17日深夜に発生し、愛南町で震度6弱を観測した豊後水道を震源とする地震から一夜明け、県内では南予を中心に道路の落石や建物の一部破損、断水などの被害が各地で確認された。県によると運転中の四国電力伊方原発3号機(伊方町)は33ガルの揺れを感知した。
 3号機では、放射性物質を含まない2次冷却水の設備の一部が不調となり、発電機出力が約2%低下した。県は運転に影響はないとしている。
 県の18日午前8時時点のまとめでは、人的被害は計6人(松山市3人、宇和島市、大洲市、東温市各1人)で、いずれも軽傷。宇和島市内で瓦が落下するなどの建物被害が発生している。大洲市肱川地区の11戸で断水が発生。宇和島市、大洲市、愛南町で水道管の破裂や漏水の報告が複数あり、詳細を確認しているという。
 交通への影響も出ている。落石の影響で大洲市肱川町宇和川の国道197号など県管理道路4カ所が全面通行止めとなった。県大洲土木事務所によると車が巻き込まれたなどの情報はない。この影響で一部の路線バスが折り返し運転となっている。
 JR四国は午前10時20分現在、予讃線の松山―宇和島間の特急列車と伊予市―宇和島間(山回り)の普通列車を昼過ぎまで運休。普通列車の伊予市―伊予大洲間(海回り)と予土線の窪川―宇和島間は終日運転を見合わせる。
 このほか愛媛新聞の取材で、八幡浜市新町2丁目の新町商店街で、店舗側面2階の壁の一部が道路に落下する被害を確認した。
 気象庁は今後1週間ほど、最大震度6弱程度の地震発生の可能性があるとしており、家の倒壊や土砂災害のほか、危険な場所に立ち入らないよう注意を呼びかけている。