直接言われることはあまりないにせよ、マーシャルなどを通じて、後続組からと思われる指摘を受けた経験があるゴルファーは少なくないでしょう。後続組を不快にさせてしまう行動には、どのようなものがあるのでしょうか?

スロープレーはもちろん、コースの“原状回復”の努力をしないのはダメ

 一般的に18ホールあるゴルフ場の場合、1日に最大50組200名ほどのゴルファーがコースを利用します。ゴルフ場は共有で利用する場所なので、ドレスコード等のルールやマナーを守り、他のゴルファーを不快にさせないような振る舞いをする必要があります。

前後の組と直接関わることはまれですが、1日気分よく過ごすための思いやりは大事です 写真:AC
前後の組と直接関わることはまれですが、1日気分よく過ごすための思いやりは大事です 写真:AC

 特に前後の組は18ホールをともにすることになるので、スロープレーに陥ることなく楽しくプレーできるかどうかに関わってきます。なるべく前後の組に迷惑はかけたくないものですが、後続の組を不快にさせてしまう行動にはどのようなものがあるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「やはり後続の組が一番不快に思うのは、スロープレーだと思います。前の組と1ホール以上間隔を空けてしまっている状態だと、後続組からクレームを受ける可能性があります。スロープレーに陥っているにも関わらず、チンタラとプレーしているのは言語道断です」

「ティーショットで明らかに届かない位置まで前の組のカートが進んでいるのに、おしゃべりをしていてなかなか打たないゴルファーもまれにいます。後続が詰まっている場合は、余計に気になるので注意しましょう」  ゴルフ経験の浅いビギナーの場合は、多少スロープレーになっても仕方ない部分はありますが、前の組と離されている場合は、打球地点まで走ったりクラブを数本持っていったりと、早くプレーしようとする意思を後続組に見せたほうがよさそうです。

 さらに飯島氏は、コースを傷つけて修復しないゴルファーも増えていると話します。

「目土をしない、ピッチマークを直さない、バンカーをならさないなど、後続の組のプレーに悪影響を与えてしまうことも不快な思いをさせてしまいます。コロナ禍では、なるべく接触を少なくする目的でピンを抜かない人も多かったですが、現在ではシチュエーションに応じて抜く人も増えてきました。なかには、ピンをしっかりと戻さずに傾いた状態でホールをあとにする人もいます。ピンが傾いていると、狙い所がしっかりと定まらず、後続組に迷惑をかけてしまうので、必ず奥まで挿し込むようにしましょう」

 特にグリーン上は繊細な場所なので、傷つけて放置したままにするのはいただけません。スロープレーに陥らないようにとばかり考えて周りが見えていないと、うっかり忘れてしまうこともあるので、ボールマークやスパイクの引っかき傷などをつけたら必ず直す習慣を身につけましょう。

度重なるクラブの置き忘れに「ヤレヤレだぜ…」

 他にもクラブやヘッドカバーの置き忘れには注意が必要です。バンカーショット後に使用しなかったクラブを忘れてしまったり、カラーにウェッジを忘れてしまったりすると後続の組が拾うことになります。

 前の組との間隔が近ければ、「クラブ忘れていたよ」と声をかけて渡してくれることもありますが、離れている場合は、マスター室にわざわざ連絡を入れなければなりません。また、一度なら笑って親切に渡してくれる人でも、もし二度三度と続いたら、「いい加減にしろよ」と頭にきたり、「ヤレヤレ…」と呆れても無理はありません。

 対策としては、常にキャディーバッグを整理整頓し、足りないクラブにパッと気付けるようにする、ホールアウト後は必ずグリーン全体を見渡してから次のホールに向かうようにするといいでしょう。

 後続の組とトラブルが発生してしまうと、1日のラウンドが台無しになってしまいます。ゴルフ場を利用する人みんなが楽しく円滑にプレーするための気遣いが大切です。

ピーコックブルー