“タイパ重視”の時代に18ホールのゴルフは時代遅れ… 9ホールコースやハーフプレー普及が“2025年問題”の処方箋に!?

ゴルフのニュース6/17(火)7:10

一般的なゴルフ場は18ホールで構成されているのに対し、パブリックコースなどには9ホールだけのゴルフ場もあります。物足りなさやチープなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、何かメリットやポテンシャルはあるのでしょうか。

9ホールのほうが18ホールより健康にいい!?

 ゴルフは1回のラウンドで18ホールをプレーするのが基本的ですが、全てのゴルフ場が18ホールで構成されている訳ではなく、パブリックコースを中心に半分の9ホールのみが設置されているところもあります。しかし、なかには「9ホールだけだと物足りなさを感じる」と考えている人もいるかもしれません。

18ホールを手引きカートでは疲れてしまうが、9ホールならちょうどいい運動になりそう 写真:PIXTA
18ホールを手引きカートでは疲れてしまうが、9ホールならちょうどいい運動になりそう 写真:PIXTA

 では、9ホールだけのゴルフ場にはメリットや潜在的な魅力はあるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「米国では数年ほど前から『プレー9(ナイン)』と呼ばれるプレースタイルが定着しつつあり、家族や友人などと一緒に9ホールだけのラウンドを楽しむ人が増えてきています。そして、9ホールだけのゴルフ場には、ゴルファー側と施設側の両方にメリットがあると思います」

「まず、ゴルファーにとってはタイムパフォーマンスに優れているという利点が考えられ、あまり時間に縛られることのない効率的なゴルフができるでしょう」

「通常の18ホールのラウンドの場合、早朝に集合してからプレーだけでも4〜5時間を要し、ハーフターンには1時間程度の昼食休憩などを入れると帰る頃にはすっかり夕方になって、ゴルフだけで1日のスケジュールが埋まってしまいます。対して9ホールだけのラウンドの場合、2時間ちょっとで回り切ることができるだけでなくハーフターンもないので、コースに到着してから3時間ほどで終わります」

「余った時間を使って他の趣味を嗜んだりショッピングを楽しんだりできるでしょうし、遠方まで来たのであれば周辺の観光や食べ歩きなど、非常に充実した1日にすることができるはずです。また、シンプルに18ホールをラウンドするよりもプレー料金も安く抑えられるため、コスパの面でもメリットがあります」

 飯島氏はさらに、9ホールを歩いてラウンドすることによって、健康意識を高められる可能性についても指摘します。18ホールのラウンドでは乗用カートが欠かせないですが、9ホールなら「歩きでもアリかな?」と思う人も少なくないはずです。

 ほかにも、集中力が長続きしにくいジュニアゴルファーや、ミスショットで苦戦して心身ともに疲弊しがちなビギナーにとっても、9ホールだけのゴルフ場は最適といえます。

 ちなみに米国で行われている「プレー9」は、USGAが2014年から取り組んでいるキャンペーンの一つで、毎月9ホールの競技会を開いたり低料金でプレーできるようにしたりするイベントも開かれているようです。

9ホールなら新たなゴルフ場ができる可能性も?

 では、9ホールだけのプレーは、施設側にとってどのようなメリットが期待できるのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。

「ゴルフ場サイドのメリットとしては、まず18ホールでコースを造るよりも整備する範囲を狭めることができ、建設コストを抑えられるのが第一に考えられるでしょう。一般的にゴルフ場の広さは100ヘクタールといわれていますが、単純計算でその半分程度の敷地で造れるとしたら開発できる土地の選択肢が広がりますし、都心からアクセスしやすいところなら需要も見込めるかもしれません」

 また、開業した後に関してもコース管理の作業一つひとつに手が回りやすくなるため、例えばグリーンが傷んでいたり、フェアウェイの芝刈りが遅れていたりといった不備も減って全体のクオリティーを上げられるはずです。

「さらに、何も“9ホール完結”のプランしか設定できない訳でもなく、ティーイングエリアの配置やコース形状を工夫すれば18ホールのプランを作ることも可能です。これによって収益アップにつながるだけでなく、同じホールでも1周目と2周目で違った景色をプレーヤーに楽しんでもらえるでしょう」

 ただ、9ホールのゴルフ場を新たに開発する場合の懸念点として、現在関東地方のほとんどの地域では周辺環境への配慮などから、ゴルフ場の新規建設計画の凍結状態が続いていることが挙げられます。

 しかしながら、昨年の6月には山梨県が1993年から約30年にわたって凍結していたゴルフ場の建設規制を解除したのも事実で、他の地域もこれに続いて許可を下ろしたり何十年もの間“塩漬け”状態になったままの計画を復活させたりすれば、普通のゴルフ場はもちろん9ホールのゴルフ場が新たに生まれる可能性はあります。

 特に大都市に住むゴルファーは1時間以上かけてゴルフ場に行くことも多いので、ハーフだけで帰ってくるのはもったいないと考える人も多いですが、近郊に手軽に回れる9ホールコースができれば、ゴルフの捉え方が変わって、もっとカジュアルに楽しめるものになるかもしれません。

 2025年問題で団塊世代をはじめとしたシニア層のゴルフ離れが危惧されています。年配層だけでなく、ゴルファーのなかには「毎回18ホールを回るのは疲れてしまう」という人も少なくないはずです。9ホールコースだけでなく、18ホール以上のゴルフ場でもハーフプレーの選択肢が増えれば、老若男女がそれぞれのスタイルでゴルフを楽しめる環境になるかもしれません。

ピーコックブルー

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