ゴルフシューズは進化型スパイクレスやBOAなどのダイヤル式フィッティングが勢力を拡大する反面、まだまだソフトスパイクやヒモも根強い人気を保っています。あまりこだわりがない人は、どれを選んでいいのか店頭で迷ってしまうのではないでしょうか。
ソールは6対4でスパイクレス、フィッティングは7対3でBOA
最近のゴルフシューズは、機能面では進化型スパイクレスやBOAなどのダイヤル式フィッティングを多く見かけるようになりました。デザインにこだわったモデルも多く、楽しい反面、どれを選んでいいのか迷ってしまうというゴルファーも多いでしょう。
今、店頭ではどんなモデルが売れているのでしょうか。人気モデルを調べました。

「ソールは6対4でスパイクレス、フィッティングは7対3でBOAモデル」
シューズの売れ行きについてそう教えてくれたのは、ゴルフショップの“聖地”東京・御徒町にあるゴルフショップ、コトブキゴルフ ワールド館の間瀬康裕店長です。
スパイクレスは突き上げ感がなく、それでいて最近のものはグリップ力があり、しかも履きやすい、と三拍子揃っているのが魅力だそうです。
「昔のスパイクレスとは違って、いまはグリップ力が高く、しっかりした造りになっています」と、自信をもって勧められると話します。
古くからあったスパイクレスシューズですが、数年前からグリップ力が大きく向上したモデルがリリースされ、ツアープロも試合で着用。一気に人気が高まり、今ではソフトスパイクシューズをしのぐまでになっています。
ソフトスパイクシューズを指名買いする少数派は「競技志向のゴルファーなど、こだわっている方が多いですね」(間瀬店長)と、どんなコンディションでもパフォーマンスを落としなくないこだわり派のようです。長年ソフトスパイクを愛用していて、そのグリップ力を手放せないゴルファーに選ばれています。
とはいえ、ソフトスパイクシューズも鋲に大小をつけるなど、工夫が凝らされたモデルが登場し、グリップ力が向上しています。足裏の接地感を重視したいゴルファーとの相性は抜群といえるでしょう。
一口にBOAと言ってもメーカーごとにフィット感は異なる

フィッティングがヒモかBOAをはじめとするダイヤル式かについては、間瀬店長はこう語ります。
「ヒモのほうがしっかりフィットさせられるという方もいますが、BOAもミリ単位での締め付けが可能です」(間瀬店長)と、実際は甲乙つけがたいフィット感が得られるため、最終的には「楽だから」というのが決め手となって、BOAモデルを購入する人が増えているそうです。
その売れ行きを裏付けているのがアディダスのスパイクレスシューズ「コードカオス22」です。このシューズ、ソールは共通でヒモとBOAを両方ラインアップしていますが、取材時には“BOAモデルは品切れ中”と、入荷すればすぐに売れる人気商品になっています。
BOAモデルもただ簡単に着脱できるだけでなく、フィット感やパフォーマンスを向上させるため、メーカーごとにいろいろな工夫を凝らしたモデルが登場しています。
パネル状の部品で甲を包み込むラップ構造や、ダイヤルが2つ付いたモデル、さらにはワイヤーをカカトまで通すなど、一口にBOAと言っても一律ではありません。ショップでいろいろと試し履きしてみると、フィット感の違いが実感できて楽しいのではないでしょうか。

そして、特にシニア層に人気なのが、軽量タイプのシューズです。ブリヂストンゴルフの「ゼロ・スパイク バイター ライト」は、スパイクレス×BOAという人気シューズの条件をクリアした同社史上最軽量モデル。「ラウンド後半でも疲れにくい」と好評を博しています。ブリヂストンのタイヤ技術が応用されたグリップ力のあるソールパターンも選ばれる理由でしょう。
シューズもネットで購入する人が多くなっていますが、フィッティングができるのが実店舗の強みです。
「最初の1足で決まる人はまずいない」(間瀬店長)というくらいフィット感は大事な要素。2足、3足と履き比べ、当初は購入を予定していなかったモデルになる人も珍しくないそうです。それだけメーカーやモデルによって履き心地が変わるのでしょう。そろそろシューズの替え時なら、お店に足を運んでみるのが良さそうです。
兵藤宙