国内女子ゴルフのステップ・アップ・ツアー開幕戦「大王海運レディス」が明日から行われる。注目は昨年のプロテストに合格した韓国のジョン・ジユ。身長173センチで容姿端麗の27歳がいよいよ日本ツアーデビューを飾る。

「韓国と似ていて難しいコース」

◆国内女子プロゴルフ<大王海運レディス 3月16〜18日 エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県) 6605ヤード・パー72>

 韓国ツアーで話題の“脚長クイーン”が、いよいよ日本ツアーに初参戦する。その名はジョン・ジユ。昨年、日本のプロテストに合格し、今季からステップ・アップ・ツアー参戦を表明。16日から開幕する「大王海運レディス」で日本デビューを果たす。

ステップ・アップ・ツアー開幕戦「大王海運レディス」で日本デビューを果たすジョン・ジユ(写真は練習日。その後、本戦を欠場)
ステップ・アップ・ツアー開幕戦「大王海運レディス」で日本デビューを果たすジョン・ジユ(写真は練習日。その後、本戦を欠場)

 彼女が注目される理由は、173センチのモデル体型で容姿端麗であることに加え、18歳からゴルフを始めて2年でプロになったという特異な経歴にもある。韓国では5年間2部ツアーでプレーし優勝経験があるほか、2019年には全米女子オープンの韓国予選でトップタイとなり本大会にも出場。21年には韓国レギュラーツアー(KLPGAツアー)にもフル参戦を果たし、“遅咲きのルーキー”が彼女の愛称となった。

「かねてから日本に旅行に来ることも多く、日本ツアーにも参戦したかった」というジョン。

 14日の練習日は18ホールを回ったが、「コースは距離が長くて、ほとんどが砲台グリーン。韓国のコースと似ているところがあって、その中でも難しいコースに入ると思います。グリーンの芝も韓国よりも薄くて、傾斜があるところはパットも難しく感じました」と、難易度の高いコースに少し表情も曇りがち。

 それでも日本でのツアーデビューを前に楽しさが勝っているようだ。

「とても楽しみです。緊張しているというよりかは、ゴルフの試合をしながら、今まで行ったことがない場所に行ける楽しみもあります。まだ試合が始まっていないので、少し旅行気分な部分もあります」

 異国の地で初めての場所でも、楽しむ余裕が彼女にはあるようだった。

目標は「QTに行かないこと」

 浮き立つ気持ちも少しはありながらも、オフは韓国で準備を怠らなかった。

「下半身のウエートトレーニングを中心に鍛えていましたし、アイスホッケーとかフットサルもして楽しみながら体を動かしていました。ホッケーは特に両足に負荷がかかるので、かなりハードなんですよ」と笑う。

 下部ツアーとはいえ、ギャラリーも観戦することになる今大会。自身のインスタグラムには「日本のファンからのメッセージもたくさん来るようになった」と喜ぶ。今季の目標についても「QTに行かないこと。今年は日本の試合をメインに出る」と腰を据える覚悟で、あくまでもレギュラーツアー出場が当面の目標だ。

 その理由について聞くと「韓国では私に『歳をとったね』と言う人が多いのですが、日本に来たら誰も私にそんなこと言う人はいませんから(笑)。18歳からゴルフを始めたので、まだまだ楽しくプレーできていますし、日本で息の長い選手になりたい」と、目を輝かせる。

「得意クラブはウェッジで90ヤードの距離には自信があります。長所ですか? 感情の起伏が激しくないところです。ミスしても大きく崩れることはないところでしょうか」と話す。まずはその実力がどんなものか、デビュー戦に注目したい。

ジョン・ジユ

1996年生まれ、韓国出身。18歳からゴルフを始め、1年でシングルになり、2年後にはプロ転向。2016年から2部の「ドリームツアー」に出場する権利を得ると5年目の20年に同ツアーで初優勝を手にした。賞金ランキングも6位に入り、翌年の1部ツアー出場権を獲得。21年にはプロ入り後、初めてレギュラーツアーに参戦。22年、日本のプロテストに合格し、23年からステップ・アップ・ツアーで日本参戦。

キム・ミョンウ