます。眼科医は紫外線と眩しさ対策として、1年を通してサングラスの着用を推奨します。さまざまな色のものが販売されていますが、ゴルファーが買うなら何色がオススメなのでしょうか。

「表情が分からなくなるような真っ黒のレンズはNG」

 紫外線の強さは5月から7月にピークを迎えます。梅雨モードでも快晴なら紫外線量は真夏に匹敵し、薄曇りの日は快晴時の80〜90%、曇りの日で60%、雨の日も30%の紫外線が降り注いでいるといわれています。

もうサングラスはファッションアイテムというより健康器具と考えたほうがいいのかも 写真:AC
もうサングラスはファッションアイテムというより健康器具と考えたほうがいいのかも 写真:AC

 紫外線と眩しさ対策として、1年を通してサングラスの着用を推奨するのは、千葉県の館山病院で眼科部長を務める小嶋良宏さんです。

「イタリア、フランス、スペイン、アメリカなど欧米では、季節を問わず、観光地でも街なかでも、大人も子どもサングラスをかけています。紫外線について正しい知識をもって予防することが常識となっているからでしょう」

「一方、日本では、サングラスをファッションアイテムとしてとらえる傾向がいまだに強く、医学的見地からの必要性や効果が理解されていないと感じます。先進国でサングラスをかけていない民族は、日本人だけといっても過言ではありません」

「しかし、特にゴルフでは、5時間も6時間も紫外線を浴び続けます。人の体で唯一むき出しの臓器といわれるのが目ですから、ゴルファーの皆さんには、紫外線から目を守るためにサングラスが欠かせないのです。手持ちのサングラスを使ったり、近眼の人は普段かけている眼鏡に色つきのレンズや調光レンズを装着したりすることでサングラスにするのでも良いでしょう」

 いずれにしても、ラウンド時のサングラスは必須だと小嶋先生は力説します。

 ゴルファーとしては、紫外線や眩しさから目を守り、なおかつゴルフのパフォーマンスを上げてくれるサングラスをかけたいものです。こうした要求に最大限応えてくれるものはあるのでしょうか。

「紫外線は、目とサングラスとのすき間からも入ってきます。それを防ぐためには、ツルの太い、顔のカーブに沿った形状のサングラスを選ぶことが大事です。ファッションブランドではなく、いわゆるスポーツサングラスであれば、大抵はその点を満たしていると思います。軽くて丈夫、運動中に外れにくいのもスポーツサングラスの特徴です」

「形状と同じか、それ以上に重要なのが、レンズの濃さです。例えば、表情が分からなくなるような真っ黒のレンズはNG。色の濃いレンズをつけると暗くて目の瞳孔が開いてしまい、かえって多くの紫外線が目の中に入りこむことになるからです。最近は透明でも紫外線カット率の高いレンズが中心になってきています。はじめて購入する人や買い替える人は、できるだけ色が薄く、少なくとも鏡に写したとき自分の目が見える色のレンズを選ぶようにしましょう」

 ツルが太く、顔のカーブに沿った形状、薄い色のレンズを選ぶことがポイントだそうです。

「黄色は眩しさを抑えつつコースが明るく見える」

 では実際、ゴルフには何色のレンズが最適なのでしょうか。

「眼科医としてもゴルファーとしても、ラウンド時にかけるサングラスの色は黄色かオレンジをお勧めします。目を開けていられないような昼間は眩しさを抑えつつ、肉眼で見るよりもコースが明るく見えて芝目がよく分かるからです」

「特に黄色いサングラスをかけると本当に明るくて、芝の1本1本から流れ(芝目)まで分かる。かけるのとかけないのとでは段違いといっていいほどです。ラインが本当によく見えます。ただし、だからといって読み通りに打てるかというと、技術はまた別の話ですよ。黄色のサングラスをかけたらパットが入る、スコアがよくなる、ということは残念ながら起こりません」

「また、シニアになると知らず知らずのうちに白内障を発症して、曇りの日や夕方の薄暗い時には視界にフィルターがかかったように見えます。週末の混雑しているコースなどでは、上がり1、2ホールが夕方になることもありますが、薄暗くなってきたときでも黄色のサングラスをかけていると明るく見えますよ。裸眼より黄色のレンズを通した方が明るく見えますから、私はゴルフ、ジョギングや車の運転でも、ふだんの外出でも、スミス&ウェッソン社製の黄色いレンズのサングラスを使っています」

 スミス&ウェッソンといえば米国の銃器メーカー。そのサングラスをかければゴルフのピンも正確に照準を定め、ロックオンができそうですね。

お話を聞いた小嶋良宏医師 写真:本人提供
お話を聞いた小嶋良宏医師 写真:本人提供

 ところで最近、眩しさを抑えるのに有効といわれている偏光レンズは、ゴルフにも適しているのでしょうか。

「偏光レンズは乱反射を抑えるので、景色やものが快適に見えやすくなり、アウトドアスポーツをする時はかなり便利です。ただ、アウトドアスポーツでも昼間、特に眩しい環境で行う自転車や釣りやスキーをする時にかけることを想定しているため、濃い色のレンズを組み合わせる場合が多いようです。それだと雨のラウンドや夜の運転での使用は無理ですからゴルファーには不向きな場面もあるかもしれません。ただし、行き帰りの運転時、特に朝日に向かって走行するときや日中長いトンネルを抜けたときの眩しさを緩和するのに大きな威力を発揮します」

 サングラスは紫外線から目を守り、眩しさを抑えて見やすくすることによって快適に行動するためだけでなく、目の病気や老化を防いだり遅らせたりする効果があります。ファッションである前に、目の健康にとって大事なものです。

 ゴルフプレーへの影響について、小嶋先生は、「ラインの読みと同じように、サングラスをしたからといってピンまでの距離を正確に把握できたり、好スコアに結びついたりするわけではありません」と付け加えますが、コースがよく見えるようになれば注意力や集中力も高まり、パフォーマンスアップも“見えて”くるでしょう。

【解説】小嶋良宏(眼科医)

1993年、北里大学医学部大学院を修了。北里大学病院、市中病院勤務を経て、千葉県・館山病院眼科部長。ゴルフ歴は約20年。

野上雅子

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